始まりの街
「……n…………ん、………ぉニ……sン」
何かが聞こえた。
「お兄さん、お兄さん」
目を開けると小学生ぐらいの子供がいた。金色の髪が風になびいている。きれいだ。サファイアのような真っ青な目でこっちを見つめていた。
手にはかごを持っている。お使いの帰りなのだろうか、かごの中いっぱいに何か入ってる。
「お兄さん、大丈夫?」
「大丈夫だよ。一つ聞きたいんだけど…ここはどこ?」
僕のの周りは草原だった。川の流れの音が気持ちいい。
「お兄さん……ほんとに大丈夫?」
「どこか悪いの? あたま〜?」
僕の心にクリティカルヒット。
「……本当に大丈夫だよ……」
「えぇっとね。カタストロフ・オリジナル・ストロングって街の近くだよ!略してカオス街とか呼ばれているんだ〜!ところでカオスってど〜ゆ〜意味〜?誰も教えてくれないんだ〜」
……うわぁ……カオス街はひどい……
できるだけ行きたくない街だなぁ〜
「お兄さん〜この街へ来ない?」
(カオス街って嫌な予感がするなぁ でも……自分がどこにいるのかもわからない状況だし……)
「来てくれないの?」
少女が目をうるうるさせて見つめてくる。
「カオス街ってどこ?案内してくれる?」
即答してまった……。
「ここがカオス街だよ〜。」
「で、でけぇ」
僕はは、門の前まで辿り着くと、思わずそう口を零した。
恐らく街を一周囲ってあるだろう城壁と、15m程の大きさを誇る分厚い鉄の門。
あんなデカイ門、どうやって設置したんだろうか。そもそも、あんな大きさの門がいるのか?
まあ、何かしらの理由があるんだろう。
「はいっ、次の人〜」
「えっと、町に入ってもいいですか?」
「はい、この水晶の上に手を置いてください」
「この上に?」
「あれ? お兄さん、もしかしてこの大陸の人じゃないんですか? これは犯罪歴を調べる水晶玉なんです」
僕が下さい水晶玉をに手を置くと真っ青に光った。
「はい、問題ありませんね。入町税は銅貨5枚になります」
税金がかかるのか。僕はお金なんて持っていない。
僕があたふたしていると、
「お金ないんですか〜?仕方ないですねぇ〜私が貸しましょう。必ずいつか返しに来てください。」
そう言って若い衛兵の人がお金を貸してくれた。
マジ感謝
町の中はそこそこ活気にあふれていた。
ちなみにさっきの少女は「バイバイ〜」って言ってどこかに行ってしまった。
多くの人が行き交い、露天で見たことのないような野菜が売られている。
あっち側の露店からは肉を焼く香りが……それに刺激されて俺の腹が大きくなった。
そういえば、何も食べていないから腹が減ったなぁ。
よし、先に食事を済ませてしま……そもそもお金がない。
働かなければ!
あ、そういえば異世界だからあの冒険者ギルドってあるのかな〜?
そんなことを考えながら僕は歩いていた。
あれが冒険者ギルドか!やっぱりあったんだ!
目の前には大きな建物がある。
建物の横には剣と盾を持ったゲームに出てくる勇者のような人の銅像がたててあった。そして建物の真ん中には、冒険者ギルドの文字がある。
そして和也はこれから始まるであろう冒険に夢を膨らませ、建物の中へ入っていった。