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予告
あるところ。人を殺したい人がいた。
人の死を見つめ、人の死を体験し、人の死を履き違えた人がいた。
時に彼女は手首を削り、時には猫を殺し、時には人形を用意して解体する。
常識的に考えて異常である。
しかし、常識とは時には間違えることもあるだろう。そもそも、常識とは多数の賛成を得た「それで当然である」ということの代名詞である。
だからと言って本当の正しさがそこにあるとは限らない。
だから人を殺すことも実は正しいのかも知れない。互いの利害が一致すれば、それは正しいのかもしれない。
彼女を見ていると、僕は時々そう思ってしまう。
これは、殺人願望のある彼女と、自殺願望のある僕が不器用ながらに生きていこうとする物語である。