第一話
「この時期に転校生かよ」
「あー、その目信じてないだろう」
「ああ」
「んなー!」
夏休みがあけ、生徒たちも大分学校生活に慣れ始めてきた9月下旬。
昼休み。
校庭で元気に走り回っているクラスメートもいる中、インドア派の蘇芳陸斗は親友の矢泉健と教室で話をしていた。
内容は「今日このクラスに絶世美女の転校生がやってくる」というものだ。
健は、情報収集が得意でクラスメートの家族構成から教師の鬘事情までほぼほぼ全て知っている。
信用度は、ほぼ100%。
「つっても、この時期だぜー?」
「俺の情報に嘘はないのだ」
「……まあ、確かにお前の話は大体信用できるけどな」
「大体かよ」
「なになに、何話してんのー?」
健が陸斗に突っ込みをいれるのと同時にクラスメートの女子が近づいてきた。
「おう、実桜か」
「おはよー。で、何の話してるのさ」
利月実桜は、健の幼馴染みだ。
第一印象はカワイイなのだが、その性格はクラスの男子にもおとらない位の男勝りで怒らせると怖い。
「ん?何って、このクラスに転校生が来るって話」
「テンコーセー!?まっさかーww」
「ちょっ、なに笑ってんだよ!」
健の情報は、幼馴染みにも信用されないようだった。