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プロローグ
「クールビューティー」
ある日突然やってきた転校生の彼女にはそんな言葉がよく似合う。
真っ黒な髪、白い肌、真っ赤な唇、少しつりあがった目。
誰もが息を呑むような美しさだ。
逆にそれが怖く見える。
こんなに美しい人間が本当に生まれるのだろうか。
彼女は話しかけられても、適当に聞き流したりしている。
笑ったり、怒ったり、そんな感情をあらわにしているところなど誰も見たことがなかった。
また、彼女は全く空気を読むことができなかった。
僕は、彼女の色々な事が知りたいと、そう思った。