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アルフェミア創世記  作者: azurite
第一章:アルフェミア創世
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新たなる目覚め②

今更ですが、優輝君の名前は”月の女神”という役が決まった後に出来ました。

天に優しく輝く月ということで、天月 優輝。なんとも安直ですね。

(…暖かい…それに、何処か懐かしく優しい…)


 意識を失ってからどれ位経ったのだろうか?

 現在私は、半ば覚醒しつつもまどろみの中で心地よさを満喫していた。


(赤子の頃、母親の胎内に居るときはこの様な感じなのだろうか…)

と己を優しく包む感覚に身を任せ、穏やかな気持ちで自分の状態を確認しようと目を開けた。


(う…ん?何だコレ?)


 そこで、優輝は自身が白い膜の様な物に包まれていることを把握する。


(ソルガディンと会話してた場所も確かに白一色だったけど…あそこは、なんていうか”何も無い”って感じる場所だったな。

・・・ついさっきの事のはずなのに、大分懐かしく感じるのはどうしてなんだろうな。)


 そんなことを思いながら優輝は苦笑し、膜に手を添える。そうして手を添えてみると、自身の肌の色が大分変わり、手もどこか骨ばった以前の自分の手とは違う物になっていることに気づく。


(月の女神…か…。)


 自身の一部の変化に気が付くと、それがスイッチになったかのように、己の身体が今までの物と全くの別物になっている事に気がついてゆく。

 頭髪は大分伸び、その感触が腰まである事には "一体どれ位眠っていたのだろうか" と見当違いな心配をしてしまったし、手にとって見れば、それは慣れ親しんだ黒色ではなく、透き通るような、それで居て芯のある青銀の色をしていた。

 また、胸には若干の違和感があったし、24年の歳月を共にした相棒の姿は股間には無かった。


(まさか、使う前に失うことになるなんてな…)


 若干の喪失感を味わいつつも、自身にはそれほどのダメージが無いことを”コレが男としての性向を失ったということか”と実感しつつ己の身体の違和感を再び探してゆく。


(胸は…大分小さいな。まぁ、自分の身体なわけだし、大きくて邪魔になるよりは良いか。しかし、私が着ていた服はどうなったんだ?確か、死ぬ際に着ていた寝巻き姿だったはずなんだが…。)


 今の優輝の姿は、全裸であった。しかし、ソルガディンと対話している際は確かに入院時に着ていた寝巻き姿であった。

 実際のところ、コレはソルガディンが脱がせたのではなく”服を着た姿”を本人が無意識下で強く認識していた為に、死んで魂だけの姿となった際にも服を着ていた様に見えたと言うだけの事であり、神の身体となった現在では自身の認識が自身の姿を映しとる魂と違い、実際に衣服を着る必要がある状態になっているのであった。


(あの男が脱がせたのか…?仮にそうなのであればさっさと服を回収したいところではあるが…。問題は、今の身体と着ていた衣服が合うかどうかだな…。

 以前に比べて大分細くなってる…特に腰周りなんか比べる必要も無いくらいはっきりとわかる…。これじゃ、以前の服を着たところでずり落ちそうだな…。)


 と、自身が裸である理由を知らない優輝は服がある事を前提として思考していた。


 優輝が思考に耽っていると、"ピシリ"という音が響いてきた。まるでその音は卵が孵るかの様な音で、実際に月の繭にヒビが入った音である。

 月の繭は、優輝の魂が女神の器に馴染み、意識が覚醒すると月の繭はその役目を終える。今の音がまさにその合図であったのだ。


(うん?割れる?)


 そう思い、自身の手をそのヒビへと添え軽く力をこめる。すると、その膜は割れるのではなく、触れた手に吸い込まれるかのように融けて消えていった。


 開けた視界に飛び込んできたのは、神聖な雰囲気をまとい、しかし何処か落ち着く様相の建物の内壁と、こちらを見て呆けるソルガディンの姿であった。

毎度のことですが、短いですねー・・・。今回はもうちょっと書こうかとも悩みましたが、今後のやり取りとか考えてきりよくココでいったんとめました。


 ようやく優輝君覚醒。前回はソルガディンの独白で始終しましたが、今回は優輝君の状況把握回になりますので盛り場はありません。

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