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アルフェミア創世記  作者: azurite
第一章:アルフェミア創世
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新たなる目覚め①

偶にココに壊れた優輝君とソルガディンのやり取りを乗っけるかと思います。


 意識を失った優輝を抱え、白一色の空間を抜ける。

其処は周囲を木々に囲まれた湖の中心に聳える大樹、その枝の一本の上であった。


 枝とは言ったものの、その一本一本は非常に太く、その枝の直径たるやゆうに150mは有るだろう。


 ソルガディンは優輝を抱え、荘厳な一棟の神殿へと向かう。その中に、優輝を月の女神へと昇華させるための揺り篭”月の繭”が有るのだった。


「さて、目が覚めたときどんな姿でどんな反応を見せてくれるのか、楽しみだな。」

 そう言って、ソルガディンは月の繭へ優輝を寝かせ、自身は創世の為に必要な事を自身の中で明確にしていく。


(新たな世界を作るにあたって、やっぱ無理が一番無さそうなのは地球の様に球形の惑星を創り、其処に大地と海を創るのが良いか。何処かの神が以前試しに天動説のような世界を作り出して、流れ落ちる海水の行く先と海水の沸きでる先をリンクさせるのに苦労していたようだしな。結局、流れ落ちた海水を湧き出す場所に転移させる力の消耗が大きすぎて、根源の力が回復せずに消滅しちまったようだし。それに何よりも、あぁいった形はやはり好みじゃないからな。

 ただ、地球と同じような形で無理無くやりくりするとなると、今度はまた根源の力が生み出す魂の量が多くなりすぎて二の舞になっちまうか…。どうしたものか…)



 結局の所、地球は輪廻による魂の浄化により、根源の力へと還る魂の残滓の量と、魂が生み出され、消耗される力の量の釣り合いが取れなくなってしまった。

 それにより、根源の力そのものの大きさが地球という器そのものよりも大きくなりそうになっていたのであった。



 根源の力が器である地球の許容量を越えてしまえば、地球という世界は崩壊してしまう。その為、一時的な措置として新たなる魂を生み出す量を増やし、根源の力が肥大化することを防いでいたのであった。

 これの目的は、生命(魂)が新たに増産されることにより、生命の争いの激化や、増えすぎたが故に起こる食料難等で若くして命を落とし、輪廻転生することが出来ない状態の魂を増やし、死に行く際の力のロスにより根源の力の収支をマイナスにする事であった。


 非情ともいえるこの行為の目論見は、当初のうちは成功していたと言えるであろう。だがしかし、この行為により、転生した魂による、環境の改造や技術の発展により途中から逆転してしまう事となってしまったのだった。



 故にソルガディンは考える。

(地球をベースモデルとして、何か新たなファクターを盛り込まないと結局同じ轍を踏むことになる…だがしかし、何か良い方法は無いモンだろうか…?

 輪廻の際に切り離し、根源の力へと返還する力そのものを限定してしまうか…しかし、輪廻の輪を抜けた後の魂は無垢じゃなくちゃいけないからな…そうなると、限定した後に残るものをどう処理していくのかが問題になる…。

 一箇所にまとめておけば、それはいずれ災厄へとなるだろうし、逆に拡散させるとなると、何処にどのように溜り、どのような影響を及ぼすか全く検討もつかん…。)


「クッソ…優輝の魂との交換条件で偏屈ジジイが出してきた制約が早速邪魔してくるぜ…。

なーにが『む、その魂はワシの従神へと昇華させようと狙っていたというのに』だ…。ぜってーあの場で俺に引き渡すのが惜しくなったに違ぇねぇ…。」


 ソルガディンがそう愚痴るのも無理からぬことであった。それほどまでに、優輝の魂は澄んでおり、また、その内に秘めた力は大きなものとなっていたのだ。


 本来、魂が”神の魂”へと昇華するには輪廻の輪をくぐらなくてはなることが出来ない。だが、輪廻の輪をくぐると、その魂の人格・記憶そして、穢れとを分離・浄化するために、内に秘めたる力を消耗してしまうのであった。

 その為、生前どのような人格であったか、どのような行いをしてきたかにより、輪廻の輪をくぐった後に残る、魂が内包している力に差が出るのであった。


 その点で、優輝は人として生まれた時点で内包していた力もさることながら、幼少よりの苦難、そして祖父より手解きを受けていた弓とその修練。毎日欠かさずに鍛錬を続け、その魂が得た力は中級神の上位に匹敵する程に大きなものとなっていたのであった。

 尤も、魂が内包する力が大きすぎたが故に、その身が力に耐えることが出来ずに死に至ったと考えると、本人からしてみれば嬉しくない物ではあるだろうが。


 さらに、人格としても申し分は無かった。

 他者に優しく、己に厳しく。時に自分の方が苦境に立たされていたとしても、周囲にいる人への配慮を忘れず、見返りを求めない無欲さにより穢れは殆どなく、輪廻の輪をくぐったとしても、その力は下級神の中でも上位…或いは、中級神の下位に匹敵したであろう。

故に、幾柱かの上級の神が優輝の魂に目をつけていたのであった。


「クッソ…優輝の魂を貰う代わりに、智慧は一切貸さないとか全く…ケチなジジイ達だぜ…。」


 ソルガディンはそうぼやいて、再び思考の海へと沈んで行くのであった。

優輝が目覚めるところまでいかなかった・・・orz

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