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アルフェミア創世記  作者: azurite
第一章:アルフェミア創世
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ダンジョン試作

おまたせしました。短いですが、投稿いたしました。

 ユキが鎹の樹を植え終わり、ダンジョンに戻ってみると其処には壁に張り付いている一匹の変態…もとい、ソルガディンがいた。


「……何やってんの?」

「このね!戸がね!開かないのッ!!」

 

 確かに、ソルの身体の向こうには戸があった。

 しかし、ノブの様なものは無く、また、観音開きのようにはなっていない為、引き戸なのであろう。


 しかし、此処はダンジョンである。


「……」

「ボケッと見てないで手伝ってくれ!ふんぬっ!」

「……あんた馬鹿?」

「なっ!」

「仮にもダンジョンなんだから…。脅威になる敵がいないからといって無防備な姿を見せたり、周囲の仕掛けを調べなかったりしなかったの?」

「………おぉ!」

「しなかったんだね…ハァ…」


 あまりにも残念なソルの回答に、額に手を当てながら嘆息する。


「まぁ、私も規模こそ指定したけれど、一定の法則に則ってランダム生成で作り出したからね。今、ドコにどんな繋がりがあったりするのかは解らないのだけれど…まぁ、力を使ってダンジョン内を感知するよりも折角だから楽しみたいところね。」


 そういって周囲を見回すユキ。しかし、周囲には目立つ仕掛けと言ったものは何もない。


「んー…コレが仕掛けですよ!って感じの目立つものは何もないね…。

 ソル、試しにその戸持ち上げてみてくれない?」

「おう。やってみるわ。フンッ!!」


 返事と共に力を入れて持ち上げようとするが、やはりびくともしない。


「うーん、違ったみたいだね。或いは、こちら側からは開かない仕組みになってるのかな?

 ソルは、この周辺は全部探索したの?」

「いや、左手方向からこっちに来て、戸があったからとりあえず開けてみようと躍起になってたらユキが合流したって感じだな。

 まだ右手方向は見て回ってない。」

「ふぅん…。今まで回った方に何かおかしなオブジェクトとか無かった?」

「いや、みてないな。松明代わりに神力で光球作り出して回っていたが、特にはなかった。行き止まりというような場所も無かったし…というか一本道といって良い位だったな。」

「そう…じゃぁ、まだ行っていないほうに行ってみようか。」

「おう。ちぃと名残惜しいが、この先に手がかりがあるかもしれないしな。」


 そう言って、ソルと二人で洞窟を先へと進む。




 どれ位進んだであろうか。道はずっと一本道であり、時折不定形のままの穢れが現れたが、先程の戸をあけられるような仕掛けは見ることが出来なかった。


「ずっと一本道ね…」

「そうだな。つまらなすぎてあくびが出てくるぜ…」

「確かにね。さっきは油断するなと言ったけれど、コレじゃ緊張し続けるという方が無理ね…。」


 そう言ってきた道を振り返る。

 ソルによって作り出された光によりある程度見渡せるとは言え、長い距離を一本道として歩いてきた。振り返った道の奥のほうは暗闇に飲まれ、見るものによっては不安を掻き立てたであろう。


「なんか…飽きてきたね。」

「言うな。」

「もういっその事、私の神力で地形感知しちゃう?」

「最初に楽しみたいといったのはドコのどいつだ…」

「いや、まぁ私なんだけどさ…」


 しかし、ここにいるのは2柱の神。口から漏れた感想は酷く味気の無いものであった。


「気を取り直して、前に進みますかぁ。」

「おう。流石に、この先に何もないってことはないだろう。それを楽しみに進もうぜ。」

「そうだね。それを希望に進もうか。それに、まだダンジョン内に穢れは存在しているみたいだしねぇ。」


 そう言って、二人は再び前に進むのであった。


「そういや、一定の法則に則ってダンジョンをランダム生成したって言ってたが…どういう法則で作ったんだ?」

「法則?あぁ…”出入り口、そして階段と繋がっていない通路を作らない”っていうのと”決められた範囲を逸脱しない”の二点だよ。」

「出入り口、そして階段と繋がっていない通路を作らない…ね。それが暴走した結果がこの一直線の通路なんじゃないか?」

「可能性は無きにしも非ず…まぁ、次回はもうちょっと複雑な指定で作ってみるよ。

 何せ、ダンジョン生成は初めてだからね。いっその事、ダンジョン管理を行ってくれるような存在を作り上げちゃう?」

「それはいくつかの検証後に考えればいいだろう。今は、コイツをさっさと終らせちまおうぜ…なんていってたら今度は扉か。」


 雑談をしながら先に進むと、目の前に扉が見えてきた。先程の動かなかった戸とは違い、観音開きに開くようである。また、見た目も先程の戸は”戸”と思わせるような簡単なデザインだけであったのに対し、こちらの扉はちょっとした装飾がされており、多少豪華になっていた。


「なんというか、あからさまに何かいますよと宣言しているような場所ね。こんな法則組み込んだっけ…」

「だな、いかにも”ボスが待ち受けています”って感じの扉だ。

 まぁ、うだうだ悩んでいても仕方がないんだ。ちゃっちゃと開けちまおうぜ。」


 そう言って、ソルは無警戒に扉に手をかけ、力を入れる。そして、すんなりと扉が開き10cm程の隙間が出来たとき隙間から何かが飛来した。


「ぅぉっ」


 ソルは短い悲鳴と共に、飛来した何かをいつの間にか作り出した手甲で弾き飛ばした。


「全く…油断しているからそうなるのよ。」

「いや…面目ない。」


---グルルルルル---


 ソルとの軽いやり取りを行っていると、奥のほうから獣が唸るような声が聞こえてきたのであった。


「あら?…まだ姿を保てるような存在はいないと思っていたのだけれど…予想外ね。獣同士の穢れが喰らい合って出来たのかな…?」


 そうユキはつぶやき、扉を開けて奥へと進む。

 其処には、狼の貌と前足を持ち、胴体は半分から先が溶けて不定形になっているなんとも不気味な状態の穢れが牙をむき出しにしていた。

最初のネタをやりたいが為にかなり悩みました・・・。後悔はしていない!反省はしているが!


そしてユキの口調が安定しないのは精神も大分女性化しているから。そんな設定・・・と自分をだましながらかいていました。

ボーイッシュに行くか、奥ゆかしく行くか…いや、性格はドSっぽいけどね!

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