プロローグ
いつか小説を投稿しようと思い登録してから1年と少々。ようやくカタチになりかけたのでプロローグを投稿させていただきます。
いつエタるかわかりませんが、よろしくお願いします。
また、他者様(有名無名かかわらず)の考えられました物質やら名前やらを利用する可能性がありますので、二次作品とさせていただいております。利用する際は作者様の許諾をいただいてから利用いたしますので、ご容赦下さいませ。
「ここは…どこだろう?」
気が付くと私は闇に包まれていた。深い闇と浮遊感に包まれ、立っているのか、寝ているのかも定かではない異常な空間。まるで虚無。その中で現状を把握する為に己の記憶を探る。
「私は、確か死んだはずだ。」
自分の名前は天月優輝。歳の頃は二十四歳。
高校の教師としての免許を取得し、自分が通っていた私立高校の恩師達に誘われ、新任教師として赴任するも秋ごろより体調が徐々に悪くなり。
最初のうちは風邪だと思い町医者に処方された薬を飲んですごしていたが、症状が改善せず、後に病院にて精密検査を受けたときには既に末期となっていた。
教師として教え子を持つというのは自分にとって非常にやりがいのある仕事といえたし、古巣でもある弓道部で、射的と指導を行うといった事が何の気兼ねもなく出来るといった環境は非常にありがたいものでもあった。
しかし、ソレも長くは続かず。最初のうちは誤魔化しながらも勤務を続けていたが、ひと月もしないうちに身体の自由が利かなくなり。
遂には癌であることを告げ、退職・入院をすることとなった。
それから半年。幼い頃に交通事故で両親をなくし、祖父母に引き取られ。高校3年の頃に引き取り、育ててくれた祖母を。祖父は成人式の晴れ姿を見届けた後に穏やかに息を引き取り。親戚はなく、既に天涯孤独の身であった。
遺すものは何もなく、病院の個室にて友人や恩師との穏やかなやり取りを最期に、面会時間も過ぎた深夜にゆっくりと息を引き取ったのだった。
「目ェ覚めたようだな。」
何処からか太く、力強い声が響いてくる。その声に一拍遅れて周囲の景色が白く一転する。
「よう、嬢ちゃん。俺は”ソルガディン”。お前さんが住んでいた世界とは別の世界の神だ。」
そういって目の前に急に現れた金髪赤眼の男性が挨拶をした。
「………」
無言でこめかみを押さえ、目を瞑る。
「どうした?嬢ちゃん。」
男はその行動を疑問に思ったのか、再び声をかけてくる。
嬢ちゃん…この空間にいるのが私と目の前の男だけである以上、ソレは私のことを言っているのだろう。故に、私は間違いを正さなくてはいけなかった。
「私は男だ……」
確かに、癌と診断されてからの半年の入院生活で髪を切る余裕もなく、また、天涯孤独の身故に薬剤投与による延命措置もしなかったため、髪は肩口より下辺りまで伸びていたし、自身の容姿は女性的では有った(性別を知らぬ他者から見れば美女と評価されるだろう)。見ず知らずの人から女性と間違えられることは生前では日常茶飯事であったし、電車では痴漢にあったこともある。
だがしかし、目の前にいる男は神とのたまったのだ。その程度のことは見抜いてほしかった。
誤字脱字は仕様です。
ご指摘いただけましたらこっそり訂正いたします。




