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プラウダでの報告

 東京に戻り、自分の休暇を延長、レナさんの検査にも付き添った。そして病院の帰りにプラウダに立ち寄った。レナさん妊娠のことはマスターもびっくりしていたが喜んでくれて嬉しかった。

 「いやはや、とにかく二人仲良さそうで良かったです。そう言えば先日の俳句の話ですが、あの方はあの後は芭蕉博物館に行ったみたいですよ。」

僕らは顔を見合わせる。

「レナさんの友達だったあの人の話ですか?」

「あ、さおりちゃん?ごめん、聞いてみたら何か違ったみたい。あの新聞に載っていたの私だけでないし浅はかな推理だったわ。」

マスターは笑いながら「実は地域の広報誌に近くの芭蕉博物館のセミナーの開催報告が載っていて、彼女が写り込んでいたんです。」

と広報誌を見せてくれる。何かの講演会の写真でマイク持って何か質問しているのは彼女のようだ。

「やはり俳句関係ではあったんですね。」まあ当たらずと言えども遠からずか。

「ただの時間調整だったのは少し残念ですね。広がりがないし。」と思いついたことを言うと、レナさんが

「あら、この博物館にこの講演会に行くってことは今後もここに来る可能性はあるでしょう?私の句の載った新聞も読んでたし。でもこの講演会…」レナさんは不思議そうな顔で広報誌を見直す。僕も一緒に見る。「講演会のテ-マは"芭蕉は星が好きだったか?"って、そんなのわかるの?」

レナさんは少し考え込むと「確か天の川を詠んだ句はあったと思うけど。」

「'荒波や佐渡によこたふ天の川'ですね、、」マスターが教えてくれる。

「隅田川のそばに住んでたのに、歌川広重が浮世絵に描いたようなことを芭蕉はしていないとか、そう言う考察?詠んでないのかな?まあでも広重とは少し時代が違うかな?」と僕も何か面白く感じてきた。

「でもさっきの句ですが、その時は雨続きで想像で詠んだ句と言われているようですけどね。芭蕉は忍者説、隠密説、いろいろあってミステリアスなので面白いですが、星好きかどうかと言うのも考えるといろいろありそうですね。私も調べたくなりました。」マスターは芭蕉についての興味が広がったようだ。

 「マスターはここに住んでいて芭蕉が何考えていたかとか想像したりできます?」とレナさんが聞くとマスターは何故か幾分たじろいで、

「そうですねえ、当時の様子を想像するに今とあまりに違うだろうという感じになり、今のセンスでは計りかねますね。」マスターは淋しげな様子で俯いてしまう。レナさんと僕はその様子に顔を見合わせると、レナさんはヒソヒソ声で「何かマスターには思うところあるみたいねー。何かは全くわからないけど。」と僕に話し、マスターの顔を覗き込んだ。そして僕の方を驚いた顔で急に振り返ると、左腕で覆って隠した右手でマスターを指差した。マスターは泣いているように見えた。

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