朝からラーメン
毎日お疲れ様です。
暇つぶしにどうぞ。
☆
「ぐー…ぐー…」
俺と並んで座るゴンタ君が「腹が減った」と肩を震わせ、泣いてるフリをしていた。
俺はゴンタ君の背中を摩りながら、残酷なお知らせをする。
「ごめんよ、ゴンタ君。昨日の夜食べたおからクッキーが最後の一枚で、もう食べ物はないんだ…」
「ぐぐ!ぐぐぐーー」
手をぐるぐる回して、ポカスカと俺を殴るゴンタ君。
「そう怒るなって…俺だってひもじいんだから…」
ポカポカと当たるぐるぐるパンチがガチで痛い。ガードしながらも、反撃のチャンスを狙う。
しかし反撃手前でぐるぐるパンチがピタリと止まった。
「ぐぐ!!ぐぅっ!ぐぅっ!」
何か閃いたようにゴンタ君が指差す先にはダンボール。
「え?あのダンボールを甘辛く煮たら豚の角煮になるんじゃないかって?」
「ぐぐ!ぐぐ!」
名案とばかりに手を叩くゴンタ君。
ゴンタ君の提案にしばし悩む…
「そうだな。言われてみたらダンボールは肉だよな!よし!」
☆
そう決めた俺が、ダンボールをちぎって大鍋に水を入れてるところで目が覚めた。
「やべ、漏れそう…」
目が覚めたら、腹はぺこぺこだが膀胱はぱんぱんになっていた。
ベッドから飛び降りトイレへ駆け込む。
危なかった。
水の夢って油断ならねぇな…
「膀胱ぱんぱん過ぎて変な夢見たわ。…しかし腹減ったなぁ…」
玄関先に積んであるダンボールの山にちらりと目を向けた後、冷蔵庫の前にしゃがみ込み中を覗いてみる。
冷蔵庫の中には、プリンと付属のスプーンと……2週間前に賞味期限が切れている3食入り128円の「シマダ○ちゃん生麺」のラーメン最後の一食。
「よし!ラーメン食お!」
急に寒くなったから、熱々の汁物は最上のご馳走だ。
小さな鍋に湯を沸かしている間に、どんぶりにスープの素を入れておく。
「スープは熱湯250cc…か」
鍋の湯が沸騰したら、どんぶりに湯を入れスープを完成させておく。250ccより少ないスープにするのがミソ。
好みの固さに麺を茹で、茹であがったら湯切りなどしないで箸で麺をどんぶりにうつす。
スープを濃く作るのは湯切りしないから。
昔、テレビでラーメン屋のオヤジが大袈裟に湯切りするのを真似して、茹でたて熱々の麺を足の上に落とした事があり、湯切りにトラウマ。
さて!出来上がり!
「マジご馳走〜♡いただきまーす!」
ずそそそ…
「うまい!」
下手なラーメン屋で不味いラーメンに700円払うより「シマダ○ちゃん」のほうがずっとうまいよなぁ…
「朝からラーメンって意外かもだけど俺は好き。………俺、ラーメン屋やろうかなぁ…。具はもやしのみで良くない?一杯300円くらいでさ。あっという間に元取れそう。どう思う?」
「ぐぐ!ぐぐ!」
「な!やっぱり名案だよな!」
食後のプリンを夢中で食べるゴンタ君も喜んでくれている。
ゴンタ君も賛成してくれた事だし。俺、明日会社辞めて、ゴンタ君と一緒にラーメン屋やろう。
ありがとうございました。




