青春
「せいしゅん」です。
「アオハル」でなく!
二度と帰らないと心に決めたのは
最早 他人事の過去に
共感性羞恥を超えて再会するのも
気が滅入るという理由に他ならないのです
棲み慣れた鶏小屋からの引っ越しが
卒業アルバムを捨てるいい機会だと
段ボールにガムテープを巻いた
惨めに終わった初恋と
真面目に座った教室を
青春なんて呼ばれたくはなくて
切に この朱夏を紅葉よりも赤く過ごせたら
嗚呼 そう願わずにはいられないもの哉
故郷さえ捨てずして何を捨て去るのか
よもや 誰ぞが知るまいに
確かめては周知の事実 相対するのも
気が触れかねない始末に耐えられそうもせず
葉書での同窓会へとのお誘いも
次なる棲み処まで追ってくるはずもなく
恩師の訃報も知らずに暮らす
初めと終わりはいつだって
滲めど流れぬ涙なの
青春なんて有り難みもなくて
どうせ この朱夏も白秋までに灰汁を浮かべ出し
嗚呼 掬う匙もなく玄冬が這い寄る