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ゲコ面ライター ビチンタ  作者: チャウチャウ坂
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9話

気がつけば、そのまま空も真っ二つになっていた。存在するはずのない次元から脳みそが現れて頂点にくっついた。それは明らかに哺乳類で


ウヌマーは衝撃を受けていた。

「何だ?駄目だヨダレが止まらない。はっきり分かる。ご馳走だ今まで出会ったことのない!」


口出汁は衝撃を受けていた。

「あぁ。タイプだ。初めてのチュウをアレに捧げたい。」


梅星は思った。

〔アレ?俺何かやっちゃいました?〕


「なぁ。俺たちってさ、どうしてここにいるのかとかさ、自分達がどういう存在なのかとかさ、何一つ分からないんだけどさ……」

口出汁は人にだって永遠の課題を清々しくダシにして自分の願いを全力で伝えた。

「俺はこの建物の頂点を目指したい!」


この世界、国の名前も資本国ならそれはそれは上下関係が徹底されている。その頂点。誰もがどれだけ目指そうとも辿り着けない境地。


口出汁とウヌマーは頂点を目指すと決めた。

梅星だけがどうでも良さそうにパンのミミックのフカフカにもたれていた。


「ねぇ、ここであの2人とお別れしたいんだけど。」

梅星はくつろぎの姿勢を崩さない。


「駄目ですよ。銀貨も貰ってないのに裏切っちゃいけませんよ。」


梅星は自分に梅の枝を擦り付けてチンパンジーのGALの姿になった。

「裏切れる程、仲良くないよ。」



“血のピラミッド”は202段手構成されている。

このピラミッドの中で試しに202に電話してみて欲しい。全国に派遣前の楽屋で過ごすメリーさんに繋がる。


梅星たちは入り口で“メリー48 クリスマスライブ”のポスターを見つけた。


「この子たちはね、48階層にいるよ。このタイプの女は幸せになれない。」

赤いスーツに山吹色のチョッキ、緑色の艶のあるスーツを身につけた信楽焼が出迎えた。


「メリーさんが男でないと誰が決めたの!」

排泄物にしか見えない茶色いスライムがとぐろを巻いていた。


無視して赤スーツの信楽焼は特に、口出汁を覗き込んだ。

「あはははは!いゃ〜マジか。凄いね。模型を作ったことはあるけど、本物見られるとは思っていなかったな。」

そう言うと信楽焼は胸ポケットからサイコパスの診断書を取り出した。


「なるほど、診断書が名刺なるのか。まぁ確かに最近はエセ精神病患者ばかりだからな。」

口出汁は信楽焼の名刺を咥えた。

「でも、サイコパス診断を一般人が問題作成してるんだから……」


「しょうがない。診断という名の娯楽なのだ。」


「それであなたはどういった方なのです?」


「僕はエレベータージェントルマン。このピラミッドのね。ようこそ!ここが最下層。202階層だ。」


「ラッキーだ!もうすぐに頂点に行けそうだな。」


「エレベーターぐらいはさ、自分で動かせるから要らなくない?」

梅星は口出汁に口出しした。


「いやぁ。君たちには案内役が必要だと思うけどな。早速教えてあげよう。階層ごとに象徴とされる名がつくのだ。ここはこう呼ばれる。〈いぬきスライム〉と。」


「このスライム達が?」


「ああ。ここに来るのはそう!“転生者”という存在だ。ここの世界の者ではないのだから、この最下層に押しこんでいる状況だな。」

信楽焼はそう言いながら先程声をかけて来た茶色いスライムを蹴飛ばした。


「彼ら皆、面白い者ばかりでね、皆みーんな!いじめられた奴等ばかりなんだ。」

「いじめられた末路によって内容が変わってくるんだ。道路ジャックしてスープ缶をぶちまけた挙句殺されると白色に。ここに来ることを願って自死すると黄色に。虹を掲げてデカい声を出して、頭蓋骨を激しく振動させて、自分の脳みそがぐちゃぐちゃになって死ぬと茶色になってここに来る。」


「居抜きって言うのは?」


「ああ。ここは元々は“人間”て存在がいたんだよ。その者達の築き上げたものがそのまま残ってるんだ。」


「へぇ〜」


「おいおい!こんな奴らどうでもいいよ!俺たちはこの建物の頂点を目指すんだ。お願いします協力してください。行けるところまで上の階へ!」


「あー。ごめんね。その事なんだ。“転生者”のスライムの中にも困ったのがいてね。」


前触れも無く画鋲が飛んで来た。


「彼だ。ここのスライムは十八番のように誹謗中傷していたのだが、彼だけはチクチク言葉ってのを使っていたんだ。だから彼は[押しピンスライム]になった。」

「能力はシンプルだ。押しピンをつけたモノをそこに拘束する。」


「何で画鋲じゃなくて押しピンって言うのですか?」

ウヌマーは緊張感無く興味本意で尋ねた。


「いや、皆さ、インターネットにいる人はどこの出身でも関西弁使うじゃないか。」


押しピンスライムはどんどん画鋲を放つ。も、全員で腕を回しながら体を後ろに反らせた。

世界がスローになった気がした。


他のスライム達が巻き添えを喰らっていた。


「丁度良い!またこのままここに留まるわ!」


「画鋲……学校……うわぁぁぁぁぁ!」


「私たちはLGBTQを認めていくべきよ!」


「スライムに性別とかあんの?」


押しピンスライムの画鋲は全員全部を回避したと思われた。口出汁は土鍋なので硬さで刺さらず(刺さっても刺さってなくても結局自由に動けない。)。


他の者達も全員がコンピュータ世界が舞台の映画のように回避したと私は記述した。

が、1人だけ犠牲者が出てしまった。


パンのミミックだけは体を反らせない。だって箱だもの。

パンのミミックはそのまま202階層の壁に磔にされた。

奇跡的に、磔の上に立派なステンドガラスが現れた。



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