ドワーフ村創設
タイトル変えました。
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「みんな、忙しい中集まってくれてありがとう」
館の会議室でドワーフの六人が顔を並べている。
ゲレオン、デリオン、アリソン、ブルゾン、ガリソン、ゲルトンの六人だ。
ブルゾンは新たに参加してもらったドワーフである。
「坊っちゃん、ようやく待ってました! ですな」
「うん、俺が仕切るようになったからね。有能なものが必要なんだ」
「それにしても、いきなりドワーフ村を建設したいなどと」
「たくさんのドワーフが関心を持ってるんだろ? まとめて助けてもらおうと思ってさ」
「ま、一番は酒に関心が行ってますが、他にもこの領には新機軸のものがたくさんありますからな。ドワーフは技術オリエンテッド。技術オタク、職人集団ですから」
「君たちが酒を始めとして様々なものに関心があるのはわかっている。ただ、現状では次のような担当にしようかと思っている」
ドワーフ管理者
料 理 ゲレオン
酒 ・ 瓶 デリオン
鍛 冶 師 アリソン
魔道具師 ブルゾン
建築・土木 ガリソン
農業関連 ゲルトン
「「「うむ。今までの担当ですから異論はありませんな」」」
「ありがとう。でな、ドワーフ村はここ女神教会門前街の隣に建設する予定なんだが、色々と新機軸を考えている」
「「「ふむ」」」
「まずは、【ドワーフ学校】だ。ドワーフが徒弟制度をとっているのは知っているし、それを尊重したい面もある。だが、俺は君たちに新しいことを要求してきた。そうなると、旧態依然とした組織では発展性に欠ける」
「坊っちゃん、わかるぜ。そうした新しい面が若いドワーフをひきつけてもいるんだからな」
徒弟制度は若者を中心に嫌気をさしている人が多い。
主に、理不尽な押し付けや旧習たる技術の伝承に飽き飽きしているのだ。
それに、形を変えた奴隷制度という見方もある。
「ありがとう。俺は職人の育成を是非とも進めたいんだが、知識・経験の共有を徒弟制度じゃなくて学校みたいにしたらどうかと思うんだ」
「ほお」
「次に【商工会構想】。耳慣れない言葉だと思うが、現在のギルドのマイナス面、業界の保守的・排他的な態度を改め、もっとオープンなマインドで地区内の商工業の振興を図る。名付けて女神教会商工会だ」
女神教会商工会では以下を実現させる
過度な新規参入禁止の排除
価格高値維持の撤廃
業界の独占・寡占状態の禁止
決まりを破ったものへの過度な制裁禁止
「ふむふむ。親方重視のギルドに対して中堅とか新人には受け入れやすい話だな」
「ああ。ただ、ギルドにはいい点もある。もともと、同業者の声を公に届けたい、という思いから設立されたギルドが多い。まあ、教会の下部組織になっているギルドも多いがな。それと、あまりにも自由にすると、市場が荒れやすい。技術の低い製品や価格勝負しか長所のない製品とかが闊歩したり、悪徳商人や詐欺や恐喝紛いの商人が出現しかねない」
「確かに。坊っちゃんのいうとおりだな。ギルド全部が悪いわけじゃない。要するに、時代に沿ってアップデートしていくわけだな」
「では、次に俺の考えている新技術を発表する」
「おお。ワクワクするぜ」
■酒
究極のワイン(女神様に贈呈するワイン)
究極のワイン蒸留酒
■瓶・ガラス
ガラス瓶の大量生産
磁器製品
面積の広い強化ガラス板
■お菓子
究極のスィーツに挑戦
■魔導具・鍛冶
魔導自動車
魔道具の大量生産体制
「ふーむ。耳慣れない言葉が多いが」
「これらは後日説明していく。一つだけ説明してみよう。何がいいかな」
「どれも今説明して欲しいぜ。究極のワインも気になるが、魔導自動車ってなんだ?」
「馬車の馬なし車」
「は? 要するに車の部分を魔導で動かそうとでも言うのか?」
「おお、さすがは理解が速いな。その通り。いろいろなパターンがあるとは思うが、俺は風魔法で車を地上から浮かしたらどうかと思う」
「ああ、それは面白そうだ」
「だろ? 乗り心地は抜群に良くなるはずだし、悪路もあまり気にしないと思う。水上走行も可能だろう。俺は名称も考えてある。ホバークラフトだ」
「うーむ、凄い発想だな。しかも、今すぐにでも開発可能そうなのがいい」
「これは新たな開発チームを作ってもらう。リーダーはアリソン、サブにブルゾンとする。そこに新人のドワーフを何人かつけよう」
「おお、いいじゃねえか」
「もちろん、それだけに専任してもらっちゃ困るぞ。二人は統括するのが仕事で実際の仕事は若いドワーフにまかせて欲しい」
「あー、そんな殺生な」
「鍛冶や魔道具は大量生産体制を作り上げる必要がある。一番いそがしい部門だからな。だから、新人ドワーフを一番に放り込むから鍛えて欲しい」
「「よっしゃ、わかったぜ」」
「このようにな、各自新規開発の担当を割り当てる。ただ、君たちは専任にはならない。あくまで統括で全体を見て欲しい。実務はできる限り新人に割り振って、人を動かすことを実践してもらいたい」
「「「おし、まかせろ!」」」




