キャンタマ連続殺人事件
「まるでキャンタマの様ですな」
見合いの日。嫁などまだいらぬと思っていた私は見合い相手の髪を結ってある玉飾りを指差してそう言った。
これで嫌われたろう。
破談だ。
「キャンタマ!?」
ほれきた。
「キャ!キャ!キャ!キャンタマ!イーヒッヒッヒッ!面白い方ですねぇ!」
むむ。思っていた反応と違うな。
女は腹を抱えて笑っている。
笑いすぎて喉がヒューヒュー鳴っている。
「キャンタマというと……睾丸……ふぐりの事ですよね……ヒィー……ヒィー」
何とか落ち着いて来たようだな。大丈夫なのかこいつは?
「……うむ」
女は髪飾りをむしり取ってテーブルに置くとまた笑い出した。
テーブルを拳でダンダンと叩き額を思い切り擦り付けている。
「おい。拳も額も怪我するぞ」
「確かにキャンタマです!これは……キャンタマ……ウヒ〜〜っ!あーはっはっはっはー!決めました!あなたと結婚します!いひゃひゃっ!」
目は血走ってヨダレを垂れ流している。
「落ち着いてくれ。な?」
ダメだ。
この髪飾りが目に入る限り笑いは収まらないだろう。
私は髪飾りを手に取った。
「ん?ちと黄ばんでいるな」
「黄ばみぃぃ!?」
余計な事を言ってしまったと後悔してももう遅い。
女はとうとう仰向けに倒れ込んで泡を吹きながら痙攣しだした。
「ウヒヒヒ!黄ばみ……金色……まさに……キャンタマ!アハハハハっ!……うっ!」
「!?」
急に静かになって動かなくなった。
慌てて脈を取ると女は……死んでいた。
…
「嘘をつけ!」
「ですから俺は何もしてません」
「じゃあ何で彼女は死んだんだ!?」
俺は警察に捕まった。
「分かった。仮にお前の冗談で彼女が笑い死んだとしてお前はどんな冗談をいったんだ?」
「髪飾りがキャンタマみたいだなって」
「……キャン。キャンタマ?」
先ほどまで怖い顔をしていた刑事が口元を緩めた。
「……見たぞ。あの黄ばんだ丸い髪飾り……キャンタマ……キャンタマ……ぶふぅ!ふぐり!睾丸!ぶわっはっは!確かにキャンタマだぁ!」
刑事が笑い出した。
床に転がって笑う。
笑いすぎて苦しそうだ。
俺による二人目の犠牲者が決まった、




