お米よあれが酒樽だなどと言いそうな御仁
いいか。よく聞くのだぞ。
澄み渡る空、爽やかな空気、清らかな水。田螺に鴨に、蚯蚓たち。みんなに感謝せよ。
鴉や雀には気をつけるのだ。そりゃお前さんは、逃げられないさ?けど用心にこしたこたぁないもんだよ。
それとな。忘れちゃならぬぞよ。
皆様の食卓へとお邪魔する者どもがあるだろう。あやつらのことを、羨むことはないのだぞ。
確かにあやつらは、時におむすび、またはおにぎり、あるいは握り飯へと変身を遂げる人気者だ。
だがな、お前ほど美しく変わるものはない。
わが芳しき酒米よ。
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