詩 ハッピーバースデーは当たり前
誕生日を祝う事が 当たり前の事だなんて
私は知らなかった
誕生日を祝うのが 当たり前の事だなんて
私はずっと知らないで生きていた
生まれてありがとうと言われる日が
毎年くるものだなんて 信じられなかった
私はその時になるまで知らなかったから
「生まれてこなければよかった」「お前が生まれてきたせいで」
――言葉が槍の様に心臓を貫いて
「どうして生まれてきたの?」「死んでしまえばよかったのに」
――毎日それが続いていたから
誕生日を祝う事が嬉しい事だなんて 知らなかった
誕生日を祝う人が笑ってくれるだなんて 知らないままでいた
誕生日の存在が嬉しく感じるなんて
誕生日がある事が幸いだと思えるようになるなんて
「ストーリー」
少女は生まれてきておめでとう、と言ってもらった事がない。
けれど、少女は生まれ育った環境から離れて、新しい場所へうつった。
だから、少女は初めて知った。
誕生日は、祝いの日だという事を。