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〇〇ーサイズはいりません!!

――――この口頭だけの契約の条件について彼女に伝えなくてはならない。正直に言うと、これが一番厄介で面倒くさいんだよなー。多いし、反感を買えるぐらいのことは言うつもりだしね。今まで相談してきた人は、優しかったり親しい仲だったので問題はなかったけど...一応怒鳴られても耐えられれよう身構えていよう...


「代価については了承された。次は今から言う《《すべて》》の条件に了承してくれたら相談に乗る。いいな?」

「...了承しなかったら私の恋愛相談には乗らないという解釈で合っているかしら?」

「あぁ、そういうことだな」


この恋愛相談は俺無しでは成り立たないから、主導権は俺にある。だから相手の態度が失礼すぎた場合や、個人的に嫌いなタイプの人間がこの話を持ち掛けてきた場合、俺は突っぱねる気だ。まぁ、今のところゼロから俺の正体を見破ったのはマティルドしかいないけどね。誰かから教えてもらったようだし、話が終わった後で問い詰めよう...


「相談に乗る前に一つ言っておくが、俺は超能力者でも天才でもないから100%マティルドの恋を実らせることはできないからな」


これは絶対に言っておかないといけないからな。俺と恋愛相談したのに失敗した場合、悪態を吐かれないための保険として。そう言ったら、目の前の彼女は爆笑しだした。


「あはは、淵君面白ーい。そんな真顔で言わなくってもわかってるわよ、あなたも人間だから成功しないことは当たり前よ。むしろ相談を持ち掛けたのはこっちの方なのに、失敗したら人のせいにする人に見える?」

「......不躾だったね、見えないよ。でも俺は、ちょっと人間不信なところがあるからさっき会ったばかりの女の子を完全に信用できるほどちょろくないもんでね」

「そう....なら信用を得られるように頑張るわ」

「頑張らなくていい、俺の信用を勝ち取るよりも自分の好きな人に振り向いてもらえるように努力しろ。そっちの方が時間を有益に使える」


俺のイメージでは、彼女なら振り向いてもらえるために努力する系統の女子だと思うけど...あって間もないからまだ何とも言えないな。


「.......わかったわ、今はそっちに専念するわ」

「あぁ、そうしておけ。...後、さっき俺は100%君の恋を実らせられる確証はないって言ったが―――

―――サポートは全力でする、俺のできることすべてをもって君が幸せになれるよう導こう。これだけは約束する」

「.........................これが恋愛相談じゃなかったらプロポーズだったね」

「は?今のどこがプロポーズなんだ?」

「えっ?だって今......あぁなるほど、わかったわ。(淵君は天然なのね)何でもないわ、ありがとう話を続けて」


なんか俺がプロポーズみたいな言葉を使った様に聞こえたらしいけど、そんなつもりはないから多分彼女の解釈違いだろう。何故か顔もちょっと赤くなっていたし、風邪でもひいたのかな?後なんか一人でなんか納得していた......何故かその時向けられた憐みの目にはイラっとしたけど、話を進めるためにあえてツッコまなかった。


「それじゃあ、最初にマティルドに関する情報をすべて教えてほしい」

「......えっ?」

「だからまず、落とすターゲットの前にターゲットを落としたい人から知っておこうというわけだ。一番身近にいるし、至極合理的な話だと思うが......どうした?顔を赤くして」


なんでマティルドに個人情報を俺に開示してくれって言った途端、顔をトマト色に染めて俯いているんだ?早く喋ってくれれば、こっちも楽なんだけどなー。まぁ、俺もさっき知ったばかりの人に個人情報を教えるのは抵抗あるから待つとするか。


「......わかったわ」

「じゃあ俺の手帳に書くから、始めていいよ。あっ、安心していいよ、マティルドが彼氏ゲットしたら君の目の前でページをちぎって燃やすから」

「...じゃあ...私のスリーサイズは―――――――

「ストォォォォォォォォォォォォォップ!!!!!」


この人は何を口走っているのかな?!思わず店内で叫んでしまったじゃん!個人情報を教えてって言って普通スリーサイズを初っ端から投下するか?!っていうかそもそもその情報いらないし!


「君のスリーサイズなんて興味ない!!俺が言ってるのは、普通の個人情報!家族構成とか友達の数とかそういうの!」

「いや...だって...淵君が個人情報っていうから、スリーサイズも含まれていると思って....」

「含まれてると思っていたのか?俺は一応男子だぞ!そんな軽々しく女子の大切な情報を教えようとするんじゃない!」


全くこの子は!どうしてすぐ性について話題が吹っ飛ぶのか...しかも、彼女の場合本当か冗談なのかもわからないし...たちが悪いよ、本当に,,,


「ごめんなさい.....まさか、本当に普通のことを聞かれるとは思わなくて...」

「...いいよ、反省しているなら許す...けどスリーサイズなんて年頃の一般男子に教えるようなものじゃないからな。それは絶対に忘れるなよ」

「了解、肝に銘じておくわ.......ところで年頃の男子の淵君は私のスリーサイズを知りたくないの?」

「知りたくないわ!!」


俺は欲望丸出しの変態じゃないわ。っというか、好きな人以外の女子は多分どうでもいいと思う。好きになったことないけどね......

それよりも――――


「全然反省していないな!!そこに直れ、説教が足りなかったようだ!」

「あはは、許して―えんく~ん」


許さん!!

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