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代価

俺と同じ高校の女子マティルドに捕まり、半強制的にカフェへに連れていかれた。そして彼女が俺に接触した理由は―――恋愛相談。


「さぁ、始めようか俺たちの《《恋愛相談》》を」

「えぇ、頼んだわ」


 さて俺もこういう状況は初めてではないので、いつも道理に行うことにする。

 まずは――――


「俺の恋愛相談はかなりおかしいから、そこのところは気を付けてね」


 一応注意事項はしておく。なぜなら俺は人を騙す気で、こういうことをやっているわけじゃないからね、それと今から話すことについての責任は取らないという意思も含めて言っている。


「そもそも、ジェントルメイデンという異名が町中に広まっていることと、正式な感じの相談をしている時点でおかしいわよ」

「はは、それもそっか。じゃあいつもの段取りで行かせてもらうよ」


 ですよねー、そんな気がしていたよ。ところで―――


「俺の相談に代価が必要だってことは知っているか?」


 確認を取らなくてはいけないが、多分ジェントルメイデンを知っている時点で俺が引き受ける条件なども教えられたはずだ。目の前の彼女の顔には《《代価》》と聞いて、少し顔に緊張の念が生じた。


「...えぇ、知っているわよ。でも、過去にどういう対価が求められたかは私も知らないわ...だから淵君がいかがわしいことを求めるなら、警察に連絡をするしか...」

「いや、変な誤解を招く発言はやめてくれる?!っていうか、それだと相談相手が男だったら通じないじゃないか!」

「冗談冗談、テヘペロ許して!」


 うわー、容姿はこんなに可愛らしいのに...何故かあざといしぐさをすると怒りが沸々と沸いてくるよ。...表には出さないけどね。


「はいはい、許そうとも。というか話の腰を折るな」

「ごめんねー、続けて続けてー」


 カフェに入ってから僅か10分しかたっていないのにもう帰りたくなってきたよ......あれ?カフェってリラックスする場所でもあったのでは?......雑念を追い払って本題に入ろう。


「じゃあ代価だについて戻るよ。俺が求めるものは――――――

「(ゴクリ.........)」

「――――ない」

「.......へっ?」

「だから求める物はないって言ってるの。代価なんて物騒な名前を使っているが別に大したものじゃない」


 だからそろそろ、異世界に飛ばされた魂を自分の体に戻してくれないかな?帰ってこないなら、俺このままずっとカフェで待たなくちゃいけないんだけど?


「はっ!!」

「おかえりー」

「ほ...本当なの?!何も求めないって?!だって恋って人間である限り、どんな年齢でも解決するのはとっても難しいじゃない!なのに、それを叶えるための代価がゼロって、あなたには利がないじゃない!」


 信じられなかったのか、マティルドは言いたかったものを全部吐き出し息切れしている。テーブルの上に両腕をおいて顔を近づけるのはやめてもらっても?...あとちょっとで失神しそう...オネガイドイテ...


「落ち着けそれと近いから離れてくれ!」

「ご...ごめんなさい。ちょっと気がまいちゃったわ」

「はぁ~。説明不足だった、訂正しよう。代価は頂くが大したことじゃない、今の俺がマティルドに求めるのはないから貸し一つかな。成功したらの場合だけどね」

「貸し?でもそれじゃ、あなたが求める代価が不明なのに説明がつかないわ」


 それを聞いちゃうか~、まぁ大した理由はないんだけど、言うのが恥ずかしいんだよね。


「それは、多分俺が恋愛相談に求める物が、相談相手によるからだろ。例えばマティルドには代価として貸し一つって提示しているけど、他の人には別のものを頼んだりしていたからね。他人の代価は機密事項だから聞かれても答えないからね」

「なるほど、納得いったわ。私は貸し一つで相談に乗ってくれるのら構わないわ....でも性方面については協力はしないからね...」

「だ~か~ら~。変な誤解を招く言い方を、店内で言わないでって言ってるじゃん!いつどこでだれが聞いてるいるかわからないんだし...」


 全く、俺をそんなにおちょくって楽しいかな?やられる方としては楽しくないってわからないのかなー。...今俺が言ったことは、半分は事実で半分は嘘だっていうところはばれなかったらしい。本当なのは代価を求めること、そして嘘なのは今まで会った相談相手は、すべて《《同じ代価》》で受け持ったってところかな。そして、その貸しを未だに一度も使っていないってところだろう。俺が出す代価がわからないのは、保留にしているからだろうね。


「だって淵君ってイジリがいがあるんだもの」

「それ、俺の友人たちにも言われたが不名誉極まりないのだが?」

「え~別にいいじゃんいじられキャラ、板についてるわよ」

「よくない!後板についててたまるか!」


 普通ならそういう役回りになるのはもっとこう...小さくて...無力感があって...守りたくなるような人物に当てはまるのに...なんで目の前の人と立場が逆なんだ?


「それはいいとして、纏めるとすると、俺との恋愛相談の代価は貸し一つでよろしいかな?」

「よろしいです。なんかまるで契約書を口で言われた気分...」

「まぁね。こういうときだけ俺はちゃっかりしてるから。というわけで、第一段階終了。次に行くぞ」

「まだあるの?」

「言ったろ。俺の恋愛相談は特殊だって、少しでも成功率を上げるための策だと思ってくれ」

「わかったわ、どうせ始めたのなら最後まで付き合ってあげるわよ」


 うんうん、その意気だ。その位の気合がないと、俺の尋問に疲れて眠たくなっちゃうよ~。というわけで、代価については決まった、そして次は――――――

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