#8
優の不用意な発言により、ミオのお説教が長々と続いたのは言うまでもないだろう。
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それからしばらく話し合った結果、優と翔が自分のスキルを試しみたいということになり、725階層にもう少し留まることになった。
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少し移動した場所に優はいた。
「うーん、【詳細窓】のおかげでゲーム画面みたいになったのはいいけど、表示が多すぎて少し視界が悪いなぁ……整理…できるのか?」
どうすればできるのかわからんなぁ…
《ヘルプ》
……ヘルプあるんかいっ! ったく初めから表示しとけよなぁ
このヘルプで分かったことは、詳細窓では。自分のスキルの有効化、無効化が自由に可能になる・他のスキル、祝福、魔法と組み合わせることが可能(詳細は省く)・1度使用した魔法がリストに表示され、選択するだけで魔法発動、要するに詠唱不要・相手のLv、ステータスなどの確認(不可能な場合もある)・不意打ち防止のアラーム機能(機能しない場合もある)・ミニマップ・生物の表示(絞込み可能)・キルログの表示・アイテム、スキル、魔法などの詳細確認・通訳・任意の相手への詳細窓の1部機能付与・Lvが上がるにつれて機能が増えるかも?
との事だ…あれ?サポートスキルにしては少しやりすぎな気が…まぁ、いきなり異世界に飛ばされたんだから、これぐらいはね…フフフフ
えーと、倉庫工房でも試してみるか…っていってもあれだな、名前から大体どんな能力か想像できるけど、一応詳細を確認しておくか。
倉庫工房《無限倉庫と連動してありとあらゆる加工が可能》
なるほど、要するに生産系のスキルか!んー、今持っている剣じゃ心もとないから、起きた時に回収しておいた竜の牙でも加工しとくか。
えーと、素材リストから素材を選んで、加工方法を選択してあとは細々した装飾、付与をすればいいのかな?とりあえず、形状は曲刀、鞘は、同じ素材でいいか。付与は、俺と相性がいい光と闇属性の魔法の増強と刃こぼれするとめんどくさいから自動研磨でいいかな?あとは…装飾か、刀身は元々の色の黒でいいや、鞘には黒塗りの光沢のある塗装の上に桜模様だな、剣?刀?の方には柄には黒と白の糸を巻き付ければ!鞘とマッチするかな?鍔は竜の牙を削り出した物で竜のレリーフを施して竜の部分以外光沢のある黒塗りで、竜の部分は深蒼色でいいな。
あとは名付けだけか…何にしようかなぁ
命名【夜桜】
あとは、試し斬りしてみるかなぁ
と言いつつ無限倉庫から夜桜を取り出し近くにあった岩に振るうと、刀に触れた岩がプリンでも切断するかのように切れた。
「……は?、いやいやいや切れ味おかしいだろっ!刀ってこんなに切れるものなのか?大した付与してないんだけどなぁ、もしかしたら素材に竜の牙を使ったからかな?まぁいいや、いい刀ができたことには変わりない。」
この調子で次は固有魔法でも試してみるか!
とりあえず聖魔龍発動っ! 《初めて使用する場合は詠唱してください》 え?固有魔法って詠唱いらないんじゃないの? 《詳細窓を習得したことにより初回のみ詠唱が必要になりました》 ………ふ・ざ・け・る・な!はぁ?めんどくさい……
とりあえず聖魔龍の詳細は、《UNKNOWN》………いやいやいや、なんでUNKNOWNなんだよ!詳細ぐらい教えろよ! 《不可能です、世界によりこの情報はブロックされています》 ………は?とりあえず発動させないと分からないって事か。やるしかないよなぁ
詠唱する呪文は……あ、詠唱しようと思ったらウィンドウに表示された。んー言葉に魔力を込めてこの文章を読みあげればいいのか。とりあえずやってみようかな
「汝我が問いに答えよ 世界の根源と讃えられ 漆黒の魔境と呼ばれし場に君臨せし者 白銀の幻想と呼ばれし場に君臨せし者 我はそなたを恐れぬ 我が望むは破壊と創世なり 我が魔力を糧に決して交わらぬ二つの力を纏める 神竜と呼ばれし力 我が野望に役立てよ 【聖魔龍】」
詠唱を終えた途端、二つの直径200メートルを超える白と黒の魔力で形成された魔法陣が浮かび上がり目映い光を放ち始め視界を埋め尽くすほどの光量になると、刹那の間に収束していき、光が収まり魔法陣の中心に禍々しい魔力を纏った漆黒の龍と、神々しい魔力を纏った純白の龍が立っていた。
二匹は、しばらく優を見つめた後、黒い龍がゆっくりと口を開いた。
『我を呼び出したのはお前か?』
「俺だが、お前たちはなんだ?」
『我は説明は苦手だ、そこの白いのに聞いてくれ』
「わかった。説明頼めるか?」
『とりあえず契約しようかぁ?主従契約ではなくて共鳴契約でねぇ。共鳴契約ならお互いの能力を使えるから便利なんだよねぇ、それにお互いに明確な上下関係とかないからぁ、んーお友達契約的なぁ?』
「…何をすればいい?」
『名前をぉつけてくれればぁいいかなぁ』
うーん名前か…白い龍……白…シラユリだな!黒い方は…ヤシャでいいや。
「りょーかい、君はシラユリね、そして初めに話しかけてくれたそちらのドラゴンさんは、ヤシャね」
『うん、これで契約完了ね。』
契約が終わったと同時に1人と2匹の足元に魔法陣が現れ、すぐに消滅した。
《神聖龍アルマイルザと契約したことにより称号【白銀の覇者】スキル【龍魔法(聖)】を取得しました。魔神龍ネファルヘルスと契約したことにより称号【暗黒の覇者】スキル【龍魔法(魔)】を取得しました。称号【白銀の覇者】【漆黒の覇者】を取得したことにより称号【混沌の支配者】を取得しました。スキル【龍魔法(聖)】と【龍魔法(魔)】を取得したことによりスキル【龍魔法(混沌)】【神龍化】を取得しました。》
……なにこれ?まぁいいやそのうち分かるっしょ。もう疲れたよ、お家帰りたい……
「んで、説明よろしく」
『そうだねぇ…まず、私達【神聖龍アルマイルザ】と【魔神龍ネファルヘルス】を同時に召喚は人間ごときには不可能でなんだよなぁ。』
「いや、実際召喚してるし…」
『それなんだよねぇ、召喚に使ったこの魔法陣は何?魔石を使った物でもないしぃ…』
「魔法陣は書いてないし、強いて言うならば詠唱し終わったら魔力で魔法陣が形成されていたぐらいかな。」
『それはねぇ、多分原初魔術の一種だねぇ。いやぁこの時代に使える人間が居たなんてねぇ。』
「その原初魔術ってなに?」
『一般的に使われている魔法の原型になったものだねぇ。この魔法陣を見る限り、君が使ったのは神法陣だろうね。いやぁ、神法陣なんて何万年ぶりに見たかなぁ…おかげで思い出すのに時間がかかっちゃったなぁ。』
《ヘルプ:神法陣:通常の魔法では絶対に不可能な現象を引き起こすことが可能・使用するには、素質が必要》 そういうことね…要するに超強化版魔法陣ってことね!
「ちなみに今何歳?」
『そうだねぇ、この世界と共に生まれてきた根源種、簡単に言うと世界が生まれると同時に生まれたから、年齢なんて覚えてないねぇ。』
「……ごめん、俺の耳がおかしいのか知らないけど、世界と一緒に生まれったて聞こえた気がしたんだけど?」
『そんなことはどうでもいいからぁ、君が使った魔法は何?』
「え?固有魔法だけど?」
『『………』』
え?ちょっと無言にならないで!こらそこ!目で会話しないっ!…俺なんか変なこと言ったか?
「え?なにかおかしなこと言った?」
『ごめん、私の耳がおかしいみたいだ、うんそうだ。きっとそうだ。多分そう…』
いや、事実だからね?なんなら俺のステータス見れるよね?契約してるから、そうだよね?
「…いやさっき言った通りだよ。召喚したのは固有魔法だからね!」
嘘なんてついてないから!いい加減信じてくれ。
『そういうことにしておいてやる。白のも早く次の説明せんか!』
『そうですねぇ、もうこれと言って説明することないんですけどねぇ、質問あるぅ?』
「とりあえず、そのどデカいの小さくなれない?非常にスペースをとるから」
『うむ、我らならその程度造作も無い』
そう言い、2匹の体が光ったかと思うと、インコぐらいの小さい龍が2匹飛んでいた。
君たち質量保存の法則って知ってる?完全に無視してるよね?あ、そう言えばここ異世界だったわ…
「それぐらいの大きさなら大丈夫だね!戦闘とかは問題ない?」
『『大丈夫だ…問題ない!』』
何故そのネタを知っている!?
「お〜い、凄い光とミオが魔力の本流を感じたって言ってたから来たけど大丈夫かー?」
そう言い翔とミオが走ってきた、なお、ミオは人化を使い人間の姿である。