#16
初めての全身龍神化を使い今の容姿は原型は人型、背中には黒と白の翼が生えており、更に硬い鱗に覆われ先端に針のある尻尾が生えている、そして全身に禍々しくもあり神々しいオーラを纏っている状態だ。そして、ヤシャとシラユリは龍神化の際に優に吸い込まれるようにして融合した。
優か発せられるプレッシャーは並の人なら泡を吹いて気絶するレベルだった。
「手始めにこれでいこうか【光の槍】」
優が放った魔法は第2階級の魔法。普通なら光の槍が目標に向かって飛んでいくだけの魔法だが圧倒的な光属性の適正により威力と初速は宮廷魔道士より数段上である。威力だけを見るなら第6階級魔法にも劣らない程だ。それが約20発これをまともに浴びればワイバーンですら一溜りもないだろう。
ミスターGに魔法が直撃するが甲殻に当たったものから魔力が霧散しまともなダメージが入っていない。その間にミオの【ウォーターカッター】なども当たるが結果は同じである。
「アハハ、そうこなくっちゃね!もっと俺を楽しませてくれ!次はこれだ【深淵の渦】」
混沌魔法に位置する【深淵の渦】はミスターGを簡単に飲み込み四方八方からありとあらゆる斬撃・打撃・苦痛を与える1度飲み込まれればそれは死を意味する魔法である。渾沌魔法を含む上位の魔法となればほぼ全ての魔法が禁呪クラスであるため階級は決められていない。そもそも使える者がほとんど存在していないのだ。
渦に飲み込まれたミスターGはというと、様々な斬撃や打撃がくるがその甲殻で斬撃なら滑らせ打撃なら自ら吹っ飛ぶことで威力を殺していた。その為決定打がなかった。そして、雑食故か【深淵の渦】ですら食い破り自ら脱出した。
「マジかよ……でもこれで終わりじゃないから今の俺が全力で攻撃したら天井が崩落しかねないから全力を出せないのがちと不満だがなっ!」
そう言い夜桜を抜刀しそのまま斬りつける。しかしやはり滑るのか刃が入ることなくミスターGの甲殻の上をなぞるようにしそのまま地面を斬り裂いた。
「チッ、これもダメか!ならこれでどうだ」
優は龍神の神気を練り上げ圧縮しそのままミスターGの頭部に当てた。
当たった神気はミスターGの頭部から侵入し内部で爆裂した。そしてミスターGのHPを2割削っただけだった。その間にも翔やミオによる魔法や剣を使った攻撃が続いていた。そしてミスターGの自己回復により神気で与えたダメージが既に回復されていた。
「弾丸をイメージしてみたがこれは使えるなぁ!でもこのままじゃジリ貧だなぁ……なんか入ってねぇかな?」
メニューの中のインベントリ欄から使えそうなアイテムがないか探していた。しかしミスターGが放つ攻撃が激化したことにより回避をしながら探しているため、とても効率が悪い。
お?これは…?
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ゴ〇ジェットΩ
詳細
地球産のゴ〇ジェット。アルドヘルムに召喚された際に強化された。
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ゴ〇ジェット!これならいける!俺はミスターGに急接近しゴ〇ジェットΩを噴射する。
まともにゴ〇ジェットΩを浴びたミスターGのHPが0になった。
「………ゴ〇ジェット強すぎだろ…」
「さすが地球の対ゴキブリ兵器…異世界でも通じるのかよ…え?なんでお前はゴ〇ジェット持ってるんだよ!?」
「あー、日頃の恨みを込めて新根の顔面に噴射してやろうかと思ってね」
「なんてこと考えてるんだ…普通に怖ぇよ」
そして地球トークの時はいつも空気の異世界3人(匹)組であった。
ヤシャに食べさせるために回収に向かったが、何故かミスターGのお腹のあたりが膨らんできていた。そしてパーンという効果音がつきそうなぐらいの勢いでミスターGの死体から小さなゴキブリが出てきた。その数約150匹。
「ギヤァァァァァ、ゴキィィィィィィ!」
「いや、お前さっきまでゴ〇ジェットかけてたのに何故今更叫ぶ?」
「めんどくさいから【凍冷霧】これでいいかしら?」
所詮生まれたばっかりのミスターGなので碌な魔法耐性など持っておらずそのままミオの魔法によって8割ぐらいのちびゴキが絶命した。
「んじゃ俺も【生命の崩壊】」
そして優の魔法によって全てのミスターGが絶命し地下にもかかわらずフロア全体に光が差し込んだ。ただ間違いなバリボリとヤシャがミスターGを食べる音が聞こえていた。ちゃっかり素材となる甲殻は回収してあるのだった。
《レベルが1000に達したためレベルリセット及び進化を開始します。》
そんな声が脳内に響いたと同時に俺たち3人はそっと意識を手放した。