#9
優の所に翔とミオが到着し、別れてから今まであったことや自分の能力などの説明を終えたとこである。
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「要するに、俺たちもその能力の恩恵を受けれて、視界をゲーム風に変更出来るってことでいいよね?」
説明を聞いて大体を理解できるあたり、翔とミオの頭の良さがわかるだろう。ミオについては、年の功だろうと思った優だが、これは言わぬが吉であろう。
「大体そんな感じだよ。この2匹シラユリとヤシャなんだが、まぁ頼もしい味方が増えたと思ってくれればいいよ」
そういい、肩をくすめる優であった。
「白神様、黒神様お久しぶりです。人魚族の元族長のミオでございます。お二方ともお元気そうでなによりです。」
え?なに、知り合いなの?君たち
『おお、人魚族の長か久しいの』
『あらあらミオちゃんじゃなぁ~い、元気そうで何よりだわ』
あれ意外とフレンドリー?友達なのかな?
「「………」」
1人と2匹?の久しぶりの再開?にどう反応していいか分からない優と翔は、ただただ沈黙を保つので精一杯だった……なお、内心ツッコミたいのは言うまでもない。
『『これからは仲間として、やってくつもりだから様付けはいらんよ(ないわよぉ)』』
「分かりました。これからはシラユリ殿、ヤシャ殿と呼ばせていただきます。」
いや、あまり変わってないからね?分かってる?
『それが妥協点であるか?』
「はい…」
『ならそれで良い』
君もそれでいいんだね…何が基準か俺はもう分からんよ…うーん、ドラゴンと人魚かぁ…なかなかモンスターファミリーと化してきてるぞ!?この先不安でしかないんだけど!翔なんとかしろよ!こういういざこざ系は向こうの世界では、お前の担当だろ?てかこれからまた増えそうな気がするんだけど!テンプレ的に!あ〜、これ以上何も考えたくねぇ!てか眠い…魔力ごっそり持ってかれたからその影響かな?今の状態なら昼寝のスピードで、の〇太くんにも勝てる気がしてきたよ…
そう内心色々と関係ないことまで考えながら翔を見ていた優だったが当の本人(翔)は興味津々と言った感じでミオと2匹のドラゴンを見ていたのであった。
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あれから数日がたち、シラユリとヤシャが今までのことなどを語り、優は丸一日寝込むなどのアクシデントはあったものの、最下層を目指すということで、下階層に繋がる魔法陣を使い降りていた。
「おぉ、上の階層とは全く違うなぁ…なんというか幻想的」
そんな感想を言ったのは言わずもがな優である。
「そうだね。地球だったから観光名所になってそうな光景だね。でもここまでこれるか?って言ったら無理だと思うけどね。」
その光景というのが、辺り一帯の外壁や天井また床までもが淡く青色に光っているのであった。その光景はまさに、天空の城ラ〇ュタのワンシーンである。
『うむ、綺麗だ』
『向こうでは、こんな光景見れんなぁ』
あ、君らもそう思うんだねぇ…
「それだけ長く生きていてもそう思うんだ…」
『感情は理屈じゃないわい!ちーと黙っとれ!』
「あ、ハイ。サーセン」
そんなような会話をしていると、壁の1部が崩れそこから、下半身が蛇で上半身がゴブリンのような魔物が約30〜40匹ほど湧き出てきた。
「何あれ?気持ち悪いんだけど…」
「せめて、上半身が美少女だったら良かったのに…ラミアみたいに!なぜなんだ!この世界終わってやがる…」
……ショウクン?あなたこんなキャラだっけ?いやさ、俺も思うよ!けどね今から殺す相手だよ!?美少女だったら殺せないやん…精神的な問題で…日本にいた時の(人を殺してはいけない)って固定概念がまだ俺達にはあるんだから…
そんなツッコミを心の中でしつつ、優は視界の端にあるウィンドウに意識傾ける
えーと、あの魔物の名前は…《オーガラミア : 太古に上半身が人間か魔物かに別れた時に魔物に進化した個体。身体能力が非常に高くまた、致死性の毒を使うため牙に注意。》なるほどオーガなのね。なんか納得!
「とりあえず、翔先制攻撃よろしく〜」
こいつ1番動き早いし…
「ちょっと、優はどうするのさ?まさか俺だけとは言わないよね?言わないよね?」
「なぜ2回言った?」
「大事なことだから2回いった!」
え〜これ俺も行かなきゃいけないやつ?めんどくさいんだけど…
「後方から魔法撃ってるよ。」
だって怖いじゃん!魔力なら腐るほどあるんだからこっちのがいいやん!
「あのー?ミオさんは?…まさか貴女までも後方支援とか言わないよね?まじで!」
翔諦めろ…現実は非情だ…
「私は、近接苦手なので後方支援します。」
いや、そんな満面の笑みで言わないでさしあげて。
「翔…男にはやらなければ行けない時があるんだ…」
「あーもう!行けばいいんでしょっ!行けば!」
そう言い残しオーガラミアの群れに突っ込んでいく翔だった。
オーガラミアに人間の知覚速度をあるかに超えるスピードで翔が斬りかかったが、かえってくるのは肉を切り裂いた感触ではなく何か硬いものに剣を叩きつけたような感触だった。
「ちっ!無駄に硬ぇ、」
(物理攻撃がダメなら魔法も組み合わせてみるしかねぇな…付与・属性炎・魔法名灼熱地獄)
祝福を使い2本の剣に広範囲殲滅魔法を付与し、2本の紅く輝く軌道を描きながら再び斬りかかった。今回は剣がぶつかる瞬間あたり一帯が摂氏1300℃を超える炎に包まれた。なお、翔本人は叩きつけた剣を持つ右腕の力のみでバク宙の容量で一気に魔法の範囲外に退避していた。
当然だが、これだけの攻撃を受ければオーガラミアなどオーバーキルである。それどころか死体やはたまた魔石も燃え尽きてしまった。
攻撃の範囲外にいたとはいえ、優やミオもただではすまなかった。
翔が魔法を付与した時点で当然周りの温度が上昇していた。それ異変を察知したミオが水系統の魔法で周りを覆っていたため、優やミオは翔の攻撃の巻き添えにならなくてすんだ。なお、この後翔がミオのお説教を歩きながら受けたのは言うまでもないだろう……
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オーガラミアを倒ししばらく歩きどんどん階層を降下していくがところどころ戦闘はあったものの、ほとんどを翔に押し付け、その度にあたり一帯が炎に包まれるなり、そこだけが氷河期になったりと、地球なら環境保護などと騒がれたことだろう。
「うーん魔物少ないわね」
ミオが何となく発した言葉に予想外の者から返答がきた。
『うむ、我がいればそんじょそこらの魔物など本能的に危険を察知して一目散に逃げていくわい。』
うっわ〜何そのドヤ顔超ムカつくんだけどー!ヤシャさん殴っていいすか?
「さすがヤシャ殿、私たちに出来ないことを平然とやってのける、そこにシビれる(以下略)」
「何故そのネタを知っているっ?!」
思わず突っ込んでしまった優である、その間シラユリや翔は空気に徹していた。このようなやり取りがこの場に来るまでに幾度となくあったことが伺える。
すると目の前に見るからに怪しい大きな扉が見えてきた。
「いかにもって感じだな」
「オートマそうだな。てなわけで翔安全確保よろしく〜」
「はいはい、分かったよ。まったく人使いが荒いんだから…」
そう言いつつも、ソニックブームを起こしながら、扉の方へとむかっていった。