おっぱい様はオパール様3
「う……ん…」
フワフワした枕を頬に感じる、枕に顔を埋めて、スーーーっと大きく息を吸ってみた。めっちゃいい匂いする…めっちゃいい匂いする…!!幸せだなぁ。
枕を握ってみると、ムニュっとしている…俺はそこでやっと意識がハッキリしてきた、明らかに綿とか羽毛が入っている布の感触ではない。肉だ…フワフワおっぱい肉だ…!!
「えへへ…」
嬉しすぎて思わず笑ってしまった。
「やっと目覚めたか?体と魂が馴染むのに随分と時間がかかったのう…」
つい最近聞いたような、懐かしいような声がする。声のした方に顔を向けると、オパール様のキレイな顔が間近にあった。
「なんだか久しぶりにおっぱい様に会った気がします」
オパールじゃ、と呆れた顔をするオパール様に、へへっと笑いながら片手を上げてまぁまぁ…と言いかけてハッとした。
「え!??俺の手!?ちっさ!!!??」
はぁぁぁ!?と叫んでしまった、ニギニギと動かしてみる…俺の意思で動く…間違いなく俺の手だ。
「それは当然じゃろう…あの少年の体じゃ、元々デカイお主からすると小さく感じるじゃろう…それにしても可愛いのう…」
うっとりした顔が俺を見つめている、近い近い、っていうかめちゃくちゃ胸が当たっている!もう既にご存じかと思うが俺は断然胸派のおっぱい星人なので天国である。幸せ!
俺は少年が現れたときと同じ、オパール様の胸に埋もれる状態ですっぽりと抱かれている。
「お主の魂に引っ張られて容姿が変わってしもうたが…好みの範囲じゃ」
好みの問題かよ!思わずツッコミかけたが、だんだん状況を思い出して、自分の置かれた状況や体の変化に気付いた、体の変化って言ってもカラダガ小さくなったとかそんな事じゃない。
「なんか力が漲る感じがする…」
「うむ、それは魔力であろう、お主の魂にはちょーっとおまけで多目に持たせておいたぞ」
ニコニコしながら頭を撫でてくるオパール様…デレデレだな。
ははーん、デレデレか…薄々感じてはいたが、オパール様は俗に言うショタコンなのだろう、ジャ○ーズとか絶対好きそうだし?今、俺ってば絶対悪い顔してるだろうな…ニヤリって顔の横に書いてありそうだ。
「オパールさまぁ、ぼく…これからずぅっと一人で生きていくの?」
俺は精一杯の可愛い幼気な少年を演じた。
上目使いでウルウル見つめながらの攻撃!オパール様の急所に当たった、効果は抜群だ。
「ぬぅ~~~!!なんじゃ!ういやつめ!一人じゃ寂しいのか?妾も一緒に地上に降りて、ずっと一緒に居たいのは山々じゃが…地上には一緒に行けぬのじゃ…そうじゃ、これをおぬしにあげよう、特別な指輪じゃからな、みんなには内緒じゃぞ?」
オパール様は一つの指輪を取り出して俺の指に嵌める、すると明らかにブカブカだったその指輪はぴったりと俺の指のサイズに自動調整された。
「わぁ!すごい!魔法みたい!」
俺が渾身の作り笑顔を向けると、オパール様は両手で顔を隠し叫んだ。
「かわいすぎるのじゃ!!!!!」
チョロそうだな。この勢いで色々引出してやる。やっぱり異世界転生の神様からチートを貰うのはお約束だよね〜。
「僕も魔法使えるかなぁ?」
小首を傾げた俺、たぶんめっちゃ可愛い。
「もちろんじゃ、力が漲ると言っておったであろう?最初のうちは制御が難しいかもしれぬが、魔力量はたっぷり持たせたから、今から行く世界でも指折りの魔力量じゃ。大魔法使いになれるかもしれぬぞ!」
「やった!ところでぼくはその世界で何を目指すの??勇者?」
そういや何をすれば良いんだ?異世界勇者は王道だしな。ワクワクしながらオパール様の言葉を待った。
「勇者?いや、特に何も目指さなくて良いぞ。足りない魂の補充で転生させるだけじゃ、気楽に生きれば良い」
ニッコニコしながらオパール様が答え、俺は思わず地が出た。
「は?」