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第1話 建造
昔から各国は技術が進歩する度、一段と巨大な艦船を作ってきた。これは、1937年頃の日本海軍でも同じ傾向にあった。
「来ました!新型艦の設計図です!」
広い広間には日本海軍を代表するメンバーが集まっていた。下士官がうやうやしく持ってきた大きな紙を広げ覗き込む。一同からは感嘆の声が聞こえた。
「おお。これが」
「まさか、これを作ろうとなど言うんじゃないだろうな」
そこに描かれていたのは全長1km幅302mになる巨大艦船だった。
雷撃、爆撃その他如何なる攻撃にも耐えうる鉄の塊だ。特徴的なのは空母と戦艦の機能を持たせた上で駆逐艦2隻と海中格納庫にも潜水艦4隻を搭載しているところだろう。
最大速度10ノットという超低速だが、陸上基地としては完璧だ。
最大の利点は70センチ4連装砲を6基搭載していることだろう。また、魚雷発射管も搭載しており敵を近づけない配置だ。
航空機用の滑走路により構造物が後方へと押しやられており、見た目には独創的なデザインとなっている。
1940年秋ついに完成したこの艦は「旭日」と名付けられ、就役した。