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無知で未知なんですが  作者: 雉虎 悠雨


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言われた通りにやるまでです

婚約披露宴の打ち合わせで顔を合わせる機会が最近少し多いです。


ジェイク様とオルバ様は二年前に学園に入学して、やっぱりと言うまでもなく人気者だとあちこちから噂を聞きます。それこそ町のカルエさんのお店でも聞きました。

母様とお茶会に行くことも頻繁だったから、もちろんそこでも話題が絶えませんでしたね。


ただその頻繁に出席するお茶会のおかげで私の悪評も高まるわけですが。

毎回違うドレスは高位貴族なら当たり前なんだけど、私のドレスは我が家の姉様以外の女性陣が毎回死力を尽くして新作を仕立てるから信じられないくらい良い物ができてきます。


値段は元より斬新なデザインだったり、凝った装飾品だったり。

それを姉様が着れば最先端だとブームになって、私が着ると妬みの対象になる仕組み。


ただ幸いなことに、センスは抜群にいいので、それなりの私(前世に比べれば格段に可愛いから私は大満足の容姿)にもちゃんと似合うから、そういうものを身に付けるのに抵抗はないのですよ。

ちゃんと小さい頃から所作や作法はしっかり学んでいるからね、その辺りの心配もないし、お茶会の席ではほとんど喋らず微笑んでいるだけで不思議と物事は進んでくれるから、私がゲーム進行にわざわざ合わせる手間もありませんでした。


そんなわけで着々と悪役令嬢に成り上がっているので、オルバ様に益々嫌われるのは必然としか言い様がありません。

仮初めの婚約者ですからお互い表面上は穏やかにしていますが、オルバ様は内心面倒でしかたないのでしょうね。

私としてもオルバ様に早く婚約破棄したくなるようなお相手が見つかればいいなと思うこの頃です。


それがヒロインさんだとするならば、あと少しですよ! と進言して差し上げたいくらいにオルバ様は最近イライラしているように見えます。


姉様がジェイク様と結ばれるならば私は悪役令嬢とやらで全然構わないので、オルバ様がヒロインの方と結ばれるストーリーを姉様に教えてもらってその通りに行動してみようかしら。

ヒロインの方がどんな人物なのか早く知りたいところです。

良い人ならばいいのですが。


「シャル? 大丈夫?」


ぼーっと空を見つめていたから姉様に心配されてしまいました。

今日、今現在も婚約披露宴の打ち合わせ中でした。


そもそも私は口を出せるような立場ではないのに、どうして打ち合わせに参加させられてるのでしょうか。

衣裳合わせならばまだ分かりますが、メニューのことや会場の装飾などは姉様達におまかせしますよ。

流石に招待客に関しては両家の親が決めてくれるので、疎い私が心配することもないのが唯一の救いです。


「大丈夫です、姉様。慣れないことで少し混乱しているのだと思います」


姉様は優しく背中を撫でてくださいました。

今日も優しくて美しい姉様は素敵ですねー。

ジェイク様のいとおしそうな視線が向けられていますよ。オルバ様には睨まれているように感じますが……。

もしかして、オルバ様も姉様のことが? それは諦めてもらうしかないので、是非ともヒロインの方に癒されてください。


ここは王城の応接室の一つなんですが、今、父様や母様は別室でジェイク様のご両親、つまり王様と王妃様、それに宰相様達と話し合いをされています。


披露宴の話し合いだけではないのでしょうね、こちらでも私以外で周辺国の情勢や国内の問題をされていて、それで披露宴の話が進まずこうして何度も集まることになっています。


それがオルバ様のイライラを促進している気もしますが、オルバ様も雑談というのに重い内容ですが、そちらの話に花を咲かせていらっしゃるので、なんとも言い難い……。


「シャルは何か要望はないのか」


不機嫌そうなオルバ様に姉様を心配させるほど私がぼんやりしてるので珍しく話しかけられてしまいました。


「お食事が美味しければそれで」

「王宮の食事が不味いわけないだろう」


そりゃそうですね。

どうも披露宴って言われると前世の結婚式がイメージされちゃって、大人になってからの記憶はそれほど思い出してないはずなのに、美味しい食事が大事って刷り込みされてるようなんですよ。


皇太子の婚約披露宴なので会場は王城の大広間になっていて、もちろん食事もお城の料理人たちがもてなすことは決まっています。来賓がそうそうたる顔ぶれらしいので、私があれこれメニューに注文をつけられるはずもなく、本音を言えば内輪でこじんまりと和気あいあいとやりたいところですが、それは婚約破棄後にもし誰かとご縁があればやることにしましょう。


ですから、これはもう操り人形よろしくなくらいで、言われたことを言われた通りにやる!

これしかないです。


もう私は言うことないので、そうですねと申し訳なさそうに微笑むだけ。

そうだ、もしかしたらこの一言もこの部屋にいるメイドさんたちによって広められて悪役令嬢としてより一層輝くことになるかもしれませんね!


王宮の料理にさえ文句をつけるワガママさ。

とかですかね。

だんだんそこの辺りも分かってきた私です!





お読みいただきありがとうございました

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