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無知で未知なんですが  作者: 雉虎 悠雨


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運命の

父様が説明されたことは、確かにそういう存在が隣国にいるが今のところ手の出しようもないほど秘密裏に進行しているらしいと。

それを知っているだけでもこの国の諜報機関はすごいということだと思います。


姉様の記憶のまま未来が来るなら、その悪い魔女は乗っ取りに成功することになりますが、もしかしたらそれまでこのセブマーヤ王国ができることはないのかもしれない。


せめて後手にまわってこの王国自体に不利益を被らないように準備を整えておくくらいの対応になるのかな。

難民の受け入れとか、輸出入の再検討とか、商売人の方々のなんかは商機を見ている可能性もある。


まあ、そんなこと私が考えるまでもなく父様達がもっと深くやってらっしゃるだろうから、ヴィヴィのいう通りが正しい。


「分かった、今まで通りで頑張る!」

「いえ、もっとのんびりと申し上げたと思うのですが……」

「それは勿体ない!」


ヴィヴィは諦めたのか、それとも監視を厳しくしようと決意を強くしたのか、笑顔で話題をかえた。


「それよりシャルエッタ様は今日は嬉しくなかったですか?」

「え?」

「オルバ様と久しぶりに会えたのですから」


そうかー、普通はそういう感覚になるのかな。

姉様は嬉しそうだったのだから、私もと思われても仕方ない。

でもそこで嘘をつくのも違うと思うから濁しながら否定してみる。


「まだ子供だからそういう気持ちが薄いのかも」

「それはシャルエッタ様がですか? それともオルバ様がまだ子供だからですか?」


前世を覚えてる私だからヴィヴィも疑問に思うんだろう。


自分が子供だからってのは確かにある、それに前世を振り返っても恋愛方面に強くはなかった。

だからなのか、すでに形だけの許嫁だと分かっている人に惹かれることはない。

それにどうも貴族の方にはときめかない。


「前世の好みで言えば、確かに大きく外れてるねー」


妄想家だったのかもしれないけど、ちょっとひねくれた理想を持っていたのだ。

若い頃凄い偉業を成し遂げた、だけれども今は街で普通に暮らしてる人。

偉業だけは語り継がれて知らない人はいないのに、実際その人の周りはそれが目の前の人だとは思わずに馴染んでいる人がいい。


そんなのいるのか、はたまた前世ではいたのか、はっきり覚えてないところがまたもどかしい。

大体、凄い偉業ってなんだろうか。


今のこの世界なら、世界や国を救うって文字通りにあるだろうけど、実際勇者を名乗る人だっているくらいだし。


はっ!!

もしかしてだから転生してきたとかだったりして……。

運命の人探しに?


うわー、自分でも気づかないくらいの乙女思考だったのか、私。


「シャルエッタ様は姫になりたいわけではないのですね」


私のタイプを説明したヴィヴィはそんな感想を付けた。


「姫?」

「女の子というのはお姫様って憧れるものではないですか?」


前世理想の一般に馴染んでいる過去の英雄さんならば、必ずしも姫をお相手にするとは言えないだろう。

逆に現在英雄の人の横に並ぶのはお姫様が定番だ。

そういう人は私に見向きもないだろうとも思うし、私も現在英雄の方と近しい存在になりたいとは思わない。


「そう言われればそうかも、私は姫は嫌だなー。絶対大変」


リアルを考えて顔をしかめた私にヴィヴィが笑う。


「ふふ、子供はそんなことまで考えませんよ。綺麗なドレスで着飾って、素敵な王子様とダンスを踊るのを夢見るものですから」

「それだって大変だよー、ドレスを綺麗に着るには姿勢も歩き方も立ち居振舞いに気を配らなくちゃならないし、その上にダンスなんだからどんだけ鍛練が必要か。そうだ、早くダンスのレッスンも再開してもらわないと!」

「シャルエッタ様落ち着いて。だから子供はそこまで考えないものなんですって。このお屋敷の方々には当てはまらないとは重々承知しておりますけども」


すっかり苦笑に変わっているヴィヴィは兄様や姉様のことも思い出して、それ以上突っ込まなくなった。

ただ私はふとほんのちょっとの好奇心が湧いた。


「運命の人か、もしそんな人がいるなら出会ってみたいけど」


私のそんな呟きにヴィヴィは少し安堵したような表情を見せた。


「良かった、シャルエッタ様にもそんな感情がおありになって」

「ヴィヴィはそういう人いないの?」

「私の一番はシャルエッタ様ですから」


ここでそれを否定してもヴィヴィが譲らないのはさすがに理解したので、本心では否定したいのを堪えてヴィヴィの運命の人を想像する。


「うーん、じゃあそれを踏まえて好きになってくれる人が運命の人になるのかな」

「いらっしゃればの話ですね」

「だからこそ運命の人とも言えるよ、ヴィヴィには幸せになってほしいもんね」

「私もシャルエッタ様の幸せだけを願っております」

「じゃあ運命の人でも探そうかな」

「オルバ様は違うと言うことですか?」

「そうだった、そうだよねー、運命の人かもしれないよねー」


オルバ様は違うよとは言えないから、笑ってごまかした。

ということで、ひっそりとだけども折角なので運命の人も探してみようと思いますよ。

だって前世でできなかったことをするのも醍醐味ってもんだからさ!

お読みいただきありがとうございました。

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