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無知で未知なんですが  作者: 雉虎 悠雨


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役に立つ

ジェイク様とオルバ様がやって来る時までみっちり勉強したおかげで、私はさらにすっかり回復した。


いやー、勉強って一人ですると単調だけど相性のいい先生に教えて貰うと楽しいんだよね。


「明日はどんな授業かな」

「シャルエッタ様は本当に学ばれるのがお好きですね」

「先生の授業が面白いからだよ、いろんなことを教えてくれるんだよ」

「あの方は博識な事だけが取り柄でいらっしゃいますから」


昼食後、ヴィヴィにおめかし用のドレスへの着替えを手伝ってもらいながら午後からのことは全く関係ないことに思いを馳せていた。


ヴィヴィが持ってきた今日のドレスもまたいつ作ったのか新作らしい。

深いローズ色の生地に白やピンクのレースで飾りが施されている。

姉様は淡い色のドレスを選ばれる事が多いのでちょっと派手派手しいくらいがこういうときは良い。

幸い今の私の顔には合うようになっている。飾りが多目なのも子供らしさが強調されて尚よし、今しか着れない服だ。


これくらいしかできないのが、姉様には申し訳ない。

気が利くは方ではないから姉様へのアシストは上手くできないとは思う。せめて無害あることだけは示すために特別何かしようとは考えていないし、その場にいることが悪役への布石なんだったら、その加減を知るためには今後の情報収集のが大切だ。


だから今日はもう黙って座っていようくらいの心持ちだと、緊張感もないのであーる。


王子と許嫁がやってくる令嬢の心境としてはかなり間違っているのは分かっている。

でも初対面でもないのだから仕方ないではないですか。


ジェイク様に初めて会ったのはなんと王城で姉様のお見合いの時です。

二年ほど前でどうして私も一緒に連れられたのかは謎ですが、私室の応接間に父様と姉様と一緒に案内されて入るとそこにすでに王様、王妃様とご一緒にお待ちになっていらっしゃいました。


普通は後から登場なされるものだとは思うのですが、早めに伺った私たちよりも先に待っている不思議は王様と父様の仲の良さそうな雰囲気で気のおけない間柄なんだと分かりました。


当事者であるジェイク様と姉様はほとんど目も会わさず、二人とも言葉が多い方たちではないので、会話も弾まず。

姉様ははにかんで俯いたり、私に素敵な笑顔で微笑んでくれたり、たまに父様の言葉に頷いたりして、ジェイク様も同様大人の方たちの会話に相づちをしたり、笑顔はありませんが姉様や私にお菓子を勧めてくれたり、シャイで優しいお方という印象でした。


私は当然笑顔だけを絶やさず、聞かれたことだけにしっかり返事をすることだけを心掛け、失礼にならない程度にお茶とお菓子を頂いてきましたよ。

美味しかったです。


これはお見合いと言うより、すでに決定事項の顔合わせだったのでしょう。すぐにお二人は許嫁になられました。

口約束にならないように書類まで作られて。


そしてオルバ様にお会いしたのはその数ヵ月後、その時は父様と母様と私でオルバ様の住むお屋敷を訪ねました。

その時は姉様はご一緒ではなかったんですよね。


オルバ様は当時今の私と同じ年だったとは思えないほど穏やかな笑顔をされている方で、ジェイク様とは対称的に社交的な印象でした。

そしてオルバ様のお屋敷だったからか、庭を散策しておいでと二人きりになったときに例の破談宣言をなされたわけです。

私達にも書類があるのかは分かりません。

姉様達は目の前でその書類に父様達がサインしているのですが、私の場合にはそれはありませんでした。


それから二人きりで会うことはなく、必ずジェイク様と姉様が一緒の場にオルバ様もいてというのが何度があっただけなのです。


そのためか特に冷たくされたりはなく、オルバ様も、そしてジェイク様も姉様に優しく接してくださるように私にも同じように接してくださいます。


噂が間違いなくお耳に入られているはずなのにできた男の子ですね、本当。


「シャルエッタ様、髪飾りはこれでよろしいですか?」


つい自分が十才であることを忘れている間に、ヴィヴィが綺麗に髪を結い上げてくれていた。

普段は下ろしていることの方が多い私だけど、こういうときはヴィヴィが張り切って編み込みやリボンを駆使して可愛くて仕上げてくれる。

華美にならない程度にメイクもくれて薄くルージュを引いて、外行きウォリーシック家ご令嬢の完成。


「ヴィヴィは本当に何でもできてすごいなー」


鏡越しにヴィヴィをみると満更でもない様子だけど、これだけの髪のアレンジをどこで学んできたのか、いつも感心する。


「とんでもございません」

「今度髪の結い方教えてね」


振り向いて目を見て笑顔でも本気でお願いすると、ヴィヴィは少し怖い笑顔になった。


「シャルエッタ様の髪は今後も私がさせていただきます」

「知識として知っておきたいだけだから、ね?」

「わかりました、本当に学ばれるのがお好きなのですね」


将来何が役に立つか分からないからね!

お読みいただきありがとうございました。

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