地の力を手に入れろ!
五人の人間と五体の生命体が力を合わせれば未来は切り開く。
全員の絆があれば真実に辿り着けるだろう。
四つの力を一つに。
それは、ニトロが残したメッセージだった。
全員の端末に送られた文章を解析した結果出て来た最期の言葉。
エミリと佐嘉は全員に伝えると炎龍と陽炎は悲し気に俯く。
結局、ニトロは見つからなかった。
あれから、リズミュとロードクロスは光の力を使用する事が出来ないと知り、特別な力だったのだという結果になる。
ハヤトとマサヤが一つになった力も普段の戦いで使用する事は出来るが、光の力は使えない。
恐らく、他の力と共に何処かへ消えてしまったのだろう。
「地の力だけ場所が特定出来たんですが……」
エミリの言葉に全員は耳を傾ける。
モニターに表示されたマップに映る反応は、ハヤト達の住んでいる場所からかなり離れていた。
その場所というのは数年いや、それ以上前に廃園となった娯楽施設内と教えられ顔を見合わせる。
フラミンゴをイメージした看板のある施設に人は存在せず、そのまま残されているらしい。
「駅も無人駅でして……田舎である事には間違いはないんです」
「そこに行けば力は回収出来るんですよね?」
大人達は気難しい顔をして唸る。
施設には恐ろしい噂があると教えられ、息を呑む。
・入ったら魂を抜かれる。
・野犬の住処となっていて帰る事が出来るか分からない。
・トンネルには幽霊が出る。
と言った話をされ、ユウキはリノの腕を掴んで震えた。
何故、そんな場所に行ってしまったのかと文句を言うとエミリは困った顔をする。
地の力が求めた自然は分かるが、何もそんな場所に行く事は無いじゃないかという意見に炎龍達は何が怖いのか分からなかった。
「いざとなったら、私達がハヤト達を守ろう」
「んな問題じゃないんだよ、魂抜かれるんだぜ?」
「エネルギーも抜かれてしまうのか?」
「うーん、どうだろう?」
ハヤトとマサヤは炎龍と陽炎の質問に答える。
あまり行きたいとは思えない場所だが、ニトロの力を奪われると考えると行かない訳にもいかない。
「えぇぇい!そんな迷信に惑わされてても始まんねぇ!俺は行くぞ」
「そうだね、俺も行く」
全員は頷き、行く事を決める。
が、エミリがある事に気が付いて止めた。
他の場所にも反応が現れ、全員が行ってしまうのは困ると制する。
「この色は、水でしょうか?二手に分かれて行く事をお勧めします」
「じゃあ、廃園はハヤト君とマサヤ君でもう一つは君達にお願いしようかな」
佐嘉の指示にユウキはホッと胸を撫で下ろす。
行先は決定し、それぞれの支度が整い次第出発となり解散する。