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薬屋さんの錬金術師  作者: エイキ
第1章、薬屋さんの息子は錬金術師
27/86

27 以前から思っていましたが俺はどこに向かっているのでしょうか?

 久しぶりの外出! そして無の日! と言う事で教会にやってまいりました。 お祈りして掃除して子供たちの相手をした。 

 マティスさん達が教えてる子供たちの剣やその他の武器の腕が明らかに上がっていた。 正直あそこにいる子供たちにまともな剣術だけでは勝てないです。 

 そして、アレックさんとの面会だ。 確認の儀もやってもらわなきゃね。


「お勤めご苦労様とでもいうべきかな?」


「また、1か月くらいポーション作る日々が来るとは思ってもみませんでしたよ……。 それで確認の儀お願いしたいんですけどいいですか?」


「その前に今回の事についての謝罪をさせてもらえないかな」


 謝罪? 後ろ盾になったのにこんなことに巻き込まれたからかな? それならアレックさんが謝るような事じゃないと思う。


「いえ、それは俺が色々やらかしてるだけですからアレックさんに謝ってもらう必要はないと思うんですけど……」


「今回の件の黒幕は王都にいる教会関係者だったんだよ」


「え?」


 俺は教会の後ろ盾を得たんじゃないの? なのに教会ってなんで?


「教会と言っても皆が皆、人の為に動いてるわけではなくて、お金や権力が好きな連中もいるんだよ」


 アレックさんは忌々しそうに眉を寄せながらそういった。 この教会にいる人たちはみんないい人達だと思う。 そういう人たちしか見てこなかったのでお金や権力が好きな教会関係者と言われてもピンとこない。


「不思議そうな顔をしてくれるのはこっちとしては嬉しい事だね。 だけど中央に近ければ近いほどそういう人間も増えてくる。 私だって権力を使ってここに居座ってる身だしね」


「権力を使って遠くにいるの?」


「中央はめんどくさいんだよ。 そういうめんどくさい物の為に今回、ユリト君は利用されそうになったんだ」


「ん? ん?」


「君の後ろ盾は教会だけど細かく言うなら、協会所属の私がユリト君の後ろ盾なんだよ。 私にちょっかいを出したい相手が私のお気に入りであるユリト君を攫って交渉をしようとしたんだ。 だから今回の事は完全にこちらの事情に巻き込んでしまったんだよ。 この通り申し訳なかった」


 そう言って頭を下げるアレックさん。 いやいやいやいや、頭を下げる必要なんてないはずなのだ。


「アレックさん、頭を上げてください。 アレックさんには散々お世話になりましたし、今回だって相手が勝手にやったことなんですからアレックさんが謝る事なんてないですよ」


「しかし、巻き込んでしまったのは事実だよ」


「それならそもそもポーション作りとかで騒ぎを起こしたのは俺ですし、だったら俺が悪いんですか?」


「そんな事あるわけがない」


「だったら、アレックさんも巻き込まれただけですよね? そういうことにしましょう」


 正直、俺が子供だと言うのを差し引いてもアレックさんにかけた迷惑はとんでもないものだと思ってる。 それなのにアレックさんに頭を下げられるとこう……むずがゆくてしょうがない。


「ふふふ……。 まさかユリト君にこんな事を言われるとはな……。 では、教会として今回の事は謝罪し、関係者はしっかりと処分した。 と言う事でいいかな?」


「それでいいと思いますよ。 あんまり話してると聞いちゃいけない事聞きそうだからさっさとこの話終わりたいです」


「確かにその通りだね。 それではお待ちかねの確認の儀だね。 私もワクワクするよ」


「アレックさん……。 さっきまでの固い雰囲気はどこへ行ったのでしょうか?」


「終わったことを気にしても仕方がないよ。 さあ、始めようか」


 さっきまでの雰囲気はどこへやら、たぶん気を使って空気をかえてくれてるんだよね? けっして興味津々で素じゃないよね? それでもやることに変わりはないので、俺はお金を渡し水晶に触る。 アレックさんは書き取りながらつぶやいた。


「やっぱりスキルが増えてるね」


 たぶん、隠密行動は増えてると思う。 後は、俺が覚えてない戦闘で使った魔法があるらしいけど、今も使えるのかな?


「これが今回の結果だね」


 渡された紙をみる。 何が増えたのかな?





 身体能力D 魔力B+

 ギフト 錬金術

 スキル 基礎魔法、清浄、空間収納、調薬、瞑想、マジックアロー、身体強化、探知、気功、魔力把握、魔力制御、最大魔力上昇、魔力回復量上昇、魔力枯渇死無効、魔力吸収、気配察知、危機察知、隠密行動、マジックナックル、マジックランス





 ん? んん? ん~ん?


「アレックさん、知らない魔法が増えてる」


「私も知らない魔法が増えているね。 それに気が付いてないかもしれないが魔力枯渇耐性が魔力枯渇死無効に変わってるよ」


 え? 本当だ! 変わってる! ってえぇ? アレックさんが知らない魔法って何?


「え? 知らないって、え?」


「マジックナックルとマジックランス、両方とも聞いたことない魔法だ。 どのようなものか、わかったらまた教えてくれるかな」


「え? あ、はい……。 それじゃあ魔力枯渇死無効はなんですか?」


「それも私は聞いたことがないね。 ただ効果は名前の通り、普通魔力が枯渇すると倒れるがそれ以上に魔力が無くなると死んでしまう。 それを無効にできるスキルだろうね。 

 でも、おそらくただ死なないだけで、枯渇で倒れる事に変わりはないのだろうね。 実際ユリト君も倒れて数日目が覚めなかったのだから」


「本来なら魔力枯渇で死ぬはずが眠るだけですむスキルですか……。 こんなスキル覚える人生にはしたくなかったですよ」


「確かにそうだね。 スキルや魔法については私の方で詳しく調べてみよう。 もしかしたら新しいスキルや魔法として登録できるかもしれないね」


「その辺のことはすべておまかせします」


「うん、私にまかせておけばいいよ。 これで確認の儀についてはもういいかな?」


 隠密行動取得の確認と魔法が見れたので十分だ。 それが新しい魔法とかスキルとかそんなのは手に余る。


「十分です。 今日はここまでですか?」


「いや、あとこれについて話をしようか」


 そう言ってアレックさんは新作ポーションを出した。 効果の検証とか終わったのかな?


「この新作ポーションの検証などが終わった。 結果からいえばハイポーション並の回復量を持つポーションで、特に副作用のようなものは確認できなかった。 

 教会としてはこれを錬金術ギルドにレシピを公開して、増産できるようにしたいという結論に達した。 このポーションのレシピ教えてくれるかな?」


 どうするかなんて答えは決まってるけどね。 副作用がないみたいで安心したよ。 長期間見ないとわからないこともあるかもしれないけどね。


「はい、いいですよ。 俺が使ってる材料言いますね。 薬草が3束とスライムの核が1つ後は魔力水ですね。 これで2本分になります。 後、このポーション他の人が作れてもハイポーション並の回復量は出ないと思いますから気を付けてくださいね」


「材料に関しては簡単だね。 スライムの核をどうやって数を揃えるかが問題になりそうだけどね。 しかし、回復量が出ないと思う理由はなにかな?」


「普通のポーションでの経験です。 母さんたちが作るポーションと俺のポーションだと俺の方が回復量多いから、たぶん同じ事になるんじゃないかなって思って。 後、新作の方はまだ回復量上がると思いますよ?」


「どういうことかな?」


「普通のポーション作った時も最初に作った物よりも、今作った物の方が回復量多いんです。 それに材料ももう少しで変わりそうなんですよね……」


 レシピを教えたけれど最大の問題はここにあるのかもしれない。 もうすぐ俺が使うレシピが変わりそうなのだ。


「材料が変わる? また新しいポーションになるということかい? それならそれはまた別で検証をするけど?」


「そうじゃなくて、なんとなくこのまま新作作ってると、薬草5つとスライムの核2つくらいで作れそうな気がするんですよね。 ポーションも作れば作るほど回復量も生産量も魔力効率もあがっていきましたし、同じことが起こるかなぁと」


「なるほど、数が変わるのか。 それは大した問題じゃないよ。 実際ギフト錬金術と同じ材料でも必要個数が違うなんてことはよくある事みたいだからね。 それを解析するのは錬金術ギルドが勝手にやるさ」


 そうやって発展してきたのが学問の錬金術か……。


「それじゃあ、レシピと回復量はたぶんポーションよりは多いくらいになるという意見もつけて公開お願いします」


「わかった。 それと名前はどうするかな? 命名権はユリト君にあるわけだけど。」


「名前? 名前名前名前名前…………。 適当でもいいですか?」


 ふっと思いついたけど、かなり適当な気がする。


「よほど変なものでなければ大丈夫なはずだよ。 教えてもらえるかな?」


「では、ポーションプラスで」


 材料からしてポーションよりはいいよって感じのポーションだね。 だからポーションの強化型という意味でポーションプラスだ。


「ふむ、とんでもない名前でも出て来るかと思ったら意外と普通だね。 ユリト君らしくない」


「とんでもない名前ってどんなですか……。 それと俺の事どう思ってるんです……」


「私にとんでもない名前とかを期待しないでほしいな。 ユリト君は、アレな感じだろ?」


「それスキル関係の話ですよね!? 一般常識ないような言い方はやめてくださいよ!」


「はははははははは」


 アレックさんが笑う。 あれ? 俺一般常識もないと思われてるの? 魔力関係はダメな子だけど、普段は良い子と評判の俺が一般常識疑われてるのか!


「ア、アレックさん?」


「うん、ポーションプラスで提出しておこう。 教会を通して錬金術ギルドに情報と実物を届けるから報酬を渡せるまで時間がかかってしまうと思うけどいいかな?」


「さっきの話は無視ですか。 というか、報酬なんてもらえるんですか? お金には困ってないのでいつでも大丈夫ですよ。 今回のポーションでまた稼ぎましたし」


「確かにそうだね。 それでは手続きをしておくね」


 このポーションプラスの使い方は考えてある。 明日は冒険者ギルドに行ってお話しなきゃね。

スキルに調薬追加しました。

ユリト君後ろ盾→ユリト君の後ろ盾

なんじ→感じ 修正しました。

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