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薬屋さんの錬金術師  作者: エイキ
第1章、薬屋さんの息子は錬金術師
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16 新レシピは危険がいっぱい?

 20近いゴブリンを退治し、気配を敏感にさっちできるようにがんばり、コソコソと隠密行動を取得するために動く。 

 他の冒険者の人達に譲るべきだとか思っていたけど、薬草取りにいけないししょうがないよね。ごめんなさい、新しい事ができるようになったり、できるようにがんばるのって楽しいよね。すっかり自分のやりたいことを思うがままにやってたよ! 

 ポーションを作り、水晶も作った。曇った水晶は各属性1つずつ作った。透明な水晶は4属性の魔力を取り込みひびのような線が入り、線は4属性の色をしていた。  

 母さんと父さん、エレナさんにもちゃんとした休みの日を作るように言われたのでとりあえず今週は風の日を休みにして、来週からは土か水の日を休みにしようと思ってる。 

 それにしても、南西の森はいつになったら行けるのかな? 他の町の冒険者も応援に来てるから、たぶんもう少しで解決するんじゃないかなって思うんだけどね。


 今日は無の日なので、教会に来ました。お祈り、掃除、子供たちの世話、お昼を食べてアレックさんと面会です。


「こんにちはユリト君、今日はどうしたのかな?」


「こんにちはアレックさん。この水晶見てもらいたくて来たんですけどわかりますか?」


 俺は一式全部持ってきた水晶のうち薄ら赤い水晶を取り出してアレックさんに渡す。あれ? 固まってる?


「アレックさーん? どうしました?」


「ユリト君……君はこれをどこで手に入れてきたの? ずいぶん小さいけどこれ界石だよね」


「界石ってなんですか?」


 界石なんて名称は始めて聞いたけど、もしかして作ったらまずいものだったのかな……。


「界石っていうのは、その場所の属性の質を上げてくれるものなんだよ」


「属性の質をあげる?」


「治癒院では、回復魔法を使うから水や光の界石を置いて、その場所の水や光の属性の質をあげる。そうすることで魔法の効果が高くなるんだよ。この界石は火属性みたいだから鍛冶場とかで使われるかな。で、これはどうしたの?」


 真剣に聞いてくるアレックさんの前に、俺はそっと残りの水晶を全てだして、


「作れちゃいました」


 いやな雰囲気だったのですこしおどけてみた。目を見開いたアレックさんだったが、思いっきりため息をついて、


「やっぱり君はアレだねぇ……。ギフト錬金術ってのは死にギフトだったんじゃないのかい? それがこんなものが出てくるとか……いや、ユリト君の無茶と適正があったからこそか……」


「アレックさーん。聞こえてますよ。」


 小さくつぶやくように言ったみたいだけど全部まる聞こえだ。


「あぁいや失礼。しかし、これ誰かに見せたかい? ちょっとこれを個人製作できるってのはまずいと思うんだよ。いや確実にまずいね」


「部屋で作って、飾ってあったんで母さんは見たと思います。そんなにまずいですか? たぶん今のままじゃこれ以上の大きさは作れないですけど」


「作れたということは、これ以上のものを作れる可能性は残されてるということだ。それだけで君を確保したい人間はいくらでもいるだろうね。これの効果次第ではこのままでもほしがる人が群がるかもしれないけれどもね」


「そ、それほどのものですか?」


 ポーションの時でさえ少し騒動があった。あの時もそれなりに怖い思いをしたし、迷惑もかけた。アレックさんの声色や表情からまずい雰囲気がにじみ出てくる。


「界石は天然ものしかないとされているから、作れると知ったらほしがるだろうね。水なら治癒院、土なら農業関係、火なら鍛冶場だね。さっき、魔法の効果を高めるといったけど、土ならよく作物が育つし、鍛冶場なら火と土を置いておくことで良い物が作りやすくなると言われてる。悪い事は言わない。それは私に預けなさい。このままにしておくといずれ騒ぎが起こるよ」


「よろしくお願いします」


 速攻でお願いする。ポーション程度でなんでと今でさえ思うが、あの時は変な冒険者やら商人が家に押しかけてきて教会でしばらくお世話になったのだ。 

 それがまた起こるとか考えたくもない。貴重品らしいし、貴族とか出てきたらもうどうにもできない。 

 本当にアレックさんがいい人で良かったと思う。そうでなければどうなってた事か……。


「頼まれたよ。こっちのひびの入ったような水晶も預かっていいかな?」


「お願いします。でも、それはなんですか?」


「ん~……、これは私もわからないから、色々誤魔化してから新規アイテムとして鑑定してもらうことになるかな? どうせ新規アイテムならスライムの核の新規アイテムを持って来てくれると楽しそうだったのにね」


 アレックさんがそんなことを言った。スライムの核ならそれほど騒ぎにならないのかな? でもスライムの核か~……ポーションに使えそうだよね。


「え? あれ?」


 思わず声が出た、今何を考えた? アレックさんがどうかしたのか? って声をかけてくれるけど、もう1度よく自分の考えた事を思い出す。……ポーションに使えそう?


「スライムの核、ポーションに使えそうかなって……。水晶作って錬金術のレベルあがった?」


「あ~言っておいてあれだけど、作るのはいいけど公表するのはしばらく待ってね。森の方が片付かないと動いてもらうように頼めないからね」


「わかりました」


 アレックさんに水晶の事は任せて子供の面倒を見に戻った。帰ったらスライムの核使ってみよう。水晶の在庫もなくなったからね。





 夜、調剤室でポーションを作った後にスライムの核を使った錬金術をやってみる事にした。薬草は母さんに頼んで10束多くもらっている。

 新しいアイテムを作る時はまずは材料をよく観察する事から始まる。 う~ん……薬草3束にスライムの核1個と魔力水かな?

 桶に魔力水を用意して30cm離して薬草を置く。ここまでは数は違うけどポーションと一緒、ここにスライムの核を置いて三角形を作る。これでいいかな? それでは


「錬金開始」


 魔力線が材料を囲み魔方陣を描く。そして魔方陣を繋ぎ三角形が出来上がり、その中央に新たな魔方陣が浮かび上がる。光りとなった材料たちは中央に集まり、いつものように花が咲き散った。散った後にはポーションが2本出来上がっていた。


「ポーションが2本?」


 一見すると今までと同じポーションにしか見えない。液にとろみがついたかもと思って振ってみたけどそんなこともなさそうだ。手持ちのポーションと比べてみると……色が若干濃い? あ、ふたの色が透明から黒になってる。 

 だけどよく違いがわからない……。回復量とか違うのかな? これはちゃんと鑑定してもらわないとダメだなぁ。 

 魔力は……2本作っただけでポーション10本作ったのより少し少ないくらい……また魔力よく使うけど、数を作ればポーションの時みたいに作れる数とか使用魔力量変わるのかな? 残りの魔力じゃもう1回作るのは無理そうだから空間収納に注いで寝よ。 

 薬草は明日返さないとね~おやすみなさい。


作れたといこと→作れたということ 脱字修正しました。

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