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薬屋さんの錬金術師  作者: エイキ
第1章、薬屋さんの息子は錬金術師
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12 いざ教会へ

 昨日はゴブリン退治で魔力を使ったので夕食を食べて、ポーションを作ってさっさと寝た。

 そして、夜明け前から起きだすと体が軽いし、魔力が増えてるのに気が付いた。上位種も倒したしどうやらレベルが上がったみたいだ。

 原理はよくわからないけど魔物をある程度倒して寝て起きると自分の能力が上がる。レベルを上げて魔力を増やしてたくさんアイテムを作れるようになりたい。

 朝の日課の素振りと走り込み、ポーション作りをやって、昨日よりも能力が上がっているのを実感する。くぅ~もっとレベル上げたいな! でも、1人じゃ倒せる魔物も限られるからのんびりやろう。さすがに寄生とかはしたくないしね。


 朝の日課を終えて、教会へ向かった 毎週無の日には教会に行って色々な手伝いをしているのだ。

 ちなみに今日は、第8勇者年186年、無の月、火の週、無の日になる。


 第8勇者年というのは、定期召喚された8人目の勇者様が、召喚されて186年たった。と言う事になる。

 一般人の平均寿命は60歳くらいなのに対して、魔力を多く持っていればいるだけ15歳以上になった後の加齢が遅くなるのだ。俺もきっと長生きすることになるだろう。


 そして次は月、週、日だ。 無・闇・光・土・水・火・風が基本となる。 この順番で無の月、無の週、無の日が新年の始まりで、風の月、風の週、風の日で1年が終わる。

 無の月は新年であり、準備の月になるので、学校の入学とか決まった時期の始まりは闇の月からになる。


 無の月生まれの俺は、本来なら1番早い月の生まれになるはずなのだが、無の月生まれは1年たってから0歳になる。

 はっきりいって意味が分からない。前の年の最後に早生まれとして編入すればいいんじゃないの? と思う。

 これは昔からの習慣で、これからの準備をする時に出産なんて大変な事をして周りに迷惑をかけた罰として、親が子供の面倒を長い時間取らせる為って聞いた。

 学校の先生も長い事この仕事をやっているけど無の月生まれって10年に1人いるかどうかなんだって言ってた。

 でも、子供心に同じ年に生まれて同じ年に入学したのになんで俺だけ……とはいつも思ってた。 ちなみに一番多い誕生月は光だ。 無と闇の月は実際色々忙しいから普通はずす。

 だから俺、実は13歳です! 12歳だけど! 混乱するので習慣に基づき12歳で通します。 


 そんなこんなで教会についたので中に入った。


「あらユリト君、おはようございます」


「ジュリさん。おはようございます。手伝いに来ました」


 僧侶見習いのジュリさん。優しいお姉さんだ。


「あら、いつもありがとうございます。では、お祈りが終わった後、外のゴミ拾いをお願いしますね」


「わかりました」


 そう返事をして礼拝堂の席に座ってお祈りをする。教会で祭っているのはこの世界を創造し見守る神様と国の為に尽くしてくれた歴代の勇者様達だ。

 教会の人に言ったことはないが神様はあまり好きじゃない。だからお祈りするにしてもいつも勇者様だけに感謝の祈りを捧げる。


 お祈りが終わると外に出ていつも入れ物がおいてある場所にいき、ゴミ拾いを始める。

 元々教会の周りは掃除もされてるし、ゴミを捨てるような人もいないのできれいになってるからゴミらしいゴミもあまりない。

 それでも落ちてることはあるので拾うし、雑草なんかも抜いていく。とはいえ、ゴミ拾いは時間つぶしみたいなものだ。

 これからが本番だ。


「にぃちゃん! みんな集まったぜ!」


「わかった。これ片付けたら行くよ」


「はやくこいよ!」


 ここからが本番の子供たちのめんどうを見ることだ。ここに来る子供たちは10歳に満たない子供たちで、学校に通い始めると学校の施設を使えるからそっちで遊ぶ。

 こっちに来ると下の子達を見ないといけないから思いっきり遊びにくくなるからね。


 教会の隣には催し物を行う為の広い場所がある。おもいっきり走り回ったりして遊べるため子供たちはよくここに集まる。親からしてみれば教会の近くなので安心感があるし、教会側もそれはわかっているので、誰かしら見守ってる人がいる状態にしている。ゴミを片付けて広場につくと、


「ユリト君来ましたね。今日もよろしくお願いしますよ」


「なんでアレックさんが外に出てきてるんですか……」


 アレックさんは昔から優秀な人だったけど、今では十分上の立場になってる。 肩書きまでは覚えてないけどね。そんな人がここにいていいはずがないのだけど……。


「君に挨拶したかったのですよ。昨日の事も聞いてます。後で確認の儀をしましょうか」


「お金必要なのに勧めてくるってどうなんです? まぁ、お願いもしますしお金も払いますけど」


「君ほど確認の儀をする子はなかなかいないですよね。無事でよかったですよ。それでは後で」


 俺としてはちょくちょく確認の儀でスキルとかを把握しておくべきだと思う。できることを理解しておいた方が、そのスキルをしっかりと使えるようになる気がするからだ。

 それは置いておくとして、倉庫の前で子供たちが待ち構えていた。


「にぃちゃん遅いぞ! はやくはやく!!」


 その子供たちに倉庫から取り出した木剣を渡していく。この倉庫、実は俺が寄贈したものだ。手前に色々な遊び道具が入っており、奥には木剣が入っている。

 遊び道具は自由に使っていいことになっているが、木剣はちゃんと管理してる人間がいないと子供たちは使えないのだ。遊び道具も木剣も俺が寄贈したものだったりする。

 俺はだいぶ教会にお金を払ってる気がする。自主的にやってるからどこにも何か言う事はできないけどね。


「全員にいきわたったかー? それじゃ、十分に周りと距離を取ってぶつからないようになー。それでは1回ずつしっかりとな。 それ1! 2! ……」


「1! 2! ……」


 子供たちも掛け声にあわせて木剣を振る。俺自身にはまったく剣術の才能がない。だけど、何年も素振りだけはやってきたのでこれくらいは教えられるのだ。

 これ以上の事は教えられない。それは子供たちも理解してる。俺のへたくそな剣術もどきを見て子供たちも諦めてる。

 素振りの回数は最高で100回だが最低回数は決めてない。剣というものに慣れてもらうためにやってるだけだ。 

 もっとちゃんとした剣術は道場なり学校で習えばいいのだ。俺がこんな事始めたのでたまに冒険者がきて教えてくれることもあるけどね。

 まぁまだここでやりはじめて1年くらいしかたってないので成果がどうかなんてわからない。悪影響が出るならアレックさんとか誰か言ってくれるだろう。

 今日は他に教えてくれそうな人はいないのでさっさと木剣をしまって別の遊びをする。ごねる子は今はいない。だって素振りだけじゃ飽きるもんね。


 その後はサッカーや鬼ごっこ、だるまさんが転んだなどをして遊んだ。 この遊びは勇者様直伝の異世界の遊びらしい。本当に色々な知識があるな異世界。

 散々遊んで、お昼頃になると帰ったり、広場でご飯を食べたりしている。 俺もお昼を食べるために町へと行く。

 お昼食べたら、アレックさんの所に行って確認の儀をしてもらおう。 

 それが終わったらまた子供たちと遊んでやらないとなぁ。



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