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ホラー短編集

歩きスマホ

作者: オツタロ
掲載日:2026/07/02

俺は大学2年生。

いつものように駅まで通学していた。

いつもの道をいつものように歩く。

つまらなくなってスマホを取り出した。

ワイヤレスイヤホンを付け動画を視聴する。

危険だっていう人がいるけど別に動画に夢中でもないし周りの音も聞こえている。

俺なんかよりそこら辺をとぼとぼと杖をついて歩いている老人の方が危険だろう。

 俺以外にもそうやって歩いている人はいる。俺だけが危ないわけじゃない。

駅について改札を通る。エスカレーターまでの道が渋滞している。

サラリーマンもOLもフリーターっぽい人もみんなスマホを見て前の人の後ろについていく。

俺もそれに倣ってスマホで動画を視聴しつつエスカレーターに乗った。

駅のホームに着いてそのまま前の人の足元を見つつ付いて行く。

大丈夫、きちんと周りも見ているし音も聞こえている。

要領よくやんないと動画の消化が追い付かない。仕方ない。


前の人が止まったので俺も止まる。

少ししてからまた動き出す。

顔を上げて位置を確認した。いつもの電車の乗り位置にいる。

動画視聴再開。

 駅のアナウンスが聞こえる。どうやらいつもの電車が来たようだ。

少し後に電車が止まる音も聞こえた。

前の人が進み始めた、2歩3歩と進んでいく。

運がよかったら席に座れるかなと思いつつ電車に乗るための一歩を踏み出した。


え?

そこに電車の床はなく線路の2本の金属棒が見えた。

気づいた時には体は半分以上ホームから出ていた。

いつもアナウンスだったよね?

俺の前を歩いていた人はどこいった?

男だっけ?女性だっけ?

さっきまでのことなのに思い出せない。

そのまま線路に落ちるのだろうか。

首を横に向けると電車が目の前に来ていた。

運転手の驚いている表情まで見える。

最後の記憶は鼻先が電車の車体に触れた感触だった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


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