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第1話 出会う二人

新作をどうぞよろしくお願いします。

「あの森には恐ろしい悪魔がいるらしい」

「あの森には醜い悪魔がいるらしい」

「あの森には近づくな」


 もうそんなの聞き飽きた。

 黒く、ドロドロとした手足を引きずってそう吐き捨てた。

 人間なんて嫌いだ。

 悪魔なんて嫌いだ。

 自分勝手で他者のことなど微塵も考えない思考回路が。

 そして、そんな悪魔の仲間の自分自身が嫌いだ。

 無性にむしゃくしゃして左腕をビチャビチャと引きちぎる。

 ドロドロとした左腕は徐々に治っていく。

 悪魔は死ぬ事がない。不死の存在だった。

 悪魔は特定の方法を除いて殺す事ができない。

 その悪魔を殺せる方法。

 それは……

 同族である悪魔に殺されること。

 そして、主人あるじである魔女と、そのしもべである悪魔に殺されること。

 無論、私に主人あるじなど存在しない。

 ほとんどの悪魔は魔女に使役されることを嫌う。

 それもそのはず、悪魔は自由が大好きである。その自由を魔女は奪い取るんだ。

 悪魔が魔女を毛嫌いするのもよく分かる。


 今日も嫌な事があったので、ほぼ私の私有地と言っても過言ではない暗い森を散歩する。

 森の奴らも私を恐れて顔を出してこない。

 その方が楽だった。邪魔な奴らを見ないで済むから。

 スンスンと匂いを嗅ぐ。

 久しぶりに感じる匂い。私が嫌っている種族、人間の匂いがした。


 横たわっているのは小さな人間の少女だった。

 白い肌にいくつもの傷が付けられており、さらに腕には火傷の跡があった。

 人間の間には《《いじめ》》というものがあるらしい。

 これもそういう類なのか? 全く……何故仲間同士で傷つけあうのかさっぱり分からない。

 腹も空いたし、食べちゃおうか、こいつ。

 小さな人間はモゾモゾと体を動かしてポツポツと言葉を喋った。


「痛いの……怖い。暗いよ……」

「……」


 やっぱやめた。

 食う気が失せた。

 舌打ちをしながら小さな人間を持ち上げ、家まで連れ帰った。


○●○●○●○


 痛い、寒い、怖い。

 後ろを振り返ると、私を追いかけてくる人はいなかった。

 ガクッとその場で座り込む。

 身体中が痛い。

 人間なんて嫌いだ。

 【魔女】って理由で私を傷つけるから。

 魔女の何が悪いの? 魔女が一体何をしたの?

 力がだんだん無くなっていき、その場で倒れる。

 もうダメだ……せっかく逃げてきたのに……ここで私は死ぬの?

 最後まで最悪な人生だったな。

 ザッザッと近くで足音が聞こえた。

 私を追いかけている奴の足音なのか、はたまた別の人か。


「痛い……」


 体が持ち上がる感覚がした。

 冷たい……ひんやりしてて気持ちいい。

 なんだか、眠たくなってきたな……

 私の意識はそこで途切れた。

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