エピローグ
――レリウスさまと寝室に缶詰になって四日目の夜。
真っ白なシーツの上で、白銀の髪がサラリと舞う。
「……ぁ、ああっ!」
わたしはレリウスさまの体の下であえかな喘ぎを漏らしながら、もう幾度目ともわからぬ高みへと昇りつめる。
「なんて綺麗なんだ。……さぁ、ルーナ。俺にもっと美しく乱れた君を見せてくれ」
荒い呼吸を繰り返すわたしを、レリウスさまはそれはそれは愛おしそうに見つめ、再びゆっくりと律動を再開させる。
「あっ!? 待って……! わたし、もうっ」
「なに、恥ずかしがることはない。……愛しているよ、ルーナ」
あ、あり得ない。人間同士なのに、こんなに意思の疎通が図れないの、なんでなのーーーーっっ!
「違っ、ほんとにこれ以上はもう……っ」
わたしは目に涙を滲ませて、息も絶え絶えに訴える。すると、見るに見かねたのだろうか。わたしの悲愴な訴えに、空で輝くお月さまが応えてくれた。
ピカンとひとつ光ったと思ったら、わたしの体の中で月の力が膨らんで――。
ぽぽんっ!
《ふみゃっっ(ほんとにこれ以上は、無理ぃ~っっ!)》
わたしは月の手助けによって夜明けを待たずしてネコに変化し、寝室を脱走した。
「なっ!? ルーナ、待ってくれ……!!」
《ふみゃ~っ(いやぁ、レリウスさまのバカ~っ! 変態さんっ!)》
素っ裸で追いかけてくるレリウスさまを撒き、わたしは例の生垣の下の窪みに逃げ込んだ。
ブランケットなしでどうしようかと思ったら、ラッキーなことにレリウスさまに返しそびれていた上着があった。
……ラッキー! これに包まって眠れるね!
えぇっと。板っぱを引き寄せて、出入り口も塞いでと……ぐぅ。。。
こうしてわたしはネコの姿でひとり、久方ぶりの惰眠を貪ったのだった。
ちなみに、幸か不幸かわたしはこの日の変化を切欠にコツを掴み、昼夜関係なく変身する術を体得した。
そうして王様からゲットした戸籍でレリウスさまの奥様になって、昼は人型で、夜はネコになって悠々自適にのんびりゆったり、幸せに暮らすのでした――ん?
「ぅおおおっ! ルーナ、俺が悪かった! ちゃんと程度を弁えると約束する。だから頼む! 毎日とは言わん、たまにでいいから夜も人型になってくれ!」
……ありゃりゃ。
しょうがない、たまには夜も人型になってあげますか。
ぽぽんっ!
「ルーナ――!!」
「きゃんっ」
レリウスさまにきつく抱きしめられて、わたしの熱く長い夜が始まったのだった。
END




