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第49部分 らくさん2

第49部分 らくさん2


その酪酸は酪酸発酵によって生じる。

ではその酪酸発酵はどこで、どの生物が… と自然に発展していくものだが、酪酸発酵自体が高校生物では刺身のツマ以下、和え物のゴマ1粒にも満たないテーマなので、自然いいやいいやで流してきてしまった。


自己弁護すると、それでも臭いを嗅がせるなんて、なんと丁寧な扱いをしてきたかというレベル、恐らく他の同業者は一顧だにせず… というのが実情だと思う。


酪酸発酵は糖質(炭水化物:グリコーゲンなど)や油脂という基質バクテリアのエサがあって、湿気と温度が程よくて… という暖温期のクツや靴下の中でも起こりうる。あとは「酪」の字で想像がつくようにチーズなどの発酵食品の中、そして人体の中、なかんずく典型的女性の器官あたりなどで乳酸発酵とともに行われている。


そう書けば、勘の良い読者の方々はピンとくるはず…

くさい、たまらん悪臭だが、なぜかもう一度… いやなんどもなんども嗅ぎたくなる臭い。


調べたところによると、あれは酪酸をはじめイソ酪酸、吉草酸など様々な成分、それも「悪臭」とされる成分の混合物であり、臭くないワケがない。もともと女性ならではの器官を酸性の状態にしているのはデーデルライン桿菌と呼ばれる乳酸菌だそうだ。女性自らがこの細菌の働きを期待し、グリコーゲンなどを分泌していわば共生し、他の細菌の異常な増殖を抑える(=自浄作用)ようにしているという。この乳酸菌が働くことで、女性ならではの器官は、健康であれば大体pH3.5程度の強酸性に保たれているのだそうだ。


だから酸っぱいのか…

なんて変なとこで感心してる場合じゃない。

もっともこの味は女性の性周期によって周期的に変遷していくのだそうで… 


昔、某香料会社を訪問した時のこと。

細かいこと忘れたは忘れたが、1つだけ鮮烈に覚えているのは、ステキな香りには良い匂いの香料の中に「ほんの少しの悪臭成分」を入れると臭いに深みが出るのだ、というお話。

媚薬としても名高い「ムスク(ジャコウジカ)」やら、モンローが夜素肌に纏ったという「シャネルの5番」にしろ、糞便的な悪臭を材料としてほんの少しだけブレンドするのがコツという話しがとても興味深かった。


結局人間味と同じことで、清涼なだけではダメ。

極悪人でもアカン。魅力的な人間てのは、両方を程よく兼ね備える器量がほしい的な欲求なのかもしれない。


臭いのに、なぜかもう一度、いや何度も嗅ぎ直してみたい。あの不思議な行動の本質は、哺乳類の本能に刻み込まれた「酪酸的悪臭」への憧れなのかもしれない。つまりあのえた悪臭をもう一度嗅ぎたくなるのは、そこに幻の異性を感じる本能に由来するものではないだろうか。


いやしかし… 

女性器はなぜチョコやミントやキンモクセイやラベンダーやシトラスの香りになるように進化しなかったのだろうか… その方が絶対モテルと思うのだが…

そういえば「バニラの香り」はバニラの実たるあの黒いツブツブを交えて発酵させることによって生じてくるというじゃないか。サティが進化改良係の神様ならば、ヒトの女性器の香りはゼッタイ「バニラ」臭を採用するだろうがなぁ… エッヘン!



ん、待てよ…

じゃあ女性はいったいあの臭いをどう思っているのだろうか?

怖すぎて嫁には訊けない。


ぜひ感想欄に御意見をお寄せください。


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