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第45部分 歯医者さん①
第45部分 歯医者さん①
歯医者通院はキライだった。
歯医者自体もキライだった
無ければ困ると解りつつ
どう考えても好きではなかった。
あの独特な臭い。
モーターの高い回転音とその周波数の遷移、強弱。
それに伴い誰かの歯が削られていく音。
子供の泣き叫ぶ声…
そもそも待合室に居る自身の歯が
しくしくと、ずきずきと病み、疼き、
身悶えている最中なのである。
利くからね… と説得されて、
痛む歯に詰められた征露丸。
それも痛いしまずいし、ココロ細いし、
間もなくやってくる途方もない痛みに怯えるとき
脳裏をめぐるアドレナリン
どうしてここまで放置したのかと
激しい後悔とともに
席に座って長いこと待たされたものだ。
なのに… なんであの頃は
歯磨きが苦手だったのだろう。
タイムマシンで戻れるのなら、
大きな声で忠告したい。
ちゃんと歯磨きしろよって
デンタルフロス使えって
隙間の掃除しろよって
定期通院しろよって




