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幼馴染の女の子同士がイチャイチャする百合  作者: 百合大好きおぢさん
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テスト終了、下校中

「じゃあこれで今日は終わりだから。気をつけて帰れよー」

始業式とテストがおわり、先生からの一言で今日の学校はおわった。

「「「さよならー!」」」

「はいさよなら。お前ら二人も早く帰れよ」

3バカが速攻で教室から駆け出し、先生も教室からでていった。二人きりになった教室で、私はカバンを持ちけーちゃんの席へ向かった。けーちゃんも席を立ち、帰る準備をしている。

「この後、ちょくでウチくる?」

「うん、行く!」

「じゃあ昼ごはんも食べるでしょ?お母さんに言っとくね」

そう言ってけーちゃんはスマホを触る。

「えへ、いつも悪いねー」

「お互いさまでしょ」

普段から、学校が終わったらそのままけーちゃんの家に行き、お泊りまですることが多いけど、時々けーちゃんのお母さんが仕事で忙しくて家に帰れないときがある。そんな時はけーちゃんが私の家に来てご飯を食べたり泊って行ったりする。つまり持ちつ持たれつ、お互いさまなのだ。そして今日もこのままけーちゃんの家に向かうことになった。手をつなぎ、教室をでて、校舎をでる。

「途中でお菓子買ってこ。うち今なんもないから」

「いいねー!じゃあけーちゃんの好きなカントリーマアム買ってこうよ!」

「あれちょっと高いんだけど・・・まあたまにはいいか」

「うんうん!また今度私もなにか買ってくからさ!」

「はいはいよろしくね」

こんな感じで、割り勘とかはあまりしない。買えるほうが、もしくは買いたいほうが買う。それを交互に繰り返す。私のものはけーちゃんのもの、けーちゃんのもは私のものみたいな感じ。割り勘とか奢り奢られってめんどくさいし私は嫌い。

「じゃあ、なかしまやいこっか」

「はーい!」

なかしまやとは通学路の近くにある商店のこと。ふんわりやさしい雰囲気の老夫婦がふたりで経営している小さいお店。日用品や雑貨、野菜やお酒を売っている。ちなみに看板の一部文字がはがれて、「なか まや」となっている。物心ついたときからそうだった気がするし、もう直す気はないのかもしれない。そしてしばらく話しながら歩き、なかしまやにつく。お店に入ると、60代くらいの優しい顔のおばあさんがレジの前に座っていた。今日の店番はおばあさんの方みたい。

「おや、美緒ちゃん圭ちゃんいらっしゃい。今日も仲がいいねぇ」

「こんにちは」

「こんにちはおばあちゃん!私たちはいつだって仲良しですよ!」

「いいことだねぇ」

そのとき、私のスマホに電話がかかってきた。お母さんからだ。

「ごめんお母さんから電話きちゃった。外で話してくるから買い物よろしくね!」

「はーい」

そう言って私は店を出た。

「もしもしお母さん、どうしたの?」

「あー美緒?今日はどうするの?けーちゃんとこ行くの?」

「うん、お昼ご飯もけーちゃん家で食べるから」

「あーそうわかった。その確認だから。けーちゃんのお母さんによろしくー」

「わかってまーす」

そう言って電話を切った。店の中を見るとけーちゃんが会計をしていたのでそのまま外で待つことにした。ふと周りを見渡すと、見えるものは山ばかり。島だから少し歩けば海も見えるけど、本当にそれだけ。目の前に続くのは舗装された道。田んぼや、あぜ道みたいな田舎らしい風景もない。田んぼをやる人がもういないらしい。こんななんの特徴もない島でけーちゃんと私はこの先どうしていくんだろう。二人とも島に残って働くんだろうか。それとも島を出て進学するのか。はたまた、二人別々の道を行くのか。最近こんなことを考えて不安になることがある。でもけーちゃんと将来についての話はあまりしない。けーちゃんは多分、将来については深く考えていないだろうし、私はけーちゃんがどこに行こうとも拒絶されない限りついていくつもりだし。けーちゃんもずっと私と一緒にいる将来を考えてくれてたらうれしいけど、もう高校二年生なんだから、将来のことについて話し合ってもいいかもしれない。

「どうしたのぼーっとして」

気づくと隣にけーちゃんがいた。

「なんにも!けーちゃんのこと考えてた!」

「美緒の頭の中には私のことしか入ってないの?」

「ん-、そうかも!」

半分冗談で、勢いにまかせてそう言った。けーちゃんは無言で私の手を取り、歩き出す。その表情は心なしか嬉しそうだった。


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