その3.5 見張り番
寝る前の女子の3人の会話である。
「美希よかったじゃん。響と組めて。」
「ほんとによかったね~。これは関係を進めないと。」
「2人ともほんとに…すごい嬉しいんだけど喋れるかすごい不安。」
「美希なら大丈夫だって。響もメロメロよ。」
「響君がそんなメロメロになるとは…」
「大丈夫。確実になる。」
「おーい、響起きろ~」
「ん?あー、俺の番か。」
「そうそう、朝までな。あと俺と守じゃ女子の方入れないから響が美希起こしてきてくれよ。」
そういえば俺らの前は翼と守の唯一の男子コンビか。
「ん、待てよ、なんで俺ははいっていいんだよ。」
「美希のことが好きだから?」
「おいおい、最後疑問系になってるぞ。」
「まあ、じゃあ頼んだわ。俺眠いんやわ。守も眠そうだったから早く行ってやれよ。」
とかいってとっとと寝てしまった。
全く無責任なとか考えつつ、女子の寝てるとこに向かった。
「かわいい…」
今、僕は美希を起こそうとして美希の隣にいる。
そしたら、美希の寝顔が可愛すぎたのだ。
いつまでも見ていたいと思ってしまったが、守が待ってる。
とりあえず呼びかけてみた。
「美希、見張りだよ。」
やっぱりダメか。
「これは揺らすしかないか。」
と、揺らすために腕に触ったところ。
「きゃっ。」
勢いよく起き上がってきた。
美希に頭突きされた。
しかも溝にはいった。
なんて情けない…
「ひ、響君。ごめんなさい。驚いちゃって。」
「別にいいよ。とりあえず見張りの番だからいこ。守が待ってるから。」
「守待たせた、交代。」
「お、やっときたか。へとへとだよ。あとは頼む。」
「守君おやすみ~」
守が寝にいってからしばらく沈黙が続いた。
俺は情けないことに何を話せばいいかわからなか
った。
「急にこんなことになってほんとに大変だったね。」
「ほんとにね…」
「美希どうしたの?」
「ごめんなさい、なんか涙出てきちゃって。」
「無理もないよ。俺も涙出したいくらい。」
「私、すごい不安だったの。この後どうなっちゃうんだろうって。」
「僕もすごく不安。だけどこれだけは約束するよ。僕は何があっても美希を守るよ。」
「響君…すごくうれしい。ありがとう!!」
とびっきりの笑顔を美希がこっちに向けていた。
「かわいすぎる…」
「何か言った?」
「な、何でもない。」
俺としたことが声にでてしまった。
その後二人で色んな話をした。
「お、太陽が上ってきたね。みんな起こそうか。」
「そうだね、みんな起こそう。じゃあ、私2人を起こしてくるね。」
「りょうかい~。」
響がついついかわいすぎるってつぶやいたとき
美希には聞こえていた。
「たしかにあのとき響君が私のことをかわいすぎるって。あわわわわわわ。」
そして、漂流2日目が始まる。