『こんにちは、ノムーラはん』外伝~赤の衝撃
「ノムーラはん、こんにちは。あれ、なにしてまんの」
「モルーカスはん、こんにちは。いや、これなんやけど」
「また商売せんとタブレットいぢりしてはるんか。え。小説の投稿」
「せや。株はロボとアルゴで間に合うさかい、わて新たな才能開発」
「ヒマなんでっしゃろ、要は。仕事とられて」
「モルーカスはん、あんたかてトレード外されて巡回要員やがな」
「う。それ言わんといて。ま、金男はんとこよりマシやけど」
「あいつの本社、トレーダー五百人おったんにリストラでいま三人て」
「時代はアルゴやロボのAIトレードでっからな」
「トレーダーなんてあっという間に生きた化石や、シーラカンスや」
「生ける屍。無用の長物。わてら、バブルんときが華でしたなぁ。はーあ」
「がっかりしなはんな。金男みてみい。システムの猛勉強してるでぇ」
「金男はん、まだ若いから。エンジニアなって。けどわてらジジイは」
「上の気分しだいでお払い箱やな」
「そんな殺生な。どないしょ~」
「せやから、わてらでもでける仕事を探すんや。手始めにこれや」
「へ。はぁ。ウェブの投稿小説サイト。『小説家になろう』でっか」
「せや。小説投稿サイトの老舗やでぇ」
「わてらみたいなオッサンでもエエんかいな」
「『おっさん』、人気やで。モテるでぇ」
「え、ほんまでっか。ほな、ちょっとおじゃましまひょか」
「とりま自己紹介しとこか。なんや怪訝な眼で遠巻きされてるみたいや」
「スーツ著て、きちんとしてても怪しいモンぞろいの、わてらの業界」
「ほんま。頼みのスーツ脱いだら、歩いてるだけで不審者扱いや」
「簀巻きにされんうちにあいさつしときまひょ。怪しいモンやないて」
「よっしゃ。モルーカスはん、例のたのむわ」
「え。あれやるんでっか。へ。まぁ、やりまっか。ほな。こほん」
株は世に連れ、世は株につれ
株に迷いはツキものの
世を映す鏡、世迷い言
移り変わる世情に人情、紙風船
ああ、わてら空売り外資の末路やいかに!
お待たせいたしました。泣きむせぶ株板に咲いた一輪のあだ花
大輪の花も無情に散る、花吹雪の彼方より、いよっ、待ってました!
個人株主の憎き大敵、ミスター売りブタ、空売り大王の来臨!
レディース&ジェントルマン! This is ノムーラ!
「わわわわわたくくっしは、あのその。ほれ。えーとですね、わわ」
「ノムーラはん、肩の力ぬかなあきまへん。唄でやったらよろしがな」
「は。そやった。唄や歌。ほーれ♪」
♪ハズいながらもこのわたし
毛嫌いされる売りブタの
嫌われ者の憎まれ者
♪後ろ指、イヤというほど差されます
株の亡者のよた踊り、サノヨイヨイナ
しぶとく市場にしがみつく
天下の面汚しノムーラとは! わっちのことで~い
「あ。私はモルーカスいいまして、ウォール街でちと知られた証券屋で」
「ちょちょ、モルーカスはん。マジはアカン。わてら、ギャグ専なんや」
「そない言われても。わて、根は実直な証券マンやさかい」
「本題、いこか。今回の投稿小説のテーマは『赤』や」
「え? なんで赤なんでっか。ほんま行き当たりばったりでんな」
「ほんま言うたら、某エブリスタのコンテストテーマなんや」
「それ言わんでもよろしィに。とにかく行きまっか。赤いうたら、日の丸や」
♪白地に赤く日の丸染めて~ ああうつくしや~
「ちょ、やめなはれ。ちゃうがな」
「へ。ああ。じゃ、こっちでっか」
♪母の背中にちさい手で 振ったあの日の日の丸の~
「ちゃう! やめい! 日の丸行進曲て、いまどき誰が」
「へ。あ。じゃあ」
♪赤い靴はいてた~女の子ぉ~
「ちゃうがな! やめぃ、やめやめ!」
「え。これもちゃうんでっか。ううーん。ほな」
♪赤いリンゴに 口びるよせて だまってみている 青い空
「やめなはれ、モルーカスはん」
「これもちゃうと。あ、ほんならこれや」
♪こんにちは赤ちゃん あなたの笑顔ぉおおお
「やめぃ。ほんま次から次へと。赤いモンの歌から、ちょち離れまひょ」
「趣旨がちゃいまんのか。赤づくしのカラオケ大会やないんでっか」
「わてら小説の舞台に居るんやで。せやから赤がテーマの小説やらな」
「さよか。なら、赤が題材のストーリーとか物語でんな」
「せや。たとえばやな。わて、株主連中に嫌われてるやろ」
「あくどい空売りして株価下落させてばかりやから。そりゃ恨まれる」
「でも、わては仲良うしたいんや、株主のみなはんと」
「そらあかん。ムリやわ。ふだんの行いがおこないでっからな」
「そこでや。モルーカスはんが、わてのために一肌脱いでくれて」
「へ。なにしまんの。おっさんのヌードちゃいますやろな」
「ちゃうがな! どでかい空売りカマすんや」
「空売りくらいならいつもしてるさかい、しますけど」
「ふだんの十倍。ストップ安、行くやつ。みな魂消て腰ぬかすでぇ」
「そら、びっくりしますわな。なんも悪材料のうて大幅下落なったら」
「そこへやな、わてが通りかかって
『おや、みなさん、どうされました。へえ。ほぉ。空売りで大暴落。
そら、さぞお困りで。よっしゃ。ここはわてにまかせておくれやす。
おりゃあああああ! 買い、買い、買い、買いいいいいいいい!』
てなこと言うて買いまくって株価上昇。感謝されてわて人気モン」
「それ、どっかで聞いた話でんな。そや。『泣いた赤鬼』や」
「バレた? わて赤鬼、モルーカスはん青鬼や。さいご旅にでるんや」
「イヤでっせ。そんな、人に恨まれるようなこと」
「そない言わんと。あ、ほな。こうしよか。あんさん、軍師やりぃな」
「へ。軍師? わてが。まぁ、わてストラテジストやから、エエかも」
「それでな、盟友のわてに無理難題ふっかけるんや」
「へ? 味方やのに、困るようなことさせるんでっか」
「せや。わての人気と将来性に嫉妬して貶めようとするんや」
「そういう性悪な役柄は、ノムーラはんのほうがぴったりやがな」
「そない言わんと。ここはわてに花持たせてぇな」
「へえ。はあ。まあ。よろしおま。で、なにしまんの、わて」
「意地悪そうに笑ってやな、売り玉の十万株を十日で調達せい言うんや」
「え。ここの板、一日の出来高十万株そこそこや。ムリやしムダやわ」
「ツッコミはエエから。問答無用で調達せいて言うんや」
「へ。ほな。十万株、十日で調達せい。できんかったら株板から退場や!」
「レッドカードやな。よっしゃ。十日なんて悠長な。三日でやりま」
「できまんのか?」
「できるがな。こないするねん!」
「あ、ノムーラはん。そんな株板の真ん中に出たらアカン。狙われる!」
「あ。あいつ、ノムーラじゃねえか」
「わ。ほんとだ。ノムーラだ。この腐れ空売り外道が!」
「てめえの空売りのせいで、金が。家族が。土地が! くそ。喰らえ」
「強欲外資の手先が。おれたち個人を食い物にしやがって! この!」
「わ。手当たり次第にぶつけよる。株の雨あられや。こら、株、投げるな」
「ええんや、モルーカスはん。こないしとれば、株がかってに降ってくる」
「え。それ集めて売り玉にするんでっか。体もちませんで」
「だいじょうぶや。こない避けて。これもちょちょいとよけてやな。あ」
バカーン! どた
「わ、顔面直撃や。ノムーラはーん。伸びてはるがな。ロボたのむわ」
「へ。ナンギナ オヒトヤ。キュルキュルキュル。ドウレ。ホイ」
「ロボ、すまんな。ノムーラはん! しっかりしなはれ」
「うううう、うーん。軍師殿、これが十万株つくる方法や。しかもタダ」
「なんか、これもどっかで聞いたような話でんな。あ、『赤壁』」
「せや、三国志な。わて孔明で、あんさん周瑜や」
「あほらし。天下の鼻つまみモンが孔明役て。中国にどやされまっせ」
「中国国旗は五星紅旗。紅の豚。紅赤はサツマイモの女王。紅緒はーん」
「頭もぶつけなはったんや。病院行きまひょ」
「病院なら、赤十字にしてやぁ」
「まだ赤言いなはるんか」
「自衛隊入って不倫して本気んなって、坊さんに変身して恋に落ちて」
「それ、『赤と黒』のアレンジでんな。ジュリアン・ソレルや」
「七三分けのリーゼントの忍者が大凧に乗って現れて」
「戦国時代やのに怪獣と対決するんでっしゃろ。『仮面の忍者 赤影』」
「ほな、赤いシリーズ行こか。10まであるからやりであるでぇ」
「もうかんべん。ノムーラはん、『赤城の山も今夜を限り』や」
「お、先まわりしよって。モルーカスはん、腕あげなはったな」
「て。これ、キリありまへんがな。だいたい、赤の寸劇ちゃいますやろ」
「アカの芝居て。それレッドバージや。チャップリンみたいに追放される」
「アカイ、アカイ、アサヒいうて連載打ち切られた人おりましたなあ」
「ふん、赤瀬川原平はんや。おいロボ、アイス買うてきて。暑うなったわ」
「あ、わても。すんまへんな、ロボはん。喋り通しでノド、カラカラ」
「ヘイ、オマチ」
「なんや、ガリガリ君かい。ええわ。頭冷やすのにもってこいや」
「あ、ガリガリ君て赤城乳業でんな」
『可愛い子分のてめえたちとも、別れ別れになる門出だ』
『親分!』 て。「やめまひょ」
「いつの時代も解雇はきついな。ドイツ銀行、五人に一人解雇やて」
「とくに株式売買業務。撤退でんな、ほぼ」
「ドイツもわてらに劣らず嫌われモンや。理不尽な空売りカマして」
「赤字が積み重なって経営圧迫だそうで。赤てロクなことおませんな」
「そんなことないで。見てみい。株板の赤のインジケーター」
「あ。ここでは値上がりでんな、赤が。ちなみに値下がりは青とか緑」
「昔の名残りらしぃで。黒板に株価かいて、高安で赤か青の札つけてたて」
「ふーん。ま、赤と青なら、ひと目で分かりますもんな」
「赤も青も光の三原色、色の三原色で基本となる色や。ひときわ目立つ」
「ここの板は、みなが株をぶん投げたせいで青くなってまんな」
「え。あかんがな。赤がテーマやのに、青て。あかんあかん!」
「なんか来まっせ。あ、ドイツのアルゴや。スイス、ICSも」
「なんやて空売り機関、そろい踏みやないか。こら! 帰れ帰れ!」
ゴーゴー、グワッグワッ、売リ、売リ売リ、売リ売り売リ売リィィイ!
「ドイツのアルゴ、泣きながら 破れかぶれで売ってまっせ」
「ゴルァ! やめい! 売りアルゴやめい!」
「ノムーラはん、ムダや。こいつら、青に反応するプログラムやから」
「そんなら赤にするしかないな。おいロボにアルゴ、買い転換や」
「へ? アキマヘンワ。本社ガ売リ指示デッサカイ」
「なんやと! ロボの分際でわしの言うこと聞かれへんてか!」
「ワ。ヤメトクレ。聞キマンガナ。ドライバー振リ回サントイテ」
「ピーッピーッピピ、ピー」
「アルゴモ、従ウテ言ウテマス」
「ふん。機械の分際で。逆らうなんざ一万年早いわ。よし、買い転換や!」
ギギ、ギギイイッ、買イ、買イ、買イ買イ、買イ買イ買イ買イ買イイ!
「ほれ!モルーカスはんとこのアルゴもたのむでぇ!」
「え、わてとこのもでっか。しゃあないな。ちょちょいっと」
ガガンガンガッガ、買イ買イ、買イ買イ買イ! 買イイイイイイ!
「よっしゃ。ええ調子や。見てみい。板、赤うなってきたで」
グアグアグア、ググググ、ゲゲゲゲェゲエエ
「なんかノムーラはんとこのアルゴ、へんな音してまんな」
「ふん、また旧式に戻されたからな。ガタ来とんのや」
「扱い量、一ン日の限界超えとんのちゃいまっか」
「だいじょうぶや。こないして油さしてやな。ゴホ、ゲホ、ゲホッ!」
「なんや焦げ臭いな。わ。アルゴのてっぺんから煙あがってまっせ」
「アチッ! 火が。火が! おい! ロボ、消化器!」
「おい、あれ、赤いのろしじゃねえか」
「ほんとだ。赤く色づいた一筋の煙。ありゃ、大商いにちげえねえ」
「行こうぜ」
「おお、みんな、早い者勝ちだ!」
「ひと儲け、ひと儲け!」
「おおお。わおおおお」
「ノムーラはん、あれイナゴちゃいまっか。土煙あげて押しよせて来よる」
「ほんまや。ちょうちん買いの慾ボケ亡者の大群や!」
「あかん。ノムーラはん、逃げまひょ。呑み込まれたらえらいこっちゃ」
「せやな。ほこらのうしろ、隠れとこか」
「あ、来ましたで。板に取りついてま」
「どんどん来るなぁ。見境のないやつらや。買い一色になったな」
「あーあ、人の背中、踏み倒して昇っていきよる。あさましいもんや」
「引きも切らずわやわやと。どっから湧いてくるんやろ」
「おおおおお金かね」
「どやわどやどんど」
「株、株、株」
「ぐわぐえあ」
「群れの最後尾、見えまへんな。途切れまへんで」
「もうすぐ大引けやから、みな慌ててるな」
「株の取り合いや。だんだん上にあがっていきまっせ」
「あんな大勢が一つの板に張りついて。壮観やな。スペクタクルや」
「なかなか見られしまへんで。すごいわ。板、真っ赤に染まりましたな」
「株価急上昇で真っ赤っか。熱気が板にあふれてるでぇ」
「みな、『蜘蛛の糸』みたく登っていきまんな。うん? ミシミシて」
バキッ! ボキッ! ガラガラガラ、ドシャン!
「わ。板が壊れる。崩れるぅう!」
「こらあかん! ノムーラはん、逃げまひょ。て、もう逃げてはるわ」
「モルーカスはん、早う。こっち、こっち!」
「待ってぇな! ほんま、逃げ足の早いお人や」
「ここまでくれば大丈夫。あ、板、崩壊しよるで」
「ああーあ。みな、真っ逆さま、落ちていきま」
ドドドドド! ドカーン! ドドドドドーン!
ドッシャーン ガラガラガラ ドーン
「わあ」
「ぎゃあああああ」
「ああああ、しししし死ぬううううう」
「なんまいだぶ」
「アーメン」
「自業自得とはいえ、哀れなもんやな。合掌」
「ノムーラはん、板、跡形もありまへんで」
「うーん。がれきの山やな。ぷすぷすて、くすぶってる」
ピーポ、ピーポ ウーウーウー うーうー ぐあぐあ ピーポピーポ
「もう救急車や消防車来まっせ。あ、パトカーも」
「なんや、呻き声も混ざってるな。野次馬も来よるでぇ」
「救急車両進めません! どいてどいて!」
「なんなんだ。なにごとだ!」
「わやわやわやわや」
「ドヤドヤどやどやどややドヤドヤ」
「おい、ここの板の値はどうなってんだ」
「どないしまひょ。大引けでっせ。終値ぐらい表示しとかんと」
「インジケーター粉々やんけ。ロボもアルゴもがれきに埋もれてるし」
「昔みたいに手信号しまっか」
「ええわ。そこらに落ちてる板に終値、マジックで書いとこ」
「けど、前日比、数字だけじゃわかりまへんで」
「そこはそれ、赤やがな。赤」
「へ? あ。昔むかしの黒板表示でっか。でも赤い札が」
「ふん。待っといで」
「あ、どこ行かはる。なにしてまんね。あ。やめなはれ」
「キャー! ヘンタイ!」
「ノムーラはん、なにズボン下げてまんの。公衆の面前で」
「ほれ。これや。これをやな、この数字の板にくくりつけて」
「なんでんねん、その赤いの。ほぉ、ヒモついてて便利でんな」
「で、この板をがれきの山に立ててやな」
「赤いのが風になびいて、よう目立ちまんな」
「お! ここは高値引けか」
「おおお。またクラシカルな表示だな」
「意外と遠くからでも、わかりやすいわ」
「好評のようでんな。あれ、なんでんねん。赤いの」
「あれか。褌や。赤いふんどし。赤フン」
「へ? フンドシて。ええええ。どこから、そんなもん」
「モルーカスはん、知らんの? いま流行ってるんやでぇ、褌」
「そうなんでっか。でも、まあ、よう、あんなめんどいモンを」
「はやぶさ2の再着陸成功見て、ふと思い立って締めてきたんや」
「あ、『こんなこともあろうかと』。初代はやぶさの名文句でんな」
「せやで。ほれ見てみ。救急車両の赤い光に、よう映えるわ、赤フンが」
「まぁ、一反木綿の赤いヤツや思えば、見れんことないですわな」
「美しいながめや。照り映える赤光の乱舞に、はためく赤」
「阿鼻叫喚の地獄絵図。紅蓮の炎が天を突き、赤に染まる市場の一角」
「モルーカスはん、よけいなこと言いなはんな。凄いのは確かやけど」
「この赤いのが凝縮したのが日の丸かも、でんな」
「エンタメに政治持ち込んだらアカンで。争いの元や」
「は。そやった。イデオロギーはここには似合いまへん」
「やっと片付いたな」
「すごいな。あんな散乱状態、カオスがあっという間にきれいに」
「ま、ヴァーチャだからね、ここは」
「しっ! それ言ったらぶちこわしになる」
「エンタメの華。あの赤い布れ、みょうに心に残るわぁ」
「まあまあのすべり出しやおまへんか、ノムーラはん」
「わてが本気だせば、こんなんちょろいで。まだまだこれからや」
「それは後のお楽しみっちゅうことで、ここらでお開きに」
「そやな。場も引けたし。一杯やってこか。行こ行こ」
「あ、そういえば赤がテーマの話、どないしまんの」
「いま演ったがな。赤い話のオンパレードやん」
「え。これ。これでよろしのか。ドタバタで」
「はじめてやもん。きょうはこれくらいにしとこ」
「よろしのか。ちゃんと話書いたほうが」
「ええがな。慣れんことして疲れたわ」
「どこ行きまっか。まだ、早いけど」
「べっぴんで評判の女将、新しいパブが、神楽坂の赤城神社近くに」
「え、赤城? え~ こほん」
『生れ故郷の国定村や、縄張りを捨て、国を捨て』
「もう、それ、ええわ」