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EX Game ―What is the “skill ”?―  作者: やまぶき
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ゲーム概要

 ご来場の皆様。本日はお越し頂きましたこと、誠に御礼申し上げます。並びに新たなゲームの発表が遅れに遅れましたことを、この場を借りて御詫び申し上げます。


 さて、これより新たなゲームの詳細について御説明致しますが、その前に簡単な試問を一つ設けてみましょう。即ち、「スキルとは何か?」無論、ここで言うスキルとは経験と勘によって構成される技術という意味を持ちません。卑近な言葉を選ぶなら、「チート」という言葉の方が適切でしょうか。この問について、今一度考えてみたいと思います。

 尤も私を含め、皆様方の中にスキルを使える方はおりませんので、設問の意図を充分に想像出来ない方がいらっしゃるかもしれません。そこでまず、「ゲームにおける一方的に有利な条件」を例にとって検討してみましょう。

 例えば徒競走。誰もが100mを走らなければならない中、一人だけ1m先にゴール地点が用意されている者をxとします。この場合、xは誰を相手にしたとしても負ける事はありません。つまり、他の条件が同じ競合者に対してxは常に勝利を確定させる――スキルとは、このようなものです。


 では、スキルは常に賛美され、持たざる者は淘汰されるべき者なのか――この問に対しては明確な答えが用意されています。即ち、否。スキルは技術に対して常に優越するものでは御座いません。先程の例ですと、条件者xは誰より早くゴールすることは出来ますが、それは誰よりも速く走る事を意味しません……当然でしょう。誰より早くゴール出来る者に、より速く走る為の努力は必要ありません。

 無論、スキルが常に有害なものであるとは限りません。しかし種の起源を引くまでも無く、必要の無いものは有形無形を問わず淘汰されていく運命にあります。スキルを身に付けて、スキルが無ければ何も出来ない赤子になってゆく……何とも滑稽な話ですが、最初の試問に対して用意すべき回答とは、「人を堕落させる毒」、ということになりましょうか?

 ……話が多少逸れてしまいましたが、以前、私はこの前提にたった上でゲームを設定させて頂き、皆様には「人がスキルの本質に気付き、それを乗り越えられるか否か」にベットして頂きました。


 些か「乗り越えられる」側が有利だとは思われましたが、賭けとしては成立する程度の誤差であると考え、最終的なオッズもおよそ50:50に分布しましたのでゲームを開始しましたが……御承知の通り、実際には賭けとして成立しませんでした。まさか、第一関門突破者が一人も現れないとは……私の失策ですが流石に想定外でした。

 ゲーム終了、最後の審判まであと300年程であり、本来であればその時点で「乗り越えられない」側にベットされた方の勝利となります。しかしこのままでは牧歌的な変わり映えのしない世界を延々と観させられることになりゲームは失敗、ショーとしても惰性で続いていくばかりの面白味の無いものとなります。


 そこで今回、「乗り越えられない」側にお賭けになられた方からの、2/3以上の同意が得られたことを持ちまして、規定に基づきゲームのルールを一部改訂、並びに主催者の権限により特殊ルールを加えさせて頂きます。

 まず、一般ルールについてですが、

 ①賭けの対象は変更しません。

 ②但し、スキルの内容を一新することにより、スキルの本質に気が付く者が現れる可能性を大幅に引き上げます。

 ③スキルの本質について気付いた者に対しては、ボーナスポイントとして前回ゲーム開始時に決定したルールを一部開示致します。

 以上が一般ルールについての追加事項となります。しかし②についてですが、前回ゲームで1000年という時間が経過したにも関わらず、スキルの本質に気付くものが現れませんでした。確率で言えば10の兆乗分の1、といったところでしょうか。これでは仮に5倍にしたところで現れないのと同然です。そこで、更に200年間気付く者が現れなかった場合、ゲームは特別ルールに移行します。特別ルールに移行した場合、

 ①別世界より、ゲームのクリア条件に気付く可能性のある人間を一人、ゲームのボード盤へ転生させます。

 ②転生者には特典として、三回までやり直す権利を付与します。

 ③また、特別ルール移行により当初の命題は「転生者がスキルの本質に気付き、それを乗り越えられるか否か」に変更されます。

 ④××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

 以上が特別ルールの概要になります。未だ些か不公平であるようには見えますが、一先ずこれをもって第2ゲームを開始します。皆様におかれましては存分にお賭けになった上で、彼らが演じる愛憎劇をお楽しみ下さい。

 

 

 

 尚、転生体につきましては、ゲーム主催者である私が責任を持って有望な魂をボードに置くことを御約束いたします。

 選別については妥協すること無く、最高の魂を最高の鮮度を保ったままで御提供致しますので、別世界で受肉しているが為に転生出来ない、といった不都合は一切生じません。また転生させるに当たり、人道的な処置として転生体からゲームに関係しない一切の記憶を削除致します。これにより元の世界に戻りたいなどといった葛藤が転生体に生じることは在りません。

 

 

 

 ですので、

 決して罪悪感を抱かれること無く、

 どうぞ御安心してショーをお楽しみ下さい。

 

 

 

最後までお楽しみ下さい

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