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第二話 どうやら下界へ往かなくちゃいけないようだ。

 俺の目の前にいる雀や鼠ほどの大きさの頭に山羊のような角、背中には真っ黒な烏の一対の翼は生えている人間の女性型ナマモノ――使い魔だが、外見と裏腹に精神(こころ)は男性っぽいぞ。


 ハハハ、転生する前は男だった俺とは同じ穴のムジナのようだ……奇遇だなぁ! そして複雑な気分だ……。


「うん、こんな感じでの服がいいかなぁ」


「黒いビキニの上から、赤いジャケットとミニスカートだと!? ホントの中身は男なのかぁって疑いたくなる格好だな」


「は、何を言ってる。カッコイイ服に男女の嗜好は関係ないと思うがな、アルテナちゃんよぉ」


「そ、そうか! お前がそう言うなら、俺は何も言うことはないぜ……だ、だが、俺の名前の語尾にちゃんをつけんな!」


 使い魔の奴、本当に精神は男性なのかぁ、何か違うぞぅ? 上着はともかく、ミニスカートを穿いている時点で……。


「さて、使い魔に名前をつけてやれよ」


「名前だぁ? ああ、そうだなぁ、ヤマダとかサトウでいいかな?」


「ヤマダじゃねぇ! サトウでもねぇ! 俺の名前はアイオーンだ!」


「なんだよぁ、自分で決めてんじゃん」


「当然だ☆ ヘンテコリンな名前をつけられそうだからな」


 ヤマダとかサトウじゃ流石に適当すぎるかァ――って、使い魔の奴、自分で名前を決めていたのかよ。


 アイオーンかぁ、まあ悪くはない名前だな。


「あ、いたいた。マリウス、悪いんだけどさ。そのコを連れて下界へ往ってくれないかな?」


「ん、ウリアル? ああ、別のイイゼ。暇だしな」


 ん、軽装の鎧と柄に蝶の装飾が施されている長剣を装備したポニテの女のコが、ドタバタと忙しなくマリウスの部屋にやって来る――戦乙女のひとりだろう。


 んで、マリウスに対し、下界へ往ってくれと言い出す……え、俺も一緒にかーッ!


「へえ、下界へ往くんだ。良かったわね。なんだかんだと、ここにいるよりは楽しい筈よ」


「ああ、言い忘れていたわ。オリンデ、お前も一緒な☆」


「え、えええーッ! 私も一緒にですかァァァ~~~ッ!」


「そういうことよ。つーか、嫌なワケ?」


「い、いえ、そういうワケでは……」


「んじゃ、頼んだわよ。ああ、アレの回収も頼んだわよ」


「あ、はい……ったく、面倒くさいことをなんでも押しつけるんだからッ!」


「ん、何か言った?」


「い、いいえ、何も……」


 オリンデも一緒に下界へ往くのね――半ば強引っぽいけど。


 さて、ウリアルとかいう戦乙女が口にしたアレってなんだよ、アレってーッ!


「おい、早速、下界へ向かうぞ」


「でも、どうやって……うお、足許に光る渦巻きが!」


「ワープゾーンね」


「ワープゾーンだって!? じゃあ、足許の光の渦巻きの中の飛び込めばいいのか?」


「ま、そういうことだな」


「あ、たまに転移事故が起きるんだよ。転移先が地獄とか……」


「ふええ、マジかよーッ!」


 光の渦巻き――ワ、ワープゾーンねぇ。


 とまあ、そんな便利モノが俺の足許に出現する。


 下界へ往くには、足許のワープゾーンの中に飛び込めばいいワケだが怖いなァ……。そんな転移先が地獄とか、如何にも物騒な場所になってしまう可能性があるって聞くとね。


「どうでもいいけど、さっさと向かうぞ。ワープゾーンは大体、六十秒で消えるんだ」


「え、そうなの? うわ、なにをするやめろー!」


 ワープゾーンは六十秒で消えてしまう? そういうモノなのか……ああ、膨大な魔力故に維持していられないってことかな?


 だ、だからといって強引の引きずり込むのはやめてくれェェェ~~~!

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