表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/34

赤ちゃん

赤ちゃん


 結婚して日本に家を借り、その後基地の中の家に引っ越した。そこで妊娠して出産、子育てをした。


日米では子育ての方法はかなり違う。2人で相談しながら臨機応変にどちらもとり入れた。

アメリカは赤ちゃんと夫婦の部屋は別にするのだが、私は断固(川の字)の日本式子育てにこだわった。部屋に1人ぼっちでドアを閉めるなんて考えられない。お昼寝はベビーサークルで、モニターで声が聞こえるようにしていた。


夫はすごく心配性でありとあわゆる危険防止グッズを買い込んでいた。

アメリカのベッドはかなり床から高いので、夫が起きた後はサークルなどで転落防止の柵もつけていた。

子育ての方法はかなり違うが、赤ちゃんの行動はほぼ同じだろうと思う。


今日は息子が1歳前後の赤ちゃんの時のことを書こうと思う。


6ヶ月くらいまでは泣く、おっぱい、寝る、出す、の繰り返しだと思うが、その後(自我の芽生え)と良い言葉があるが、要するに知恵がつき好奇心が生まれてきて、親にとっては(いたづら)が始まる。


ある日リビングで


「あ!!あ!!や!!や!!よ~~~!!」

と言いながらシュッシュ、シュッシュとティッシュを箱から出していた。

ひらりひらりと空に舞うティッシュ。 

一枚ずつ丁寧に引き出し


「あ!」シュ!「や!」シュ!「ホ~~!」シュ!

山になっていくティッシュ。


あはは…きれいだねえ。 

おもしろいのでやらせておいた。しかし、次のお仕事は絵のついた紙。

お財布を掴み、お札を「あ!」シュ!


「それは、やめて!!」


なぜ(白い紙)は良くて(絵のついた紙)は駄目なのか分らない息子、大泣きだ。

絶対にやりたい息子。ある日また超早いハイハイで私の財布を盗み、座ってばら撒き始めた。


「あ!」シュ!「えい!」シュ!「……あり?」


2枚ほど撒いた所で不思議そうにお財布を見ている。

息子よ、(絵のついた紙)はあんまり入ってないのだよ。


 つまらなかったのか、この日からやらなくなった。

学んだんだね?こうやって大人になっていくんだね?

そして、紙ばらまき系は進化していく。


 ある日、本棚の文庫本に目をつけた。表紙を1枚1枚はがしながら、本と表紙を床に捨てていた。アメリカの本には表紙がないのだが、日本の本には(皮)が付いていることを学んでしまった息子。


根を詰めて作業する姿は職人のよう。座り込み一冊取り出し、皮をむいては後ろへポイ。また一冊取り出し、皮をむいては後ろへポイ。

途中で、「ふー」なんてため息まで。

仕事に満足するとまた猛スピードハイハイで次の仕事場へ。ものすごく働き者だ。 


 基地の家は古いけれど、アメリカ風の作りでかなり広くて目が行き届かない。

キッチンで料理するときはおんぶしたり、イスに縛り付けて、いえ、ベビーチェアーに座らせていたけれど、このくらいの年齢からは本人は猛烈に拒否する。

えびぞりが危ない。

なので、キッチンの下の方の引き出しにわざとタッパーばかり入れたりして足元で遊ばせておく。


直ぐ側で料理しながら後ろを見るとタッパーを出すお仕事。うん、いいね。

出す、並べる、しまう。出す、並べる、しまう。

飽きるので時々入れ替え。プラスチックのもう使わないフライ返しなど。


ある日ペタンと床に座って、また作業に没頭していたので安心して料理をしていた。ほんの数分で振り返ると…


高い高い、缶詰タワーが揺れていた。

違う扉を開けて缶詰を取り出し、積む。 どんどん積む。

自分の背丈くらいになり、ゆらありゆらり。アメリカの缶詰はかなり大きいので危ないのでこれは取り上げ。


アメリカ人の友達の娘さんはやはり1歳ごろトイレ中の壁にナプキンの裏のシールをはがし張ったそうだ。

壁一面の白いナプキン羽根つき。

根を詰めたね、立体のシールだね、楽しいね。

モダンアート?

親はぎゃーーっと叫んだ後、大笑いして私も含めた友人に楽しそうに話してた。


どの国でもお母さんは大変だ。悩んだり手探りで子育てをしているのだ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ