国王登場
「ふぉーふぉふぉふぉ、成功ですじゃ、さすが世界が認めた天才魔術師のわしのち、か、ら!これでわしのお給料アップ間違い無しですじゃ!」
広い空間にクラスメイト23人と変なジジイ、それと横たわる黒尽くめのローブを纏う10人程の人がいた。
「オイオイなんか黒尽くめの集団とか悪者ぽっく無いか?」
「こういうのはテンプレじゃね?」
「そうそう、多分王様とか出てきて勇者様とかさ。」
オタモブ3人集にかかればこの程度の事態は予測済みみたいだ。
ただオタモブ3人集が考えてる様な事になるかは未定である。
「国王様聞こえますか?」
……………
「この度の実験は成功し大人数の勇者様の召喚に成功しました。」
…………………
どうやらテレパシーの一種で通信をしているみたいだ。
ただ相手の声は聞こえないが…
「おい!聞いたか?」
「聞いた聞いた、国王様とか言ってたし。」
「しかも大人数の勇者とか。」
「やっぱりテンプレ最高だな」
「「「ですな同士」」」
3人はお互いの手をがっしりと掴み小さくガッツした。
その光景を呆れた眼差しで見つめるミズキと風月。
「男ってああいうのしかいないのかしら?」
「あれはオタモブだから人外なんだよ、みーちゃんも見たら目が腐るかも…」
「えー、かっちゃん言うの遅いよ、見てから言わないでよ」
そんな会話をしているといきなりラッパみたいな音で音楽が鳴り始めた。
「国王様ご来訪ー」
赤い絨毯がひかれそこをゆったりとした足取りで歩く1人の男性。
身長約2m程で逞しい筋肉に覆われた肉体、オールバックにした髪、鋭い眼光、どう見ても武人にしか見えない容姿。
しかしやはり国王だけあってかなりのオーラを放っている気がする。
気がするって言うのは日本人は偉い人とか有名人とか見るとやっぱりあの人はオーラが違うとかついつい感じてしまうアレである。
国王は私達の前に来ると頭を深々と下げた。
「この度はこちらの都合であなた方の世界とは別の世界に呼び出してしまった事を深くお詫びする。」
「!!!こ、国王様、いけません、国王ともあろう方が簡単に頭を下げるなどなりません。」
「うるさい、黙ってろ!」
国王は自分を注意する側近?もしくは大臣?に強く怒鳴りつけた。
「この方々はこちらの都合で勝手に呼び出したのだ。国のトップとして頭を下げるのは当然の事だ。」
どうやらこの国のトップはかなりの人格者であるという事が分かった。




