お婆様との組手
「さて、ご飯も食べた事だし少し運動でもしようかね…葵や少し手伝ってくれんか?」
「私で手伝える事があるなら良いですよ」
「なに、簡単な事だよ、少しワシと組手をせんか?」
「組手?違うな…お婆様の言ってる事が組手に翻訳されてるだけで別の事も聞こえる。」
どうやらこの世界でのわからない単語は何故か解る単語に振り替えられている様だ。
それはまだステータスを見てない葵には知る由もないが転生者、勇者、転移者などに神様からのプレゼントとして翻訳スキルを貰っているからだ。
「ちょうどこの先に少し開けた所があるからそこでしようかね。」
とりあえず葵はお婆様の後に着いて行った。
お婆様の案内で開けたら場所に着いたが確かに開けた場所だった。
広さ的には東京ドーム2個分ぐらいの広さで足元は剥き出しの地面。森の中でここだけが異様な景色になっていた。
「遠慮はいらないから本気でかかっておいで」
葵は合気道のすり足に独特のステップを入れた動きで近付いて行く。
この独特のステップが目の錯覚を引き起こし葵が1人、2人と増えていく。
葵の人数が5人に増えた頃にはお婆様を取り囲む形に形成をされていた。
「ほぉ、この世界に来たばかりで魔力分身とは将来有望な子だよ。」
当然葵は魔力分身なる物を使っているわけでは無く自前の技術で増えている様に見せかけて居るだけである。




