食事風景
「さてアオイも人型になった事だしご飯を食べようかね」
「そうですねぇ〜せっかくのご飯が冷めちゃいますぅ〜」
「ほれ、アオイもボッとしてないでここに座りな」
葵はお婆様の横に座る様に促されて座った。
ミオさんは食卓の準備をし終わり
席に着いたみたいだけど料理が山盛りすぎてミオさんの姿が見えない。
「ほれ食べるよ!」
お婆様はとりあえず手にご飯らしき物を持ち片手で肉を切りながら器用に食べていく。
葵はその姿に違和感が凄すぎて言葉が出なかった。
まず片手で肉を切るなんて事を平然とし、自分の顔ぐらいの肉を一口で口に入れたり明らかに自分の体積以上を口に入れてるのにお腹が膨らんだりしてない…
葵は考える事を放棄してとりあえずは目の前のご飯を食べる事にした。
どう考えても3人で食べるにはあり過ぎる量の料理があっという間に平らげられていく。
数分後には反対側に座っていたミオさんが見えるぐらいに料理が減っていた。
ご飯が食べ終わる頃にお婆様が葵に話しかけてきた。
「葵や、自分の体積以上に食べてるけどとか一口で食べる量がオカシイとか思ったじゃろ?」
葵はお婆様の発言にドキッとした。
顔に出てたのかな?などと考えるがその考えを捨てた。
葵は合気道の稽古で相手に表情を読まれない訓練を幼少よりしていた。顔に出るなんて事はない。
顔に表情が出る事は死に繋がる事を葵は知っている。
そんな事を考えてる間にもお婆様の話が続く
「なに簡単な事じゃよ、普通の人が見たら全員ワシらの食事風景を見たらオカシイと思うからのぉ〜」
どうやら私以外の人がすでにお婆様達に何かを言ったみたいだ。
「ワシらの本当の姿がさっきの葵の10倍以上あるだけの事だからね。」
葵は気絶する前に見た光景を思い出し夢じゃない事を再確認したのだった。