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カップルの日常〜ゲーム編〜

作者: 03



「ねーねー」

俺はゲームが好きだから、君と一緒にいる時もついついゲームを始めてしまう。



「なーにー?」

スマホの街づくり型ゲームに熱中して棒読みの声で返事をしてしまう。



「ねーねー」



君の声が近くなったと思ったら、背後から抱きつかれた。

正直、ゲームに集中なんてできなくなってる俺がいる。でもなぜかいじわるしたくなって集中できていないゲームを続けてしまう。




「もー!んっ!」

「あっ」


スマホを取られてしまった。


「何すんだよ!いいところだったのに!」








なんてことは言わずに、俺は無言かつ満足そうな顔で君を見つめつつ、スマホを取り返そうとしている。



そうこのやり取りがしたかったのだ。構ってほしそうな君が本当に愛おしいのだ。

スマホを取られてもいいようなゲームを選択しているのは絶対に言わないし、スマホを取られたいなんて君は思ってもないだろうけれどね。





「街づくりやめるから返してー」

「ホントに?」

「うん、やめるやめる」



信じてなさそうな表情で渋々返してくれた。




まあ、続きをしますよね。寝転がってうつ伏せになりながら、ゲームを始めてしまう。







「ねーねー」


と、君が寝転がっている俺の上に乗っかってくる。

言ってみれば、某双子お笑いコンビの『幽体離脱』のうつ伏せバージョンである。



俺はこの体制がすごく好きで、たまに背中に乗ってとお願いしてしまう時がある。

なんというか、落ち着くっていうか、君の体重を感じるのが幸せだとかそういう感じだ。

決して踏まれたいだとかそういう感情ではない。断じて。心に誓って。






いや、背中に立ってもらうのも好きなんだけどね。



そんなこんな考えていると、さすがに痺れを切らしたらしい。






「もー!嫌い!」

と、俺から離れてベッドに寝転がって、スマホでゲームを始めていた。



正直嫌いという言葉には軽くショックを受けたし、やり過ぎたなーと少し反省。

ということで、やっと俺はゲームをやめたのである。




「ねーねー」


ほんの5分で立場が逆転である。たった5分。されど5分。

マジで立場が変わる5分後である。MT5か。バイクにありそう。バイク全く興味ないけども。



そんなしょうもないことを考えつつ、どんなゲームをしているか覗いてみる。












ツムツムだった。

これはスマホ取ったら怒られるわ。グーで殴られるわ。ご飯抜きって言われるわ。



なんてなさそうでありそうなことを考えながら、彼女の背中に乗っかった。

さっきのお返しである。


重いーと言われつつもゲームが終わるのを待つ。









「終わったー」

「うん、見てた」

「重いからどいて」


標準体型なんだけどなーと思いつつ、ベットに座る。


お互いにベッドに座って見つめあった。最初にアクションを起こしたのは、目の前の好きな女の子だった。








「ん」



腕を広げた。




ぎゅーしたいのサインだった。





こういうのがあるから、いじけさせるのをやめられないんだよなーと思い、抱きしめる。







抱きしめつつ、幸せを噛み締める。


ずっとこうしていたいなーと思っていると、


















「「ぐぅ〜」」




お腹がなった。お互いに見つめあって笑いあう。




ふと、時計を見たら昼の11時。







「お腹すいたね。朝昼ご飯どうする?どっかで買ってこようか?」

「んー、適当に作るよ。テーブルの上、片付けておいてね。」

「あーい」






スマホを取らなかったから、ご飯抜きにならなかったのかな?



ささいな日常にも幸せが転がっているみたいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ほんわかしたお話で、素敵でした(^.^) これからも頑張ってください。
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