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木苺は酸っぱい  作者: あかね
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良くも悪くも私は、真面目な気質だ。

だから、登校するのも早め。

クラスの子達と待ち合わせるのでもいいが、いかんせんHRギリギリになるのがなんとなく心臓に悪い。

だから、今日も一人で電車に揺られていた。


「あ、あの。君、弥桜(やざくら)高校の生徒だよね?」

話しかけて来たのは明るい茶髪に左右合わせて5こはピアスのついた真面目とは無縁そうな外見の青年だった。

制服から見るに弥桜高校(ウチ)の学校の生徒だろう。

「そうですが?」

面倒臭い事態にならないのなら不良だからどうの、といった感情はない。

むしろ割りといいやつくらいに思っている。

「俺、今日から転校してきたんだけど、道分かんなくて。教えてくれない?」

ずいぶんと人懐っこそうな笑い方をする。

その笑顔が、なんとなく作り物めいて見えるのは私の気のせいだろうか。

「いいですよ。えっと、バス派ですか、徒歩派ですか?」

学校へはばすを使うと楽だが徒歩でも20分程度でついてしまう。

「え、もしかして一緒に行ってくれるの?」

「いや、私も今から学校行くんで…。」

言いたいことが理解できない。

「いやー、不良と通学って評判よくないよー。君、なんか真面目そうだし。」

理解した、やっぱり不良は割りといいやつだ。

「そーゆーの。どうでもいいんで。で、行くんですか?いかないんですか?」

「…うん、行く!」

その時笑った彼の顔はかなり幼く見えた。




学校へ行く20分のうちに割りと色んなはなしをした。

彼の名は緒方 奏。

親の都合で変な時期に転校が決まったらしいが同じ1年らしい。

茶髪はどうやら地毛で、シルバーアクセが好きでピアスを着けてみたら見事に不良になってしまってビックリしたらしい。

ちょっとバカっぽいと思った私は悪くないはずだ。

甘いものが好きなのかと思っていたが、どうやら辛い物好き。

甘いものが嫌いなわけではないが、量を食べてしまうと鬱陶しく感じると聞いて、共感した。

そんな話をしているウチに学校へはあっという間に着いてしまい、おしゃべりはお開きとなって彼は職員室へと姿を消した。





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