幸せな日々
どうも、相変わらず小説がうまく書けてないです・・・すんません・・・
「・・・というわけだ。ここはテストに出すからちゃんとメモっておけよ~」
俺は教師の授業を、右耳から左耳へスルーしこれからの事・・・鈴岡と嵐の事を考えていた。
踝のおかげで鈴岡が黒だって事ははっきりとした。
結構な依存度の可能性があるって情報とともに・・・
しかし問題はそこじゃない。
嵐が問題だよな・・・
こういうケースは、本人より他人の方が辛い。
それを言うわざわざ言う必要があるのか?
俺はここ最近、この事ばかり考えていた。
はぁ、友達にこんな事言う時が来るなんて・・・
言わないってのは一番最悪なのは分かるが、いきなりこんな事・・・
・・・かったりぃ。
なんかこの町の伝承を信じたくなっちまいそうだぜ。
はぁ、駄目だな、本当に。踝の前では、「言おうと思ってる」なんでかっこつけたけど、今じゃこれだ。
本当に自分が情けなくなるぜ。
キーンコンカーンコーン。
お?4時限目も終わりか。
はぁ、仕方ねぇ。やるしかねぇな。
俺は憂鬱な気持ちのまま嵐に声をかけた。
「嵐、ちょっと屋上に来てくんねぇか?」
「え?いきなりどうした?翔?」
「まぁなんだ。ちょっと話がな・・・」
「ん?まぁいいけど」
俺は嵐を連れ、屋上に向かった。
はぁ、本当に憂鬱だ・・・
なんでこんな事に。
4階の階段を上り終え、屋上に着いた。
俺はフェンスに寄りかかり、嵐はそんな俺の前に立っている。
なんかダ・カー○2にもこんなシーンがあったな。
俺がいらん事を考えていると、嵐のほうからこの沈黙を終わらせた。
「んで、どうしたんだ?」
・・・言うしかないか。
「あのな、嵐。いきなりだが鈴岡はドラッグを使用している」
「は?」
嵐はポカンとしていた。
「お前、前に話してくれただろ。腕に炎症が出来ている事、何日かペースでハイになるって事。それが気になって調べてみたんだ、鈴岡の事」
俺は極めて無表情に淡々と言った。
もう、後には戻れない。
冷静になるんだ。余計な感情は捨てろ。
「なっなに言ってんだ!お前!未来がドラッグなんて!」
嵐は俺に詰め寄った。
「これが証拠だ」
俺は証拠写真を嵐に渡した。
「これは・・・お前!まさか!」
そう、この証拠写真は踝が鈴岡の部屋で撮った物だ。
その事に気づいたのだろう、嵐は。
俺は無表情のまま話した。
「見えるだろ、注射器。この部屋は鈴岡の部屋だ。その事はお前が一番分かるだろ」
「ふざけんな!お前!未来の部屋に忍び込んだのか!」
嵐が俺の胸倉を掴み叫んだ。
冷静だ。冷静になるんだ。感情的になるな。
「おい!答えろ!」
俺は心を落ちつけ、答えた。
「あぁ。俺じゃないが俺の支持で俺の知り合いが忍び込んだ」
「つっ!このやろっ!」
バキ!
瞬間、目の前が真っ白になった。
痛って。
俺は鼻血を流しながら、膝をついていた。
そんな俺を上から見ながら嵐は叫んだ。
「未来はそんな事していない!絶対にそんな事はしない子だ!」
そうだよな、嵐。お前は鈴岡の事を信じているんだよな。お前はそういう奴だよな・・・
だけどな・・・
「現実ってのはそんなに甘いもんじゃねぇんだよ」
「え?」
「現実ってのは・・・そんなに甘いもんじゃねぇんだ」
そうだ、この現実は甘くない。
思いもよらない事なんていっぱいある。
親父とお袋が死んだ時、現実を見たくなかった・・・
現実から逃げたかった・・・
俺も・・・死にたかった・・・
だけどな、飛鳥がいた。
俺が現実から逃げたら飛鳥はどうなる?
飛鳥が絶望してしまう・・・
飛鳥のおかげで俺は、現実を見る事が出来た。
そうだ・・・人間は現実を受け入れる事が出来るから前に進めるんだ!明日があるんだ!
だからっ!
「嵐!現実を見ろ!」
「っつ!」
嵐は顔を歪めた・・・
しかし・・・
「俺は・・・未来を信じる」
嵐はそう告げた・・・
悲痛な顔をしたまま・・・
「嵐・・・」
俺はもう何も言えなかった・・・
言う事ができなかった・・・
「翔・・・もう、お前との関係も終わりだ」
嵐は一方的に言うと屋上を後にした。
なんだよ?これ?
最悪な展開じゃねぇか・・・
クソ・・・
クソッ!
「クソったれがぁぁぁぁあああああああ!」
俺の叫びは無人の屋上に響いた・・・
*
「朝だよ!お兄ちゃん!」
「あぁ・・・」
「もう、どうしたの?一昨日から変だよ?」
飛鳥はカーテンを開けながら俺に声をかけていた。
「あぁ、ちっと風邪引いたから休むわ・・・」
俺は飛鳥に嘘をつき布団をかけなおした。
「・・・分かった。それじゃ学校に連絡入れとくね」
「頼むわ・・・」
飛鳥は何も言わず俺の部屋を出て行った。
「お兄ちゃん・・・頑張ってね」
ドアの向こうから飛鳥の声が聞こえた。
「あいつ、気づいていたのか・・・」
飛鳥には何も言ってないんだがな。
それに今日俺が決着つけんのも気づいて・・・
「ありだとな・・・」
誰もいないドアに向かって呟いた。
嵐とはアレから一言も話していない。
軽音部にも顔を出さない。俺がいるからだろうな・・・
このままでいるわけにはいかない。
鈴岡だってこのままでは絶対に壊れる・・・
それだけは阻止しないとな。
俺が嵐に嫌われようとも、あいつらの未来を守る。
今が最悪な状況なら、未来は二人とも笑いあっている状況にしてみせる。
俺がそんな事いうのは、おこがましい事だって分かっているさ・・・
だけど、嵐は・・・俺の親友だからな・・・
俺は決意を固め、あらかじめ海に聞いておいた電話番号に電話をかけた。
*
俺は、公園で嵐を待っていた。
俺からの電話では出なかったので、力に用件を頼み嵐に伝えてもらったってわけだ。
まぁ、来るかどうかは分からんが・・・
待ち合わせ時間は10時30分、今は10時26分。
そろそろ来てもおかしくないな。
そう思ったと同時にこっちに向かってくる人影が。
嵐だ。
よかった、ちゃんと来てくれて。
嵐は俺の前で立ち止まり、ケンカごしに話しかけてきた。
「いまさらなんだよ?俺はお前と何も話す事なんて無い」
こりゃ、堪えるな・・・
友達からこんな事言われるなんて。
しかし、俺は無表情で答えた。
「今日で鈴岡は捕まる」
「は?」
「今日で鈴岡は捕まるって言ったんだ」
嵐は俺が何を言ってるのか分からないようだ。
「は?捕まる!?未来はドラッグなんて使ってないって言っただろう!」
「お前がなんて言おうが鈴岡はヤっているんだよ。証拠だってあるしな」
「ふざけんな!!!!」
嵐は悲痛な叫び声を上げた。
嵐、俺だってこんな事言いたくねぇよ・・・くそったれが。
だけど二人のためなんだ・・・
・・・
・・・本当にそうか?
嵐の気持ちを無視して、嵐を傷つけて・・・本当に二人が幸せになるのか?
俺の自己満足なんじゃないか?
「っつ・・・」
俺は途端に寒気らしきものを感じた。
なんだ?この感覚?
自分が消えそうな感覚・・・
そのようなものを感じた。
駄目だ、自分に自信を持て。俺は・・・自己満足でこんな事をしてるわけじゃない!
そうだ!俺は・・・俺は!
二人を守ってみせる!
そう決意したと同時にさっきの悪寒は消えた。
なら・・・言うしかねぇよな?
嵐を明日に・・・行かせるしかねぇよな!
「嵐、お前だって薄々感づいているだろ?」
「・・・」
嵐は何も言わない。
「このまま見過ごせば鈴岡はどうなるかだって、分かるだろ?」
「・・・」
嵐は何も言わない。
「お前が現実から逃げたいって気持ちもよく分かる・・・」
「・・・」
嵐は何も言わない。
だけど俺はかまわず言い続けた。
「だけど・・・現実を見なけりゃ、明日はないんだよ!」
「っ!」
「俺達は明日があるんだ!それに目をつぶってどうすんだよっ!明日に・・・明日に希望をもてよ!今が辛けりゃ、未来を幸せにすればいいんだよ!それが・・・それが分かんねぇのかよっ!」
瞬間、嵐は叫んだ。
「俺だって分かってるさ!だけど!だけど・・・明日に未来がいないなら俺は!俺は明日なんていらない!」
俺はその言葉を聞き、俺の中で何かがキレた。
「お前・・・ふざけんなっ!鈴岡はそんな事望んでいるなんて思ってんのかよ!そんな事も分かんねぇのかよっ!」
俺が叫び終えた後、そいつは来た。
「ありがとう、嵐君」
来たのは、鈴岡だ。
鈴岡は優しい声で嵐に話しかけた。
「ごめんね、あたしが薬なんかやっちゃって・・・そのせいで嵐君を傷つけて、本当にごめっ・・・んく・・・ごめんね」
鈴岡は泣きながらも嵐に言い続ける。
「お父さんとかからのプ・・・レッシャーに負け・・・て、薬なんかやっちゃって・・・」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながらも言い続ける。
「だけっ・・・どね、嵐君と仲良くなってからはっ、毎日が楽しかったよ?本当に楽しくて楽しくて・・」
「未来・・・」
「もっと、嵐君と遊びた・・・かったなぁ・・・もっと、もっと・・・」
「もう・・いいよ。言わなくていいよ!」
嵐は泣きながら鈴岡を抱きしめた。
「うぅ・・・嵐君・・・嵐君!嫌だ・・・嫌だよ。嵐君と離れたくないよぉ・・・」
「あぁ!んく・・・絶対に離れっ・・・ないよ!俺は!いつまでも!未来を・・・っく」
「うわぁぁぁぁぁん!嵐君・・・!嵐君!・・・嵐君!」
二人とも大声で泣いた。
っつ・・・
こんなのってねぇよなぁ。
俺も泣きそうになったところで、鈴岡が嵐の抱擁から抜け出した。
「だけ・・・どね。桐生君がね、さっき電話で言ってた。人間は明日がある、だから明日に希望をもてって。だから私はっ・・・ね、明日に希望をもつよ」
そう、俺は朝に鈴岡の携帯に電話をかけたのだ。
それで鈴岡にこの場所に来いと伝えた。
「だか・・・ら、嵐君、嵐君も希望をもって」
「・・・嫌だ・・・嫌だ!なんで!なんでお前がいない明日に希望なんてもてるんだよ!俺は・・・俺はお前が好きだから!だから・・・希望なんて・・・もてるわけ・・・んく・・・ないじゃないかっ」
「ありがとう。私も嵐君の事が大好き・・・だから私はもう・・・怖くないよ。頑張って薬を体から追い出してくる・・・その時まで、待ってて?」
鈴岡はもう泣いてなかった。
明日を・・・明日を信じている目だった。
さぁ、次はお前の番だぞ。嵐・・・
「っく・・・ずるいよ・・・その言い方ずるいよ・・・そんな事言われたら待ってるってしか言えないじゃないか!お前に行くななんて言えないじゃないかっ!」
「なら・・・言って、嵐君」
「っつぅ・・・お前の・・・お前の事を・・・ずっと・・・ずっと待ってる!絶対に!ずっと待ってる!ずっと待ってるから!」
嵐はそう叫んだ。
その言葉に鈴岡は・・・
「うん、ありがと・・・私はその言葉でがんばれる・・・未来に希望がもてるよ」
「んく・・・未来」
「それじゃ、行くね・・・」
公園の端を見ると俺が呼んでおいた警官が立っている。
と、いきなり・・・
「このぉ!馬鹿野郎!」
声がしたほうを見ると、いかにも高そうなスーツを着たおっさんが鈴岡のほうに歩いていた。
アレは・・・鈴岡の親父か?
男は鈴岡の前まで行くと思い切り顔をビンタした。
「未来!」
嵐は鈴岡のところまで行き、男を睨みつけた。
「あんたのせいで!あんたのせいで未来は!」
男は嵐の事を睨み返し、淡々と言った。
「部外者は黙っていろ。これは我々家族の問題だ」
「うるさい!あんたがもっと未来に優しかったら・・・もっといい父親だったら未来はこんなにならずにすんだんだっ!」
鈴岡の父親は嵐の言葉が癇に障ったらしく大声で嵐を罵倒した。
「貴様に言われる筋合いなどない!この小便臭いガキが!」
「なんだとっ!」
こりゃ、収集つかねぇな。
警察だってポカンとしてやがる。
・・・俺の出番だな。
「いいや、こいつだからこそ言えるんだよ」
俺は嵐に近づき、父親を睨んだ。
「あんた、何も分かってねぇだろ?鈴岡が苦しんでいた事」
「苦しむ?そんな事は知ったことではない!」
父親はすごい剣幕で俺に怒鳴りつけた。
嵐はその言葉で、キレたのか、父親の胸倉を掴んだ。
いや・・・掴もうとした。
嵐は、盛大にアスファルトに寝転んでた。
アレは、護身術か?
嵐はなお胸倉を掴もうとしたが、それを俺は阻止した。
「翔・・・」
「嵐、お前はもう傷つかなくていい。もう十分な程に傷ついた・・・」
そうだ。
ここは俺の出番だ。
嵐がこの役目をしなくてすむように・・・
俺は鈴岡の父親に言った・・・
「あんたに、痛みってのを教えてやるよ・・・」
「は?なに・・・」
俺は鈴岡の父親が言い終わる前に顔面にこぶしを叩き込んだ。
「これが痛みってやつだ。鈴岡はこれより痛い痛みを与えられ続けたんだ・・・」
俺はそう呟いた。
地面に倒れたままの男を見下ろして。
そこで警察が・・・
「未来さん、そろそろ・・・」
もうこの事件は終わる。
あとちょっとで。
鈴岡は父親の事を気にしながらもパトカーに乗った。
鈴岡・・・
パトカーが走り去ろうとした直後、嵐は叫んだ。
「未来!俺は待ってる!ずっと待ってるから!手紙も書く!電話もする!だからっ・・・頑張れぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!」
パトカーが走り去った。
鈴岡は・・・また泣いていた。
だけど、さっきの涙はきっと違うだろう。
あの涙は、きっと・・・
鈴岡、頑張れよ。
俺は心の中で鈴岡にエールを送った。
「未来・・・」
嵐は鈴岡の名前を呟いた。
「未来・・・未来!っつ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
嵐も・・・泣いた。
苦しいだろうな、好きな子とがこんなになっちまって・・・
だけどな、嵐。
「これは別れじゃねぇよ。今日から始まるんだ。お前達の幸せな日々は・・・だからさ、もう泣くな・・・」
嵐は俺の名を呼んだ。
「翔・・・翔・・・ごめん・・・今までごめん!ひっく・・・本当に・・・ありがとうっ・・・」
「あぁ・・・気にすんな」
「ありがとう・・・ありがとうっ・・・ありがとうっ・・・」
嵐は何度も謝った。
ふと俺は空を眺めた。
・・・
「嵐、空を見てみろ」
俺は嵐にそう促した。
嵐は空見上げ呟いた。
「すごい青空だ・・・」
「そうだな、すげぇ青空だな。なぁ嵐、この空のように俺達の日常は続いていくんだ。・・・俺達の明日は続いていくんだ。だから・・・もう泣くなよ。そんなんで、鈴岡の事を守れるか?」
嵐は俯いた。
俯いた後・・・飛び切りの笑顔を見せながら言った。
「わかったよ。俺も明日に希望をもつよ。それで未来を待つよ」
「あぁ、いい顔してるぜ。お前・・・」
俺の言葉は優しい風とともに空に消えた。
どうもどうも、キリリョーです。
いやぁ、どうでしたか?
感動していただいたなら、幸いです。
ついでに泣いたりしたなら、お金をあげます。
・・・冗談ですw
さて、それでは本題に・・・
覚せい剤の話が終わったんで次は・・・
何書こうかな?
物語は大体5月末くらいなので、次は修学旅行の話でも書きます!
今回がドシリアス?だったので次はネタ満載で書こうと思ってますw
泣いて笑っておな○ーして~的な小説をこれから書きたいです!(ド素人が何言ってんだか)
それではまた皆さんに会える事を願いつつ・・・
キリリョー