日常
「これが例のブツだ・・・」
嵐の手には例のモノが握られている。
俺はソレを見てニヤリと笑う。
「ふ・・・取引成立だな」
そう。これはAVだ!!!
「これで軽音部に入ってくれるんだな」
「あ?何のことだ?」
「この野朗!!!」
うお!こいつマジで泣き目だよ。
「冗談だって」
胸倉を掴んだまま離さないぞ。こいつ。
「こら。チャイム鳴ったんだから授業遅れるぞ」
「あ!早く行かないと。つうか、お前もじゃん」
「いや、俺は遠慮するわ。んじゃな」
授業とか、かったるいわ。
「おい!翔!待てって!」
無視無視。
つうか何処行くかな。
「おはよう。桐生・・・」
「あ?」
誰かに声をかけられ、後ろを振り返る。
珍しいこともあるもんだな。
「お前がこんな時間に来るなんてな」
「まぁね。占いによると今日僕は告白されるらしいんだよね~。だからだよ」
「お前、そんなの信じてんのか?」
「それは嫉妬かい?桐生君?」
「いや。そういやお前、何座だっけ?」
「え?蟹座だけど」
「え!?蟹座!?マジで!?嘘・・・。え、マジで?」
「え!?何その反応!?」
「い、いや。なんでもない。うん、なんでもないんだ。所詮占いだからな・・・。いやけど、まさかな?いやいや、占いなんだしな。そう占いなんだ。そうだ、所詮占いだ。だから気にするなよな!」
「気になるうううううううううううううううううううううううううううううううううううう!」
「千のかーぜーにー千のかーぜーになってー♪」
「いきなりなんでその歌歌ってるの!?誰が千の風になったの!?」
「死んだ人は蘇らない」
「デスノ○トのラストみたいな言い方するな!というか僕死ぬの!?おい、僕どうなんだよ!?」
「え、お前。なんでその事知ってるんだよ?俺は何も言ってないのに・・・」
「死ぬのかあああああああああああ!僕今日死ぬのかあああああああああああああああああああああ!」
今日死ぬ(占いでは)こいつは今原洋平。ぶっちゃけると怠慢な不良だ。俺とよく不良コンビなんて言われる。迷惑な話だ。俺はそこまで不良ではない。ただ遅刻が多いだけ&学校をサボるくらいだ・・・・・・うん、世間はソレを不良というのは知ってるさ。知ってるけど!なんか納得いかない!
「おい!聞いてるのか?桐生!」
「そんなことより、どこか行かないか?ここで話してっと教師が来るぞ」
「そんな事!?僕死ぬかもしれないのに!?」
「まぁまぁ。気にしない気にしない」
「気にするわあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そこから今原と屋上で駄弁ったあと学食に行った。
「やっぱ混んでんな。俺焼きそばパンとコロッケパンな」
「なんで僕が行くこと確定してんの!?」
「そんなの世界の常識だろ」
「どんな世界だよ!そんな世界ないわ!」
どす!
今原が全然行かないので、ケリを入れてあげる優しい俺。ついでに飛鳥を見つける俺。
「え!お前!ふざけっ!ぎゃあああああああああああああああああ!!!」
今原は人ごみに消えていった・・・
「今原、俺はお前のことを忘れない・・・たぶん」
そんなことより飛鳥の奴、何やってんだ?
俺は学食の端で狼狽えている飛鳥のもとへ向かう。
「おい!飛鳥!」
「あっ、お兄ちゃん。すごい人だねー」
にこやかな笑顔で飛鳥は微笑んだ。
「お前、弁当じゃないの?」
「今日忘れちゃったんだよね。てへへ」
「だったら早く行かないと、ろくなもん食えねぇぞ」
まぁ、こいつには無理だよな。こんな戦争しているみたいな顔している生徒の中に入るなんて事は出来ないだろうし。
「なんか食いたいもんあるか?。俺が買って来るから」
「本当に!?ありがとう!お兄ちゃん!」
まるで神様から救いの手を差し伸べられた囚人みたいな顔だ。
「ほら。何が食いたい?」
「んー、甘いものがいいな」
「甘いもの?アンパンとか?」
「ううん、いちごパフェがいい!」
「学食にそんなのねぇよ!」
「じゃあ、チョコレートパフェ!」
「だから無いって!パフェ以外で頼む!」
「うさま○」
「それは碧○学園がある世界にしか存在しません!」
「スピードワゴ○」
「あまーい!確かに甘いけど!お前それ食えるのかよ!」
「う、確かに食べれないね。それじゃ、まじょまじょね○ね○」
「駄菓子屋行けや!せめて学食にあるものにしてくれ!」
「えー美味しいのにー」
「美味しいのは分かるが頼む、この学食にあるものに!」
「それじゃ砂糖」
「確かにね!確かにあるだろうさ!砂糖!俺の言い方が悪かった!この学食に売ってるものにして!」
「あぁ!そういうこと!うん、分かった!じゃあ、焼きそばパンとサンドウィッチ!」
「甘いのはいらないのかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「じゃあお願いね!お兄ちゃん!」
買いに行ってやるなんて言わなきゃよかった・・・。後悔先に立たずだ。
まぁ、言ってしまったものは仕方ない。買ってきてやろう。
しっかしこの人数は洒落になんないよなぁ。最近は購買には来てなかったから余計に人が多く感じる。
「アム○いっきまーす!」
「む、この感じ、○ムロ・レイか!」
「ノんなくていいから!飛鳥!」
そこから先のことは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よく覚えていない。
*
「おっす!翔!部室行こうぜ!」
放課後になると、嵐がアホなことを言ってきた。
「アホか!俺は家で、AVを観賞すんだよ!」
「約束しただろ!」
「約束?ナンノコトカナ?」
「リキ、頼む。お前の力が必要だ・・・」
なに!?リキだと!?
「おっしゃ!任せろ!」
「やめろ!リキ!俺はAVを見るという重大な使命が!」
「はいは~い、AVは帰ってからでも見れるぞ~」
「この馬鹿力が!」
「はいは~い」
俺をずるずると引きずりながら歩くリキ。
この馬鹿力は、近藤力。体がでかく、元柔道部で(柔道部を辞めた理由はよくわからない)、今は軽音部でドラムをしている。短髪でキリっとした顔つきの男子。学級委員などをしている大真面目な野朗だ。
「やっやめろ!AVが!いちごちゃんが!いちごちゃんが俺を待っているんだあああああああああああ!」
引きずられながら叫ぶ。
そんなわけで、連行された俺だった・・・
「遅いよ!お兄ちゃん」
「いちごちゃん・・・マシンガンバイブ・・・」
「え?」
「いや、なんでもない・・・」
俺は生気のない目で応える。
途端、怒声が聞こえてきた。
「遅えんだよ!翔!」
「ごはぁ!」
なっ!一体なんだ!?なんで殴られたの!?
「遅いって言ってんだよ!」
「なんだ、海か・・・」
「そうだ。あたしだ」
偉そうに言う海。
なんでこんな偉そうなんだろう?
「つうか、いきなり殴るな。まぁ、俺に会うのが楽しみだったのは分かるがな!(にやり)」
どす!
「殴られたいのか♪」
「もう殴られております・・・」
この暴力女は藤堂海。美少女だが、ボーイッシュ。女の子にしては短めの髪。キリッとした顔つきで身体能力がものすごく高く、こいつに喧嘩を売って勝てるものはそうそういない。体育の授業でも常にトップの成績を残している。しかしでるとこはちゃんとでていてナイスバーディー。クラスメイトでよく俺とつるんでいて、性別は違えど悪友といえる女子。ちなみに軽音部では、ベースをやっている。
「大丈夫ですか?先輩?」
天使のような声で彼女は俺を心配してくれた。
こんな風に心配してくれる彼女は、2年の藤堂雪。海の妹だ。姉と違い女の子って感じでツインテール、しかも美少女。インドア趣味のせいか俺とは気が合う。要するにオタク仲間ってやつだ。しかし野郎からは相当人気がある。まぁ、姉のガードが硬すぎるせいか、誰も口説こうなんて考えない。そう・・・・・・
「ありがとう。雪ちゃん。今日も可愛いね!」
俺以外はな!
「わわ!あっありがとうございます・・・」
ビックリしながらもお礼を言う。
あはぁ、可愛いなぁ。雪ちゃん。いいなぁ。雪ちゃん。でも海もいいよなぁ。あのツンデレ具合がいいよね。デレたときが楽しみだ。・・・・・・・・・・・・・・・というか皆と付き合いたいなぁ。ちなみに雪ちゃんは軽音部で、ギターを担当している。
「は~い!話はここまで!そんじゃ今から新入部員を紹介します」
嵐が部長らしく、しきっている。
つうか紹介する意味はないだろ。俺はちょくちょく軽音部に遊びに来てたし、飛鳥もこのメンバーとは何回か遊んでいたはずだ。
「おい、嵐。わざわざ紹介する必要ないだろ」
「まあまあ。んじゃ桐生翔君です。さぁ、自己紹介を!」
マジでやるのか。・・・かったるい。
「えー。桐生翔です。3年です。好きなものは美少女とエロゲーです」
「お兄ちゃん?」
これは本当のことなのだから、仕方ない。
「始まった・・・」
海がなんか呟いていた。何だ?
「この変態の妹の桐生飛鳥ちゃんです!」
おい。
「兄が変態ですみません」
おい!
「えっと、桐生飛鳥です!1年生で、好きなものは可愛いものです!これからよろしくお願いします!」
「はい!ありがとうございます!それじゃ二人ともこれからよろしく!」
嵐の挨拶が終わり、皆雑談をしていた。・・・つうか練習しなくていいのか?これじゃけい〇ん!みたいじゃねえか・・・
ふ~。こんな日が毎日続くのか。
やっぱ皆で集まって駄弁るのは楽しいな。しかも女の子は皆美少女!
ふふふ、ふふふふふふふふふふふふ!
心の中で笑い、そして宣言する!
「ここは、俺のハーレ『パロディやめて!色々アウト!』」
皆から大ブーイングを貰った。
イケメンになりたいと心から願っているキリリョーです。
今回は一気に主要メンバーが増えました。これで、主人公が主要メンバーの悩みを解決すればおk!みたいな感じです(笑)
ですが、肝心な、メンバーの悩みが思いつかないのです・・・
これからどうしようか?などと考えているのですが、何も思いつきません(汗)
まぁ、なるようになるか!
では、短い後書きでしたがこのへんで。
読んで頂いた皆様にはすごーく!感謝しております!
キリリョー