最弱の俺
ゲームの大会も、クイズ大会も優勝。
ぶっちゃけ、この世界は物足りなすぎる。やはり俺は天才だ。
今日は彼女とのデートだから、銀行に金を下ろしに寄った。
――そこへ、運悪く銀行強盗が乱入してきた。
俺を人質にとり、銃口を突きつけてくる強盗。
まぁ、俺は天才だし、こんな退屈なイベントじゃ死なねぇよ。
そう高を括っていた、次の瞬間。
一瞬、頭の中にこれまでの人生の思い出が駆け巡った。
(……まさか、これが走馬灯?)
そう気づいた時には、ありえない激痛とともに、俺の視界は真っ暗に染まっていた。
(あ、俺死んだ)
いやまだある死にゆく体で必死に考えた
俺は最強だからコンテニュー出来るかもしれないそう心の中で願った
(コンテニューしろ)
目が覚めるとそこには見知らぬ女と医者らしき人、優しそうな男が俺を見ていた。
「よかった~」
「名前何にする?」
「ギャラとかは」
「ロミオがいいかも」
「それいいじゃん」
二人の会話が聞こえる
医者らしき人が言う女と男も喜びあっている
(こいつら天才の俺が生まれてうれしいのか?)
しばらくするとその夫婦に連れられて武器屋らしきところに行った。
「ここが家だよロミオー」
(俺はロミオというのか)
この家は俺には少し狭すぎる気がするが、まぁ優しそうな父と美人で真面目な母を持った俺は転生しても運はいいようだ
この家にきて三日ほどの時間がたった
(俺は今不満を抱えている)
俺はトイレに行きたくなるたびに母にパンツを変えてもらわないといけないし一人で歩くこともできない
こんな恥ずかしい生活はいったいいつまで続くんだか
(この生活の唯一の楽しみは夜ご飯だ)
かあさんがつくってくれるおかゆらしき食べ物は、俺の前世で通っていたラーメン屋を思い出す風味があるからだ
俺は天才だから生まれつき文字を読むことが出来るらしい
今日カレンダーらしきものを見るとぎっしり予定が書かれている
ロミオ○○儀式 生贄選抜
恐ろしいこともあり得ないことも書いてあるこれが異世界っていうものか
言い忘れたが俺の名前はロミオ・ロトリクス母はジェニファー・ロトリクス父はファン・ロトリクス
町で武器屋をやっているらしい。
「ロミー」
(母は俺をロミーとよぶのか)
「どおちたの」
(嘘だろ俺こんな情けないしゃべり方しかできないのかよひでーなー)
「ファンきてロミーがしゃべったのうちの子はすごいわ!」
「そうだな俺がしゃべれるようになったのは3歳ぐらいだぞ天才かよ」
(やはり俺は天才なんだな)
とうとうこの恥ずかしい赤ちゃん時代が終わり6歳になった。
俺は家にある武器を一つ持って森へ走った
(スライムだ)
「てーりゃー」
渾身の力を込めてスライムを切ろうとした
スライムは少しダメージを食らったかのような挙動を取ったが痛くもかゆくもなさそうだ
(俺ってもしかして弱いのか)
スライムが突進してきた
「痛」
体力が減った感覚がした
(えっ視界赤!)
ほんとに体力が減ったら視界って真っ赤になるんだ俺は驚きを隠せなかった
父が駆け付けた
「何してんだ」
「ごめんなさい」
(父がスライムを軽く倒した)
嘘だろ俺の父さんつっよ
「お前の身体能力をはかってやる」
父がそう言って俺は言われるがままに教会まで連れていかれた
「体力1魔力1すばやさ1攻撃力1防御力1魔法防御力1魔法攻撃力1」
神父が憐みの表情で言った
(嘘だろ俺のステータス全部1異世界での俺って最弱なのかよ)
「おい、修行するぞ」
「っは?」
(なんでこの最強で天才の俺が修行しなきゃいけないんだよ)
父に言われるがままに何もないまっさらな体育館のような場所に連れられた
「ここで俺がつきっきりでお前の特訓をしてやるお前は魔法使い、剣士どちらになりたい?」
「勇者」
(天才の俺が勇者じゃないわけないだろ)
「はぁ?お前の強さじゃ無理だろ、じゃあ剣使いたいんだな剣士でいいな」
「・・・うん」
「じゃあお前そこの端っこにある鉄でできた剣とって来い」
(なんで俺が剣士なんだよ!あとこの剣どっちも尖ってて持ちてないやん)
「分かった」
いやいやだが言う
「じゃあまずは剣の持ち方の練習だ」
「・・はい」
「まずはこの家で剣を使うなら伝統を守らなければならない」
(伝統そんなんあるのかよ!武器屋なのに?)
「どうやるの?」
すると父は剣の先を折り、丸く削り始めた
「剣の鉄の部分を丸くしてそこを持つことにより鋭い部分を増やせるんだ」
(だから変な形だったのかよ)
「どうだ、持ってみろ」
この剣を持った瞬間、瞬時に体になじむ感覚になった
「使いやすい!」
「この家の人間は代々手の形が特殊でな普通の剣だと親指の形的に手への負担が強くなるんだぜ」
「どうしてうちは武器屋なのに剣の伝統的なもち方とかがあるの?」
(ずっと疑問に思っていたことを聞いてみた)
「俺の家は俺のじいじちゃんの代まで代々続く勇者だったんだよ」
「えっ?」
(勇者いるってことは魔王いたってこと?ここ本当にRPGの世界じゃん!おもろ)
「今は魔王いるの?」
「俺の父さんの代からは出てないから今は多分いないか地の底で眠ってるんじゃないかな」
(多分かよはっきりしてほしいよなこういうのって)
「魔王倒したのは俺のじいちゃんじゃなくてジェニファーのばあちゃんなんだけどな」
「ひいばあちゃんは何してたの?」
「今の俺みたいに子供に修行教えてた、まぁ雑談はこれで終わりとして修行始めるぞ!」
(俺の休憩タイムが終わってしまった)
俺の父さんの話は聞いていて面白いが修行は厳しい気がするこれからこの生活がいつまで続くんだろう。
考えるときつい。
まぁ俺は今最弱らしいから6歳の俺が16歳まで十年間修業したらどうなるんだろう
これからの転生生活はどうなっていくのか少しワクワクしてきた




