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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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衣類で作った白旗

作者: 仲居雅人
掲載日:2026/10/09

 やはり、今度の戦争でも日本は負ける。


 小さい上に弱いから負けるのである。


 北海道、沖縄は完全に制圧された。


 敵は日本の権力者が集まる東京都に向かって進軍していた。


 首都での決戦などにはならない。


 敵の姿を肉眼で目視することになれば、権力者は我が身を惜しんで即座に投降する手筈なのだから。




 首都から遠く離れた山中に、疎開した人間が集まる村があった。


 不思議な事にそこの村には子どもしかいない。


 大人は子どもを置いて逃げた。


 少しでも自分たちが生き残れる確率を上げようと、荷物になる子どもを捨てたのだ。




「これで全部?」


「たくさんあるなぁ」


 子どもたちは白い衣類を集めていた。


「これは使える…これはいいや」


 真っ白な服はビニールシートの上に放り投げ、少しでも色がある物は地面に投げた。


 黄ばんでいる程度の物はシートの上に投げられた。




「糸、足りるかな?」


 器用な子どもたちはボロボロになった靴を脱いで、シートの上に移った。


 それから、糸を使って白い衣類を縫い付けた。


 この村にはミシン以前に、そもそも電気が通ってなかった。


 子どもは見捨てられたなどとは知らず、この村で大人の帰りを待っていた。


「おじさんたち、いつ帰って来るのかな…」


「死んじゃったんだ。帰って来るわけないよ」


「そんな事言わないでよ!忙しいだけだよ!」


 いや、これに関しては人それぞれの考え方があるか。




 子どもたちは白い衣類を縫い合わせると、山肌に貼り付けるように垂らした。


「完成だ!」


 子どもたちは白旗を作ったつもりでいた。


 戦争を望まない子どもたちは、何かきっかけがあって白旗という存在を知った。


 それを掲げれば降伏したと認識されて、撃たれることはない。


 降伏した後にどんな事が起こるかは分からないが、死ぬよりかは絶対に良いという考えから、製作に至ったのだ。


「余った服で私たちが振る分も作ったよ!」


 さらに小さな旗を作った。


 当人たちにそのような狙いはないが、本命の大きな旗に加えて子どもたちが白旗を掲げることで、敵の軍人に同情させやすくなるだろう。




 数日後、東京都に向かっていた敵国の部隊が村に訪れることになる。


 見張りに出ていた子どもは慌てて村に戻り、部隊の接近を告げて回った。


「いいみんな!?白旗を揚げていれば撃ってこない!絶対に反抗とかしないでね!」


 硬い靴底を鳴らして軍人が進む。


 戦車は履板(りばん)で小石を潰した。


 子どもたちは大きな白旗の元に集まって、手に持った小さな旗を掲げる準備ができていた。




 そして遂に、子どもたちは部隊と接触した。


 ライフルや戦車に怯えた子どもたちは何も言わず、撃たれないことを願って白旗を振っていた。


 軍人はライフルを構えたままだった。


 まだ警戒しているのだろうか。


「くぁzxsw!」


 敵である日本語を使う道理もなく、軍人は祖国の言葉で会話を始めた。


「何喋ってるんだろう」


「黙って」


「…えdcvfr!」


 すると軍人はライフルを降ろして子どもたちに近付いた。


 自分たちは助かる。


 誰もがそう確信した。




 軍人の動きは妙だった。


 白旗を掲げた子どもに近付きながら、ズボンのベルトを外しているのだ。


「tgbんhy」




 戦争の中で色々なものが溜まった。


 その中で特に、性欲というものはどうしても発散しづらいものだ


 男でも女でも、子どもでも老人でも構わなかった軍人は、遂に見つけた幼い子どもたちに、溢れ出そうな性欲をぶつけた。


 子どもたちが作った白旗は野外での性交のためにシート代わりとなった。


 悲鳴がうるさい子どもがいれば、口を縛って黙らせた。


 旗は汗をはじめとした体液を吸って、あっという間に湿っていった。


「うわあぁぁぁ!」


 子どもたちは逃げ出した。


「うjmきおlp!」


 軍人は拳銃を抜くと躊躇なく発砲して足を撃ち抜いた。


 白かった旗に赤が加えられた。


 血を流していようと構わず、軍人は欲を満たし、溜まっていた性を発散した。


 無情と無法を焼(く)べた戦火の中に訪れた、至福の時であった。




 村の子どもは全員、餌食となった。


 軍人はもう立ち上がることのない子どもをその場に残すと、気を引き締めて東京都への進軍を再開したのだった。

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